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No スベり、No クラファン。

みなさんはクラファンをやったことはありますか?「一度くらいなら支援したことはあるよ」という人も多いのではないでしょうか。

僕もその1人でした。クラファンに挑戦している人をみると「あぁ、頑張ってるなぁ、すごいなぁ」というくらいの印象でした。

よほど興味があるリターン品があれば支援するか、知り合いが頑張っているなら気持ちばかり応援したいな、というくらいの人間でした。

そんな僕も先日、ついに「クラファン挑戦中の人間」になってしまいました。

現在、クラファン終了まで残り6日間、達成率46%。何とも言いがたい絶妙な塩梅の立ち位置にいます。

自分が初めてクラファンに挑戦してみてわかったこと。それはクラファンにはそれ特有の「素晴らしさ」と「恐怖心」という相反するものが同時に生まれるということだ。

クラファンの「素晴らしさ」は言うまでもない。

①たくさんの人から応援されてやる気が出る
②目標実現のための資金が集まる
③新たな出会いや可能性が生まれる

支援とともにたくさんの応援コメントをいただく。これがめちゃくちゃ嬉しい。一人ひとりに思いきりハグして感謝を伝えたいが、不適切にもほどがあるので控えたい。

ご支援頂いた貴重な資金を大切に使いたいという思いが強くなる。お金のエネルギーみたいなものが生まれる。もちろん支援金はすべてスタッフさんへの人件費、制作費に充てさせていただくわけだが、全然関係ない自分のプライベートなお金の使い方まで倹約意識が生まれる。お金のありがたみを実感する。

またクラファンに挑戦したからこそ新しい出会いや可能性が生まれる。たとえば、とある幼稚園の先生か「うちの幼稚園でもぜひ上映してください!」という声をいただいたりして本当に嬉しい。そういう嬉しい出来事があるたび仲間たちと一緒に喜びを分かち合い絆も深まる。

お金を集めるためのクラファンのお金には換えられない「素晴らしさ」だ。

一方で、「恐怖心」もある。クラファンに挑戦すると、主に3種類の恐怖心と戦うことになる

①クラファンが盛り上がらない恐怖
②目標達成しないまま終わる恐怖
③自らをさらけ出したうえで1つも購入されないリターン品が生まれる恐怖

実際、クラファンを始める前、仲間たちと一緒に考えた。
自分たちは本当にクラファンに挑戦すべきか。

・作品のクオリティをもっとあげたい。
・たくさんの人たちに作品を届けたい。
・自分たちの活動に共感してくれる人の輪を広げたい。
・会社の理念をクラファンを通して体現したい。

やりたい理由はいくつもあったが、恐怖心も同じくらいあった。
「誰も支援してくれなかったらどうしよう……」
「全然盛り上がらなかったら恥ずかしいな……」
「達成しなかったらカッコ悪いかな……」

僕の中で、クラファンには「わかりやすい大義が必要だ」とずっと思っていた。社会の問題を解決したい、復興支援したい・・・など。

しかし、今回、僕らが挑んでいるのは「短編コマ撮りアニメ」という完全にフィクションの世界。僕らのオリジナル作品だ。当たり前だが誰にも知られていない。「おさるのジョージ」がキムタクに見えてくる。

認知度もないし全然盛り上がらない恐怖もあったが、それでも僕らはクラファンに挑戦した。一緒につくる仲間を応援したい気持ち、1人でも多くの人に作品を届けたい気持ち、新しいことに挑戦してみたい気持ちが勝った。

もちろん、やってみた上での反省点を挙げればキリがない。だがクラファン終了まで残り時間もあるし、走り終えてみないと分からないこともたくさんあるだろう。とはいえ現時点で確かなことが1つある。

それは「自らをさらけ出したうえで1つも購入されないリターン品が生まれる恐怖」があるということ。

今回、リターン品のなかに「限定10冊、直筆メッセージ&直筆サイン本」というのを途中で加えてみた。もちろん自分なりの意図があってのリターン品ではあったが、人生初となる直筆サイン本だ。

「そんなもの誰がほしいんだ」という見えない声は最初からわかっていたが、あえてその声を振り払って出してみたかった。当初5冊にしていたものを、直前で何を思ったか強気の10冊に変更した。

そして、現状、購入数はどうだったか……。0件である。

自ら「限定10冊」といいながらの「購入数0件」。

地獄である。
世の中にこれほどの恥ずかしさがあるだろうか。しかも「数に限りがあるのでお早めに」とか喧伝しながらの0件だ。恥ずかしさの上塗りである。

それでも僕は銀座の喫茶店に行き、おもむろに10冊の本を重ね「飲むコーヒーゼリー」を口にしながら、誰も購入していないリターン品に、思いを込めながら直筆サインを書き込んでいった。

スタバじゃだめだ。こういう老舗の喫茶店みたいなところで作家然として直筆サインを書いてみたかったのだ。唯一の想定外は購入数0件でサインを書き続けるということだけだ。それ以外は完璧だった。

今、大志を抱く少年少女たちよ。

もしも、今、君たちに挑戦してみたい何かがあるとして、心の中にその挑戦をはばむ壁のようなものがあったとしたら「大丈夫だよ」と伝えたい。

このおじさんの恥ずかしさに比べれば、君の中にそびえたつ壁は煮込みすぎた「かぼちゃ」にすぎない。気持ち次第で、簡単にほぐし崩せる。

かぼちゃに惑わされず、「なりたい自分」になってほしい。

そういう作品をつくるために、今、僕らはクラファンに挑戦している。お互い最後まで諦めず走り続けましょう。

No Pain, No Gain.
No スベり,No クラファン。
スベることを恐れて、クラファンはできない。

応援してくださる皆さま、本当にありがとうございます。

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