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谷山浩子ソロコンサート2023 大阪 おや?通天閣の上に銀河鉄道が…

イベント名:
谷山浩子ソロコンサート2023 ザ・フェニックスホール

日時:2023年12月17日(日)17時半〜20時頃
会場:あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール(大阪)

今年は久々に9月の猫森に行くぞ!と思ってたんですが、親族の法事と重なることに気づいて見送りとなりました。来年も三回忌で行けなさそう。猫森自体も浩子さんの体調を鑑みて、今までとは異なる形になりそうだと聞いたので、どうなるのかなぁ。

てなわけで今年2回目のライブが今年最後のライブです。4年ぶりの開催となる梅田のフェニックスホール。1階の正面後ろの席だったのでちょっと見づらかったかも。あそこは2階席のほうが眺めいいですよね。

今回の浩子さんは、赤地に黒い柄?が入ったようなワンピースをお召しでした。真っ赤じゃないんだけど赤いのがわかる、赤と黒が入り混じったような生地というかデザインというか。ファッションを表現するの難しい!

では例によって、うろ覚えのライブレポをお届けします。

セットリスト

メモをとっていないので公式サイトを参照しました。リクエストコーナーはありません。

第一部

  • アリス

  • あたしの恋人

  • イーハトーヴの魔法の歌

  • 真夜中の太陽

  • 夜のブランコ

  • 銀河通信

  • うさぎ

  • SORAMIMI~空が耳をすましている~

第二部

  • 森へおいで

  • ひとりでお帰り

  • 鳥籠姫

  • 電波塔の少年

  • 意味なしアリス

  • 終電座

  • さよならDINO

  • 向日葵とわたし

アンコール

  • さよならのかわりに

4月に代表曲ばかり集めたライブをやったため、今回は先週の東京会場も含めて「準代表曲を、ひとつのアルバムから1曲だけ選んで、古い順に演奏する」というテーマです。代表曲は入れないし、東京と大阪では曲を変えてある、なぜなら飽きるからだと。

1曲目の「アリス」のあとでテーマを説明した浩子さん。いつもは曲のテンポなどに変化がつくよう選曲するのに、今回はテーマに沿って選ぶのに熱中した結果、似たような曲調ばかりになってしまったと語ります。

浩子さん「似たような……(歌詞カードをちらっと見る)……辛気臭い曲ばかりに(笑)」

その後、「あたしの恋人」と「夜のブランコ」が同じ前半で流れた時は確かに辛気臭い曲コーナーだなと思いました。明るい曲が足りない。

何曲か歌ったあとで浩子さんは、

「谷山浩子の曲をあまり知らなくて『えっ、今日は「カントリーガール」も「まっくら森の歌」も「テルーの唄」もやらないの?』って思った人がいるかもしれませんが、ありません」

と改めて念押しして客席の笑いを誘ってました。

そんな浩子さんはライブのセットリストに代表曲を入れなきゃいけないのがあまり好きではなかったそうなのですが、

「最近、代表曲を入れてほしいって気持ちがわかるようになりました。私もスピッツのライブに行って『今日は「チェリー」も「空を飛べるはず」もやりません』って言われたら、ふざけるなって思います」

とのこと。居酒屋に行ったら唐揚げがなかったようなものかもしれない。定番って大事なのよね。

今回は曲ごとに、どの年のどのアルバムに収録されている曲ですと説明が入ります。なので『冷たい水の中をきみと歩いていく』からの曲ですと紹介された「森へおいで」は女の子が死なない版を歌うのかと思ってたら、普通に死ぬ版でした。個人的にウケた。

ちなみに「森へおいで」をやる前に、浩子さんは「個人的に、この曲をここに入れるのはしっくりこないんだけど、そう思っているのは私だけなので、そう言わずにやっちゃえばいいですね」とおっしゃってました。

準代表曲じゃなくて代表曲だと思ってたって意味でしょうか。私も代表曲だと思っていたが……。

逆に「イーハトーヴの魔法の歌」は準代表曲よりもマイナー寄りだと思ってました。関西のラジオ局でリスナーから歌詞を募集した時のもので、作詞は岩手出身で大阪か兵庫の大学に通っていたリスナーの方だそうです。昔の歌は浩子さんの今の歌声で改めて収録して聞きたい気がする。

「ひとりでお帰り」は提供曲としてつくったものの、実際に使われたのかどうかわからないそうです。斎藤ネコさんからのオーダーで、ひばり児童合唱団出身の4人の女の子の「アドミラブル」というグループへの提供曲と言ってたかな? それにしても、だいぶしんみりした提供曲ですねぇ。

「ひとりでお帰り」では、舞台の向かって右上に黄色くて丸い光が出現していた気がします。ちょうどお月さまのような感じ。そのあとの曲でも同じ演出があったけど、どれだったか忘れちゃった。

照明は全体的にポップな印象を受けました。星が出てくる曲では星マークをぶちまけたようになったり、アリスが出てくる歌では赤くて丸い光が現れたり。客席の上にも常に小さな照明が光っているので、わりと明るかったです。そういえばフェニックスホールってこんな感じだったな。

「鳥籠姫」も斎藤ネコさんからのオーダーで、岩男潤子さんへの提供曲。後日、この曲のアレンジについて斎藤ネコさんから電話で相談されて、浩子さんが提案したのは中央アジアっぽいアレンジだっけ? 中島みゆきっぽいって言った? 異邦人っぽいやつ? 記憶があいまい。

カラオケの「鳥籠姫」は谷山浩子版と岩男潤子版と両方配信されています。浩子さんは岩男潤子版のアレンジがお好きらしくて、カラオケではそっちばかり歌っているとのことでした。

(※斉藤由貴さんと岩男潤子さんをまちがえていたので訂正しました)

「終電座」は途中で失敗して止まっちゃって、そこから再開してた。歌詞は大阪仕様になってました。東京タワーが通天閣になってたんですよ。でも次の曲と続けての演奏だったので客席が反応する暇もなく、浩子さんも特に言及せず、しれっと終わっちゃいました。

通天閣かー。大阪メトロが地面を破って空へ飛ぶのはハードルが高いので、通天閣のすぐ上にあらわれいでたる電車はJRでしょうか。乗客の皆さんは関西弁で「せやな、これは銀河鉄道や」と歌ってほしい。やけどこれは銀河鉄道や、低うてもじゅうぶん銀河鉄道や。乗客はあきらめへんで。

「さよならDINO」はうまい具合にエコーがかかってて、神殿の中で歌うのを聞いているみたいでした。音響ってすごいなぁ(素人の感想)

今回は後ろの席だったので、音響さんの席が比較的近くにありました。なんか客席が光って見えるなぁと思ったら音響さんの機器の光だった。ラジオ局のスタジオ映像で見かけるやつと似てる。ああいうの使うんだ~!

芸能一般にまったく興味を持たず進学して就職したので、こうして縁のないお仕事の機器を目にすると小学生の社会見学みたいな気分になりますね。

「向日葵とわたし」は今年の猫森で披露された新曲で、遊佐未森さんとの合作。遊佐未森さんのアルバムに入れてね~とお願いしたけど明確な反応がもらえなかった(笑)ので、もし駄目そうなら私のアルバムに収録しますと浩子さんはおっしゃってました。

テーマに沿うなら最新曲のこれがアンコールに来るはずだったのですが、このフェニックスホールってアンコールの時に舞台の背後の壁がずり上がっていって、窓の外の景色が見えるんですよ。クリスマスのイルミネーション輝く大阪の夜の街が舞台の背景に映るんです。

冬の夜景とひまわりはさすがに合わないだろうという判断で、アンコール前の最後の曲になりました。

でも実際に歌を聞いてたら、この歌のひまわり、自由奔放なんですよね。なんせ歩くし。夏も冬も夜中も動いてて、果たしてこれはホンマにひまわりなんか?みたいな歌詞だったし。無理やり冬の夜景と合わせてもよかったかもしれない……。

アンコールの拍手が始まって、さほどたたずに「向こうにタッチしてすぐ戻ってきました!」と浩子さんが登場。

全国ツアーをやっていた頃、大阪や京都は毎年開催しているためか、はたまた交通の便がよくて常連が多いためか、黒い曲やマニアックな曲を集めた選曲になることが多かったのです。浩子さんに「大阪や京都なら許されるだろう」と思わせる何かがあるようで。

今回の冒頭でも大阪ライブの選曲はマニアックになりやすいことを浩子さんが語ってらしたので、アンコールは変化球で来るのか?と身構えていましたが、そんなことなかったですね。白い曲でした。

青や水色やターコイズのイルミネーションが街路樹にきらめく夜の街を背景に、しんみりとやさしい「さよならのかわりに」でおしまい。

ダブルアンコールの拍手も起きました。まぁ無理だろうなと思いつつ拍手してたら、スタッフの人が舞台の前まで出てきて「本日の公演は終了いたしました」と宣言。やっぱり駄目か~という笑いが起きて、最後に拍手をして会場をあとにしました。

ちなみに後半では浩子さんの近況トークがありました。最近は海外ドラマの気分らしく、FBIが登場するものをいくつも見ているそうです。お風呂とリビングでそれぞれ別の作品を見ているらしい。

「FBIに詳しくなりました」というわけで、浩子さんがドラマで得たFBIの豆知識を披露するコーナーが始まります。

  • FBIはofficerでもdetectiveでもなくagentである

  • FBIとCIAは仲が悪い

  • FBIに嘘をつくのは重罪(普通の警察には嘘をついてもいいみたいです、とか言って笑いを誘う浩子さん)

あとはNSAだっけ? 浩子さんも思い出せなくて詰まったところで、客席から「NSA(多分)」とコールが入ります。浩子さんは「それです、詳しい人がいた!」と飛びついたかと思いきや、「NSAの方ですか?」と尋ねて客席を笑わせます。

そのあと、浩子さんは「NSAはFBIと協力することもあって~」と話しながら、教えてくれた人のほうを見て「合ってますよね?」みたいに確認をとっていたのが面白かったです。最後は「自分が詳しくなった気でいましたが、話してみたら全然そんなことなかったです」とおっしゃってました。

もうひとつのトークのネタは朝ドラについて。

東日本大震災のすぐあとにたまたま当時の朝ドラ「おひさま」を見たら、病気で亡くなりそうな母親が子どもたちひとりひとりに「あなたにはこういう長所があって」と語りかける場面があったと。

それがとてもよくてボロ泣きしてしまい、震災でまいっていた心が救われて、そこから朝ドラを録画して見るようになったという話でした。こういう経緯で「おひさま」は浩子さんにとって特別な作品のようです。

現在放送中の朝ドラ「ブギウギ」は、OP(という呼び方で合ってる?)の歌がいいので毎回飛ばさずに見ているとのことでした。あとYouTubeで公式に配信されている劇中歌「ラッパと娘」もおすすめされた。

https://www.youtube.com/watch?v=oyukbVo9t7w

我が家はテレビがなくて、動画配信サービスでもドラマは見ておらず、もっぱらアニメと野球とAmazonのふざけたドキュメンタリー(Grand TourとかClarkson's Farmとか)を見ているので新鮮でした。

アンケートは今回もオンラインフォームでした。紙のアンケートだと皆なかなか会場を出ていかないので仕方ない気がする。特に撤収時間が厳しく決まってる会場だと紙はもう使えなさそう。

今回の浩子さんは声が出づらそうな箇所もあったりして大変そうだったのですが、それでも浩子さんの歌と演奏が聞けて本当によかったです。その場限りのアレンジがあって、失敗があってもカバーする、その生演奏の空間を共有する面白さってあるよなぁ。