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谷山浩子 ソロライブツアー2015 京都、幻想的な博物館から帰りたくない人たち

※この記事は、過去のブログからの転載です。
初出:2015/10/25


谷山浩子ソロライブツアーが始まっております。
10月24日(土)は京都でした!

会場は、烏丸三条の近くにある京都文化博物館の別館ホール。
別館といいつつ、三条通の入口を入ったすぐそこにある(でもホール自体の出入口はぐるっと回りこんだ中庭の方)
谷山浩子のライブでは初めての会場です。

私は高校生の頃に1度、友達がラジオで当たったという大木彩乃のライブがあって、このホールに入ったことがあります。15年前のことです。
当時は、出入り口が逆の場所にあった気がする…。
(新曲として「白昼夢」が発表された頃。2000年らしい)

京都文化博物館は建物の雰囲気がよかっただけでなく、音もめちゃくちゃよく響いて、素敵な会場でした。

ではでは、谷山浩子スタッフのTwitterアカウントでセットリストを確認しつつ、記憶を頼りにライブレポいってみよー。


第1部

浩子さん、なんかごちゃごちゃした模様が入った(花柄だったのだろうか)紫っぽい、ストーンとまっすぐなフォルムのワンピースと、ちょっとヒールのある黒いサンダルで登場です。


「メリーメリーゴーラウンド」

1曲目の最初の方は、痰が絡んだらしく、ちょっと声がおかしくなってたけど、そのあとは普段通りの歌声でした。
前日の名古屋では、のどの調子があまりよくなさそうだった、と他のファンから聞いた。

透き通ったメロディーと歌声が、この会場にぴったり。


「森へおいで」「クルル・カリル」

浩子さん、音がよく響く会場なので楽しそうです。

「今日は初めての場所ですが、いいですね。こんな素敵な場所を今まで誰が隠してたんだ!っていうくらい」
「気持ちがいいので、ずっと歌っていたいです。これから(ライブが)始まるので、しばらくはずっと歌ってるんですが」

ソロツアーでは、公演ごとに何かしらテーマを決めて選曲することが多いです。

「今日は何の日?で選んだり、その土地っぽいものを選んだり、しりとりとか…昨日の名古屋では味噌カツにちなんで曲を選んだり…」
「ですが、今日はこの会場が、あまりにも美しいので…………単に、寄せ集めました!」
「なので、特にテーマはないんですが。それっぽいものを集めました」

というわけで、今回は全体的に、レトロで洋風の京都文化博物館のイメージに合うような曲や、ふわふわと音が響く会場に似合う透き通った曲や幻想的な曲が多かったです。わーい。

もうねぇ、ハープの朝川さんをゲストに呼びたかったよ。
絶対に合うわ。客席もろとも召されるわ。天に。

「森へおいで」はMemoriesバージョンでした。やった!

「クルル・カリル」は、曲を先につくって、歌詞をつけていったそうです。
浩子さんいわく、

「歌詞をつくっていて、最後に『クルル・カリル』という単語を思いついたんです。扉をネズミがかじるような、そういうイメージ(歌詞に出てくる)にぴったりだなと思って」
「あとで調べてみたら、偶然にも昔の日本語で、扉に関係のある『くるる』という言葉が存在してたんですね」

Wikipediaで探してみた。

蝶番を用いない開き戸の、回転軸となる軸材。「とぼそ」とも。漢字では枢

これのことかな?


「銀の記憶」「手品師の心臓」

「銀の記憶」は、うんうん、確かに冬の教室の、しーんとした感じが、この会場に合ってる。

「手品師の心臓」は、不穏で怖い歌なのに合う!謎!
シンセサイザーがないから、テッテテレレテレレレーというメロディーも、トランプを切る音も、心臓の鼓動も入ってないんですけど、その分、ピアノの音が際立って、想像力を刺激される感じでした。

今回の会場は整理券だったため、チケットの整理番号順に入っていって、先着順で好きな席に座る形式でした。
私は43番で、3列目の中央寄りのところに座ったため、ちょうど斜め前の人の頭で演奏中の浩子さんが見えない位置。
ピアノのフタに、ピアノの弦の動く様子が映っていたので、歌を聞きながらそれを眺めてました。あー、ピアノって弦楽器と打楽器の両方を兼ねてる感じなんだなぁ…。


「LADY DAISY」「秋ぎつね」「窓の外を誰かが歩いている」「見えない小鳥」

恒例のリクエストコーナー!
今回は、勝ち残りじゃんけんで決めます。

私は2回目まで勝ち残ったんですが(12人くらいに絞りこまれてた)、3回目であえなく敗退。ざんねーん。

この4曲、浩子さんがうっかり曲名を言いまちがえたり、4曲中の1曲だけ失念したりして、
「この年齢になってくると、とっさに名前や単語が出てこなくなりますね。でも、なるべく自分で思い出すようにした方がいいそうですよ」
と言って、曲名を忘れるたびに、なんとか思い出そうとしておられました。

「LADY DAISY」は、浩子さんが友達の結婚披露宴のためにつくった歌。
なぜか「レイジーデイジー」と言いまちがえてしまう浩子さん。

「秋ぎつね」は、動物愛護関係のイベントで、歌詞を募集したもの。
選ばれた歌詞の作者は高校生だったそうです。
小学校低学年の頃の私が「横恋慕」という言葉を知らなくて、歌詞をよく理解できなかったという思い出の歌ですね…。

「窓の外を誰かが歩いている」は、「窓の中を…」と言いまちがえる浩子さん。
「ちがいます。窓の中にいるのは自分ですね!」とセルフツッコミ。

「見えない小鳥」は、浩子さんいわく「失恋を予感している歌」。
個人的には、中学時代にめちゃくちゃ気に入って、一時期は毎日のように歌ってたんですけど、その反動で今は全然歌わなくなってしまいました。10年くらい歌ってなさそう。

リクエスト曲も、全体的に音のきれいな曲が出そろって、雰囲気に合ってました。
うーん、でも逆に、音があんまりきれいじゃない曲ってどれだ?
きれいかどうか、というよりも、雰囲気に合うかどうかだな。


第2部

10分か15分ほどの休憩をはさんで、第2部が開幕です。
まずは、新しい提供曲から。


「Puzzle」

アイドルユニットのてんかすトリオが歌っている「Puzzle」。浩子さんは作詞を担当しています。
猫森Cプロでも歌ってましたね。

浩子さんいわく、

「ものすごいビートが入ってて、複雑なアレンジも入っている曲を、なんと今日は、ピアノソロで!」
「作詞の依頼をいただいた時、『浩子さんの世界で、それもファンタジー寄りで、迷宮とか出てくる感じでお願いします』と言われたので、その通りにつくりました」
「曲が難しくて、特に2番は最初歌えなかったです。歌いにくいから、歌詞カードの『複雑怪奇』を大きくひらがなで書いてるくらい…。今日は少しテンポを遅くして歌ってます」

てんかすトリオについては、

「音源がCDになってないんですよね。イベントでしか歌われてなくて。3つのアイドルグループから歌のうまい子を集めてて、それぞれ事務所が別だから、CD出すのは難しいかもしれない」
「テレビで放送されてたのを録画で見たんですけど、歌うまかったです。あの短期間でちゃんとマスターして踊りながら歌ってて」
「彼女たちが歌ってるのを見たら、キーがはずれたりしてたので、ちゃんとその場で歌ってるんだなって思いました。スターダストさんは口パクをしない方針だそうです。すごいよね、このご時世に!」
「てんかすトリオの歌は、『永遠のトリニティー』と『Puzzle』しかないので、恐らくCDが出る時は『Puzzle』もB面に収録されるはずです!」

ライブのあと、てんかすトリオがテレビで歌ってた「Puzzle」の動画をYouTubeで見つけたんで、す、が。
浩子さんの方がキーは高かった。

※現在のてんかすトリオは16歳、17歳、20歳。対する谷山浩子は59歳である。
ちなみに、浩子さんは昔よりも今の方がキーは高い。なんでや。


「恋するニワトリ」「ピヨの恩返し」

「ピヨの恩返し」は岩男潤子さんへの提供曲です。NHKみんなのうたで今年やってました。
「恋するニワトリ」は昔、浩子さんがNHKみんなのうたで歌ってました。私は見た記憶がないんですけど、私の両親は覚えています。
(私が覚えてるのは「まっくら森の歌」「しっぽのきもち」、それから中学時代にやってた「空のオカリナ」)

浩子さん、オンエア後に「ピヨの恩返し」の感想をエゴサーチしたところ、
「『ピヨの恩返し』という歌をつくった人、調べてみたら『恋するニワトリ』と同じ人だった。どんだけニワトリ好きなんだよ」
という感想を見つけたんだそうです。

「なので、この2曲を歌います!」

しかし、演奏後、浩子さんからこんなコメントが。
「ちがう歌だし!と思ってたんですけど、実際に今こうして歌ってみたら、似てましたね…コード進行が…」


「仇」「きれいな石の恋人」「海の時間」

ここは、そこはかとなくテーマがありました。
「博物館っぽいと思った歌を集めました」とのこと。

「仇」は、縄文人と弥生人の対立をイメージしてつくったので、博物館のイメージがある、と。
ただ、以前そう話したら、アンケートで「洋風のイメージを持っていたのに」と文句を言われてしまったそうです。確かに「猫目石の夜」はちょっと洋風のイメージが浮かぶよね…。

「きれいな石の恋人」は、いろんな石の名前が出てくるので、と。
鉱物図鑑のテーマソングに合いそうですよね。個人的には、この会場にすごく合ってたと思う。

「海の時間」は、時をさかのぼりすぎて、ウミユリや三葉虫が出てくる歌ですから…!
博物館の中でも、化石の展示室の歌だよねっていう。


「さよならDINO」

浩子さん、会場が気に入って、帰りたくない様子。

「来年も、この会場をとれるかどうかわかりませんが、また来たいです。帰りたくない、ずっといたいです。でも公共の建物なので、厳しく追い出されると思います」

ラスト、お別れの曲です。
これも博物館っぽいという枠で選ばれた歌。
浩子さんいわく、「私のすごく好きな歌で、恐竜と少年の、友情と別れの歌」。

浩子さんが気に入っている歌なので、ライブでもかなりしょっちゅう出てきますね。
40周年記念ライブでも、猫森でも、ソロツアーでも、毎年のようにどっかで歌ってる気がする。


アンコール

音がふわふわとよく響く会場なので、アンコールの拍手もめっちゃくちゃよく響きます。
思わず天井を見上げてしまった。天井もめっっちゃくちゃ高い。3階分くらいの高さがある。
私の他にも、天井を見上げている人がいました。

この季節は、ライブのたびに「あったかくして、加湿して、風邪に気をつけて下さいね」とあいさつしている浩子さん。
ライブのアンケートで、医者をしているというお客さんから「その調子でどんどん加湿の大切さを訴えて下さい」と激励されたそうです。

というわけで、ますます熱心に、
「加湿器が無理なら、洗濯物の部屋干しとかでも効果あるそうです。枕元に濡れタオル置いとくとか、濡れマスクをして寝るとか」
と具体的に説明する浩子さんでした。


「窓」

お礼の曲も、この会場に合いそうな曲を…とのことで、この1曲に。

会場の窓は縦長で、上部はゆるやかなカーブを描いてて、教室の窓よりもはるかに大きくておしゃれでした。
まぁ、ロールスクリーンが下がってて、ギリシャの海どころか何も見えないんですけどね!


ダブルアンコール

再びの拍手で、ダブルアンコールが実現。
「公共の建物だから厳しく追い出されるかも」と言われたので、拍手のお礼のあいさつだけをして戻ってしまわれるかと思ったんですが、歌詞カードのファイルを持った浩子さんが登場!やったー!歌えるんだー!

「1万人の拍手をありがとうございます。それくらいに聞こえるよね!」
と浩子さんは笑顔でした。えぇ、いい音ですね。本当に。

歌詞カードのファイルは黒くて、前のものよりもさらに分厚くなってました。
何cmあったんだろう。5cm以上あったのは確実なんですが。

「歌詞カードのファイルが新しくなりました!もう、片手で持てないです。この中から適当に引いた曲を歌うことにします」
ということで、ファイルから目をそらしつつ指を入れて、これ!と歌詞カードを選びます。


「壁に映る影」

浩子さん、歌詞カードの曲名を見た瞬間、
「地味なの出ちゃった…」
とおっしゃってましたが、いやいや、この会場にふさわしい雰囲気の歌でしたよ!

幻想図書館という音楽劇のシリーズで「雪の女王」を演じた時の劇中歌です。
当時、デンマーク大使夫妻が観劇にいらしたそうなのですが、その時に大使夫人がこの歌を気に入って下さったとのこと。

お城の廊下の壁に、ろうそくの光でゆらめく影が映る…というイメージの歌は、古い洋風の会場に似合ってました。

京都は来年も、この会場でやって下さい!是非!
あと、いつかハープの朝川さんと一緒にやって下さい。


余談

谷山浩子の公式LINEスタンプ「のこちゃんスタンプ」が出たことをきっかけに、自分もLINEアカウントをつくった浩子さん。

「LINEは今のところ、マネージャーのゆかりん、AQさん、AQさんの奥さんくらいしか、やりとりをする相手がいません」
(夫のN氏も含まれてたかも。忘れた)

「でも、LINEスタンプはたくさん買いました!」

やっぱりなー。
浩子さん、サイト制作にハマってた頃は、無料素材を山ほど集めてたもんなー。

横山三国志のLINEスタンプも買ったそうですよ。
「買うよねー、あれは」って、にこにこしておられました。