【6月の本よみ】 休日の公園
この日この時間この場所で、我々が声をかけることをまるで知っていたかのような、そう思ってしまうくらい、お声がけをするとすぐにうなずき、そのまま変わらない様子で目線を本に戻した。
夏の近づきを感じられるような青空が広がるその日は、
公園の噴水近くに休日のひとときを楽しむ人の姿がたくさん見られた。
読書姿を撮影させてもらったあと、読んでいた本の表紙を撮らせてもらいながら、本の話になった。
この本を買って読んだのは10年近く前だそうで、久しぶりに本棚から出してもう一度読み返しているところなのだそうだ。
「内容の7割は肯定的に読んでる、残りの3割は(ここでは以下略)」と、自身の感想をそのまま教えてくれた。
これまで撮影をさせてもらった方々の中には本当に必要最低限の言葉のやり取りで終わった方もいるし、何分か座ったまま会話を交わした方もいる。
この方もこれまで同様、初対面(そしてもちろん突然の声かけ)であったが、にも関わらず、とてもざっくばらんで、この本の話に関連して、仕事のことや、その日そこで過ごしている理由なんかも話してくれた。
この活動をしていなかったら、
こんなふうに突然(唐突に)人に声をかけて、その人と会話をすることなんて、日常生活の中で起こりえない。
撮影を承諾くださった方がそのまま本の話などをしてくれる時はいつも、その人の話に耳を傾けながらも、頭の中のもう一人の自分が、
「さっきまで全くの(知り合うよしのない)他人だったのに、こんなふうに会話をしていることの不思議さ..!」
と思っていて、顔には出さないようにしながらも、密かにかなり興奮している。
「東京の本よみ」とは?
本をよむ人のポートレート。
ストリートスナップさながらに本を読んでいる人に声をかけ、読書姿と読んでいる本の表紙を撮影させてもらっています。
毎月20日にサイトに新しい写真をアップし、末日に撮影後記をnoteにアップしています。
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