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ドッグフードの基礎知識

犬を飼養するにあたり悩むことの一つにドッグフードがあります。体は食べる物によって作られると言っても過言ではないので、愛犬のドッグフードをどうするかは大きな問題です。

そのドッグフードですが、やれ「グレインフリー」だの、「オーガニック」だの、「天然素材100%」だの、「コスパ最強」だの、謳い文句は様々です。また、価格もピンからキリまで、キロ当たり一万円以上するものから400円を切るものまで、正に百花繚乱です。ウェブを検索してみれば「正しいドッグフードの選び方」やら、「おすすめドッグフードXX選」やら、ドッグフードの選定に関しての記事は枚挙にいとまがありません。

そこで本稿では、ドッグフードを選ぶにあたって、冗長な解説やランキングを省いて基礎知識を簡潔に説明したいと思います。確かに、高いドッグフードは、それなりに素材や栄養成分にカネを掛けて拘って作っているため良いと言えますが、誰しもペットフードに無際限にカネを掛けることはできないと思います。ドッグフードの基礎を十分理解したうえで、コストと品質を比較衡量して、自らの意思でドッグフードを選択することが肝要です。

種類

ドッグフードは、通常、「当該ペットフードと水だけで、指定された成長段階における健康を維持できるような、栄養素的にバランスのとれた製品」と定義される【総合栄養食】を指します。その栄養基準はAAFCO(米国飼料検査官協会)が発表しており、日本でもAAFCOの栄養基準を採用しています。

【総合栄養食】として記載されているフードは、「ペットフード公正取引協議会」がAAFCOに準拠して定めた栄養基準を、分析試験もしくは給与試験によってクリアしたものです。

ドッグフードは【総合栄養食】の他に、嗜好増進等を目的(いわゆるオヤツ・トッピング)に与える【間食】【栄養補助食】【副食】等があり、状況に応じて正しいフードを選択することが大切です。特に、ウェットタイプのドッグフード(缶詰等)を毎日の主食として給餌する場合は、【総合栄養食】の表示があるものを使用しなければなりません。 

成分

まず注目するのは「(粗)たんぱく質」です。基本的に肉食動物である犬には高たんぱくの食事が必要です。たんぱく質の比率は高いに越したことはないのですが、一応、主食に必要な目安は、成長期では22.5%以上、成犬になると18%以上とされています。

脂質(粗脂肪)に関しては、成長期であれば8.5%以上、成犬の場合は5.5%以上です。犬を人間と同一視して、脂肪の摂りすぎを心配するあまり脂質を絞ると、犬の身体に悪影響を及ぼすことがあります。脂肪が良質なものであれば10%以上摂取しても問題はありません。

「(粗)灰分」はミネラル分のことで、「粗繊維」は不溶性食物繊維のことです。両方とも内容(成分)やバランスが重要なので、一概に数値だけで良否を判断することは困難です。あまり気にする必要はないでしょう。

「水分」はドライフードの場合、ほとんどが10%以下です。

原材料

原材料欄には、基本的にすべての原材料が、使用重量の重い順に記載されています。

犬は肉食動物なので、上位原材料には肉や魚などの動物性たんぱく質源が使用されていることが望ましいとされています。逆に上位原材料にトウモロコシや豆類などの植物性たんぱく質源が使用されている場合は品質に問題があるといっても良いでしょう。

また、「ミール」「エキス」「~粉(パウダー)」「副産物」は、通常、人間の食用に適さない粗悪な肉や部位(皮、内臓等)が使用・加工されている可能性が高い(そうでなければ、具体的に肉の種類や内容が表記されているはず)です。また、「~類」は同じ分野の原材料をまとめて表記し、重量を稼いで表示順を高く見せることに利用されることがあります。例えば、「肉類」とすれば、まとめることにより重量が増え、動物性たんぱく質源が上位に表示でき、イメージが良くなります。上位原材料に、これらの表記のあるものが使用されている場合は注意が必要です。

参考

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