日本語を英語に書き換えられない

 英会話教室に行ったり、短期でもホームステイしたり。
大学生前半に結構英語に触れる機会を持つことができました。
 気がつくと大学4年生。
学生時代における私の英語活動を締めくくるイベントが突然湧いて出てきました。

教授「研究内容を国際学会で発表してきて」

国際会議?
英語で研究の内容を発表する?

なんかカッコいい。
カッコいいよ。
華麗に英語で発表して質疑応答なんてしたりして。
そんな幻想を抱いて二つ返事で「やります」と答えた私。

じゃあ「学会の参加手続きするので英語でA4 1枚でレジュメ書いといて」
そう言い残して教授は去って行きました。

優しい先輩が過去のレジュメの見本など共有してくれて、いざ書こうとした私。

しかし、書いては消してを繰り返すこと2時間。
全く筆が進みません。

日本語で書こうと思っていることは出てきているのですが、
全く英語に変換できなかったんです。

義務教育で英語を学び、英会話教室に行き、短期ホームステイをして
「英語の発表か。なんとかなるだろう」と軽い気持ちで参加表明した国際会議。

まっしろなレジュメを目の前に、深い後悔に包まれていました。

更に数時間後、なんとかレジュメを埋めて英語が得意な助手に持って行きました。開口一番「何これ?なんで文章に主語が有ったり無かったりするの?ふざけないで書き直してきて」

そうなんです。
私が何がわからなくなって英文が書けなかったかというと
英語の文章を書く際、主語を何にすればいいのかわからなくなって完全に混乱してしまっていたのです。

どういう内容を書くか、こんな感じの日本語は頭に浮かんでいました。

「最初に、〇〇を□□すると下の図のようになります」
こういう文章が全く英訳できなかったんです。
一度、日本語で書いてみて訳そうとしても、「主語は・・・あれ?」という感じで一人で大混乱していました。

今振り返るとただ単に「勉強不足」という言葉しか出てこないです。
「主語を省略しても文章になる」日本語から
「主語を省略しては文章の意味が変わる」英語に書き換えることができなかったのです。

会話は大体「I」、「You」、「It」などで乗りきれて、何となく話せるという状態だったのですが、見事に弱点が露呈しました。

一応、レジュメの提出締切まで少し時間がありましたので、過去に参照していた英語の論文を読み返し、研究室の仲間のレジュメを見せてもらったりして
なんとか締切までに提出を完了することができました。

勿論、発表資料の作成も嫌という程、苦労しました。
気がついたら文字だらけのページばかりになってしまい、
意味がわかるように短縮するために資料の前で固まっていたり。

そんな苦労して用意した国際会議当日。
練習したおかげで発表は無事に終わりましたが、質疑応答はボロボロ。
何を質問されているのか全く聞き取れず、わざわざ質問してくれた人に何度も質問を繰り返してもらった挙句に、助手の人が「〇〇やったのかって聞かれているんだよ!」と日本語でフォローいただき、

『Yes, we did.』と回答。

それ以降は誰も質問せず、沈黙が続いて私の持ち時間は終わりました。

短期ホームステイ後に感じた
「限定的な人との会話はできます。」という状態から抜け出すことは
大学在籍中には出来ませんでした。

英語が話せるのは、まだまだ先の話です。

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