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【NYY#31】プロスペクト初心者と学ぶ: ヤンキースの決して暗くない(はず)の未来

8/21/2023修正: Austin Wells選手に関する記載「元々はキャッチャーとスイッチピッチャーの二刀流」が一部誤っていたので削除いたしました。(こちらはAnthony Seigler選手でした)

2023年ヤンキースは終焉致しましたが、楽観的な筆者は目先の苦難に囚われずに現実から目を背ける明るい未来へ向かって前に進むことにしました。
というわけで、早速ヤンキースの若手有望株を簡単にまとめてみました。
有望株はいつも相方の助手氏に任せていますが、たまには自分でも見なきゃなということで。
順番はつい先日出た2023年MLB公式プロスペランキングをもとに。

各選手の概要が途中からかなり雑になってますが、どうかご容赦ください。あと最後まで読まなくて良いので29位だけはどうしても見てほしいのでお願いしますね。

(圏外):Oswald Peraza(SS・22年全体ランキング60位)

16年国際FAの23歳。早速公式ランキングから逸脱してしまうが、(メジャーで相応数の試合に出場をした為)ルール上ではプロスペクトを卒業したものの、実態としてはトップ有望株なので無理やりランクイン。ショートでの守備が10年に一度の逸材と言われ、打撃も相応なものが期待される。昨季はプレイオフでもスタメンを張る等結果を残したものの、今年のオープン戦では同じくトップ有望株のAnthony Volpeに競り負けをしてしまいAAA降格。マイナーで大暴れをしたものの、昇格もトレードもされずペンシルバニアの田舎に幽閉されたまま。早くニューヨークに呼び戻してVolpeと一緒に内野を守ってほしい。

1位:Spencer Jones (OF・全体ランキング79位)

22年ドラ1の22歳。「左のジャッジ」と揶揄される期待の大型外野手。
198cmの巨漢で、ハードコンタクトを量産しながら長いスイングに起因した高い三振率が課題。
賛否両論ながらここ数年ヤンキースのトップ外野手プロスペであったDominguezを超えてしまった。
今High-Aにいるのでデビューは2024終盤か25年か?

2位:Jasson Dominguez (OF・全体ランキング80位)

19年に16歳で510万ドル(当時6億円程度)というとんでもない金額で国際FA。
The Martian(「火星人」)という異名を持つ外野手で、Mickey MantleやMike Troutらレジェンドと比較をされるという正直ひどい仕打ちも受けながら比較的順調に育成が進んでいる。
18歳時の21年にMLB公式全体ランキング32位まで評価が爆上がりだっただけに近年相対評価は下がっているけど、(助手氏の言葉を借りると)「20歳でJ-DOM以上のバッティングアイある選手いません」。
それこそトラウトやハーパーといったスーパープロスペの様に19歳でデビューしていないだけであって、まだまだ未来が明るい。今AAで調子が右肩上がりなので、来年の中下旬にはメジャーデビューが見れるかも?

3位:Everson Pereira (OF・全体81位)

17年に国際FAでヤンキース入りを果たした22歳。ここ数年40人ロスターに入っていたものの怪我で育成が止まっていたものの、今年に入って評価が爆上がり。AAでもAAAでもOPS.900越えで無双しており、今年中のメジャー昇格が濃厚。ただ高い三振率が少し心配。

4位:Chase Hampton (RHP)

22年ドラ6の22歳。近年ドラ3以降の掘り出し物が多いが、彼こそその象徴と言えるのでは。本記事執筆時点で95.2回で133奪三振というとんでもない数字を叩き出している。ストレートの回転率が高く、カーブもスライダーもエグい(語彙力)。今季途中でAAに昇格しており、これも24年終盤か25年に昇格か。

5位:Drew Thrope (RHP)

22年ドラ2の22歳。宝刀がチェンジで、それを駆使してHampton同様高い奪三振能力を有する。High-Aで109回138K(防御率 2.81 WHIP 1.07)と素晴らしい数字を叩き出した後、先日AA昇格を果たし8回無失点9Kと圧巻。Hamptonと24-25年にダブル昇格を果たせるか。

6位:George Lombard Jr. (SS)

23年ドラ1の18歳が早速ランクイン。バットスピードとパワー、そして高い野球IQが定評。将来的にはサードの方が可能性あり。昇格はしばらく先。

7位:Roderick Arias (SS)

22年の国際FAランキング1位の18歳。ハードヒッターと選球眼の双方を備え付けるスイッチヒッターで、ショートとしての運動能力や肩の強さも期待値高い。Lombard Jr.同様に昇格はしばらく先。

8位:Austin Wells (C)

20年ドラ1の24歳。怪我等でしばらくは評価を下げてしまったが、直近はアベレージ、パワー、選球眼を全て持った完成した左打者へと成長を遂げており、深刻な左打者に陥っているヤンキースからして痛いほど欲しい存在に。守備は難ありだったものの改善傾向に。最近AAAに昇格をしており、成績を残せば今年や来年のメジャー入りが見れるかも。

9位:Trey Sweeney (SS)

21年のこれもまたドラ1の23歳。ハードヒットが出来ている点が最も定評されている点だが、上記のLombard Jr. やArias、既にプロスペを卒業したVolpe・Peraza・Cabreraらと比べると比較的地味な存在。将来的にはサードへの転向が濃厚とされている。現在AAにいる為、早くて24年には昇格もあり得る。

10位:Will Warren (RHP)

21年ドラ8の24歳。スイーパー・スライダーを磨き上げることで評価が鰻登りに。今季の大半をAAAにて過ごしており、そろそろデビューが見れるかも。

11位:Brando Mayea (OF)

23年国際FAの17歳。最大の武器はスピードとされているが、パワーも将来的には期待できるとのこと。昇格はまだまだ先。

12位:Richard Fitts (RHP)

21年ドラ6の23歳。コントロールとスイーパー・スライダー(雑)。プロスペクトマスター助手案件。現在AAなので早くて24年昇格。

13位:Brock Selvidge (LHP)

21年ドラ3の20歳。プロスペクトマスター助手案件。粗さを感じるけど彼もまた奪三振能力が高い。まだHigh-Aなので25-26年デビューか。

14位:Randy Vazquez (RHP)

18年国際FAの24歳。最近メジャーにて好投を続けているもののAAAではボロボロに打たれ込まれている謎。カーブがエグく、ストレートの回転率もリーグ内トップ7%(本記事執筆時点)なので素材は申し分ない。ローテが決壊中の中しばらくはローテ入りが確実そうなので、定着をしてください(切実)

15位:Kyle Carr (LHP)

23年ドラ3の21歳。今季ドラフトの短大トッププロスペクト。ストレートが良い。昇格はしばらく先。

16位:Clayton Beeter (RHP)

ドジャースの元20年戦力均衡ラウンドB指名で、22年途中にJoey Galloを放出した際の対価。ドジャース時代は素質に見合わない大苦戦を強いられたものの、ヤンキースへ移籍後にはドジャース時代に封印されたスライダーを解禁し、コントロールも大幅に改善し評価をかなり上げた。高い奪三振率が売りではある一方、過去の故障歴やコントロール不安を踏まえるとリリーフ向けとの総評。今季中のデビューもあり得はするが、恐らく来季以降が濃厚(ルール5ドラフト対象である為放出の可能性も高いが...)

17位:Tyler Hardman (3B)

21年ドラ5の24歳。絶大なパワーを秘めるロマン砲で、今季AAで77試合で26HRを放っている。確実性がないのでもう少し修行が必要かと思われるが、早くて24年後半に昇格か。

18位:Zach Messinger (RHP)

21年ドラ13の23歳。198cmの長身を持つ粗削りの素材型投手で、大きくスイープするスライダーへの期待値が高い。まだHigh-Aで突出した結果を出せていないので、デビューは25~26年か。

19位:Roc Riggio (2B)

23年ドラ4の21歳。小柄ながらパワーと選球眼を兼ね備えている期待の左打者。鈍足かつ肩が弱いらしいから守備育成頑張ってほしい。デビューは26年以降。

20位:Jared Serna (2B)

19年国際FAの21歳。身長167cmとヤンキース版アルトゥーべ(ヤンキースファンから顰蹙買いそう...)。選球眼が売り。デビューは26年以降。

21位:Brendan Beck (RHP)

21年ドラ2の24歳。ストレート、カーブ、スライダー、チェンジの4球種をそれぞれハイレベルでこよなく操る、名門スタンフォード大出身の秀才。比較的早く即戦力として期待できる前提でドラフトをされたものの、残念ながらプロ入り直後にトミージョン手術を受けしばらく離脱。今季漸くプロデビューを果たし、まだHigh-Aにいるのでメジャー昇格は25年以降。

22位:Anthony Hall (OF)

22年ドラ4の22歳。ハードヒットができる良質な左打者。まだHigh-Aなのでデビューは25年以降。

23位:Ben Rice (C/1B)

21年ドラ12の24歳。名門アイビーリーグ(Dartmouth大)出身の左打者はかのレジェンドMike Fordを思い浮かばせる。今季A~AAでコンスタントにOPS1.000を越えているので、近年の貧打キャッチャートレンドを打破してほしい。でも肩が弱いらしく、ファースト転向説も。デビューは24年かな。

24位:Agustin Ramirez (C)

18年国際FAの21歳で、プロスペクトマスター助手案件。彼もバカスカ打てるキャッチャーで、パワーヒッターぶりは16年からヤンキースの正捕手を務めたGary Sanchezの幻影にも見える。ただ、Sanchezと同様で肩が良いものの守備がなかなか酷いので彼も転向化。昇格はもうしばらく先。

25位:Matt Sauer (RHP)

17年ドラ2の24歳。ローテ4-5番手くらいの期待値らしい。今AAなので来季にしれっとブルペンに入ってそう。

26位:Yoendrys Gomez (RHP)

16年国際FAの23歳。以前ヤンキースラジオでも取り上げた通り、永遠と40人ロスターにいる気がする中で実は20年オフに入ったばかり(ばかり?)。ただ、度重なる怪我で発達が遅れてしまい、プロ入りから7年経った今でも未だにAAに。先発投手として育成されているものの、あまりのスペ体質に不安の声しかない。でもストレートは素晴らしい。来季こそメジャー入りか?

27位:Justin Lange (RHP)

パドレスの元20年戦力均衡ラウンドA指名で、21年オフにLuke Voitを放出した際の対価。ストレートが良く、高い奪三振能力を有するものの何かとノーコン。まだAにいるので昇格は先。

28位:Edgar Barclay (LHP)

19年ドラ15の25歳。この30人の中では最年長で、見た目がドラえもんみたいな可愛らしい体型のロングリリーバー。見た目に反してチェンジが一級品。最近AAAに昇格し先発転向を果たした様なので、早ければ今季中にローテ決壊中のメジャーチームに合流するかも。

29位:Danny Watson (RHP)

史上初KZilla案件に認定する、21年ドラ15の22歳。身長2mのサイドスローというロマンしかない大卒リリーフ。長身を駆使した横からのリリースに伴うストレートのキャリー(上昇)に一瞬で虜になってしもうた。今季途中にAAへ昇格し、クローザーを務めて27回 防御率1.33 WHIP0.85と圧巻。令和のマリアノ・リベラ、24年に爆誕予定。

30位:Elijah Dunham (OF)

20年の短縮ドラフトで指名漏れとなり、ヤンキースとFA契約を果たした25歳。突出したツールがなくとも何でもそこそここなせる左打ちのオールラウンダー。今季AAAへ昇格をしたのでメジャーデビューが観れるかも、と思った矢先で3位のPereiraに完全に持って行かれてしまったのでデビューは来季か。

ベテルギウスの先には希望の爆発が(?)

MLB公式Top 100にはヤンキースから3名のみのランクインとなりましたが、Baseball America社のMLB全体プロスペクトランキング100位にはヤンキースから7名が名を連ねています:

57位 Oswald Peraza
58位 Chase Hampton
64位 Jasson Dominguez
79位 Everson Pereira
85位 Austin Wells
86位 Spencer Jones
97位 Roderick Arias

未来が明るすぎると定評のオリオールズ(8人)とドジャース(6人)と似た人数がランクイン出来ている点を踏まえるとかなり良い線行っているのではないでしょうか。(Top 50に一人もいないのは無視して)
特にHamptonの評価がめちゃくちゃ高いので、未来の2番手エースに期待しちゃいたいです。
最後にフラグを立てて終わり。ご精読ありがとうございました。

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