[DTM] 1分で分かる K-POPアイドルソングの作り方 (TwiceやNiziU、少女時代系)
まずは概要をまとめた動画の紹介
↓の動画に本記事の概要がまとめてあります。
0.この解説記事・動画で使用しているデータは『K-Pop Idol Sample Pack - Candy』に収録されています。
この解説記事・動画で使用しているデータは『K-Pop Idol Sample Pack - Candy』に収録されています。
多くのループ素材、MIDIファイルやデモトラックのStems(パラトラック)を収録していますので、
K-Popアイドルソングを作りたい・編曲(アレンジメント)の勉強がしたいという方はぜひご利用下さい。
【ダウンロード】
TOMTOM FACTORY
https://www.tomtomfactory.com/product-page/k-pop-idol-sample-pack-candy
BOOTH(円高の影響のため、こちらの方が若干安くなると思います) https://booth.pm/ja/items/4419953
1.コード進行とキー・BPMを決める
今回制作していく楽曲はTwiceやNiziUなどのアップテンポなK-Popアイドルソングを目標とします。
K-Popアイドルソングのサビでよくあるコード進行の特徴としては
・I_IIIm、もしくはI_IIIの流れが多い
・IVmやVmなどのコードをよく使う
・トニックで始まりドミナントで終わる循環コードがセクションを通して続く
などが挙げられます。J-Popよりはシンプルですが、セカンダリードミナントやモーダルインターチェンジを使用してやや複雑でカラフルなコード進行を構築していく場合が多いです。
今回はまずコード進行を
I IIIm IV IVm V
に決定し、コードのトップノートやベースの響きなどを考えた結果
KeyをGmaj、BPMを170になりました。
2.リズミックなピアノトラックを作る
コード進行を演奏するピアノトラックから制作していきます。
やや前のめりの勢いのあるリズムにしました。
コード進行の終わりでキメのリズムを作っておくのがポイントの1つです。
サウンドは
・EQでローカット&ハイを強調
・コンプを強めにかけて硬さや勢いを出す
などの処理をしています。
3.コード感を補強するシンセパッドを作る
ピアノトラックとは打って変わってこちらはシンプルにコードを演奏します。
ピアノがはっきりとしたサウンドとリズム感を持っているため、シンセパッドはあくまでコードの雰囲気を補強する程度に主張を抑えておきます。
4.アップビートなドラムを作る
ドラムパートはK-Popらしさを出す上でかなり重要です。
K-Popのドラムサウンドはアコースティックなドラムではなく、エレクトロ系が主体となっており、ダンスミュージックとしての役割を担っています。
EDM系のしっかりと芯を持ったキックに、厚みがあり音抜けの良いディスコ・ファンク系、もしくはFutureBass系のスネアやクラップが使われることが多いです。
またスネアを複数使い分けることもよくあり、今回の楽曲内ではメインのスネアとは別にFuture Bass系のスネアをフィルとして使い、ビートのアクセントにしています。
Future BassのタムフィルやTrapのスネアロール、ハイハットロールなどは昨今のK-Popの中でよく使われています。
5.シンセサイザー&サブベースでルート音を演奏
今回の楽曲ではベースは大人しくルート音を演奏する程度に抑えました。
リズムはピアノトラックに合わせてあります。
また低音の補強のためにサブベースをレイヤーしました。あくまで低音部分の補強なので、低域(100hz以下)より上はEQで削っても構いません。
6.シンセベルで楽曲のメインフレーズを作る
コード、ドラム、ベースと作ってきたので、リード・メロディパートを制作していきます。まずは楽曲の中で一番耳に残る(であろう)フレーズから取り組みます。
今回はノスタルジックで可愛らしいシンセベルを採用しました。
やや古さのあるキラキラなサウンドは乙女心や夢想的な世界観を演出するのにもってこいです。
フレーズはできるだけキャッチーかつシンプルなものを微妙に変化をつけながら反復させていきます。他のトラックも足していくので、あえてスペースを残しておきます。
7.切なさを与えるギターを追加
コードの構成音を少しなぞるアルペジオフレーズをクリーン系のギターで演奏していきます。リバーブを多めにしたクリーンギターの音色はドリーミーな印象を楽曲に与えてくれます。
8.ドラマチック・ロマンチックさを出すストリングスを作成
ストリングスがあると楽曲にドラマチックさ、ロマンチックさが出てきます。
動きのあるトラックを既にいくつか作っているので、ストリングスはシンプルなフレーズにします。
9.楽曲をこっそりキラキラさせるアルペジオを作る
コードの構成音をなぞったアルペジオをシンセサイザーで鳴らします。
音数の多いフレーズなので、音量は控えめにして、AutoPanなどのエフェクトを使って左右に散らします。
10.楽曲のアクセントとなる効果音を加える
まずは流れ星の効果音みたいな可愛い音を冒頭に追加します。
またボーカルチョップのワンショット系サンプルをトラック同士の隙間で鳴るようにしました。
ボーカルの一部分を切り抜いて、ピッチを上げてリバーブを加えたボーカルチョップはFuture Bassなどでよく見かけるサウンドですが、K-Popにおいても頻出です。
11.作成したそれぞれのトラックを組み合わせて完成!
これまでに作成したトラックを組み合わせて楽曲を完成させます。
ミキシングの際では
・シンセベースとサブベースのEQ調節
・クリーンギターをやや左に配置
・ストリングスをやや右に配置
などの処理を行いました。
J-Popほどでは無いですがK-Popもメロディックなトラックを多く使うことが多いので、トラックのパンニングやマスキングなどを注意して行って、バランスの取れたミックスを目指すことが大切です。
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