割り込み

客A「ちょっと失礼」

客B「てめえ、何割り込んでやがるんでい。ちゃんと並びやがれ。社会のルールってものを知らねーのか」

客A「ほう、あなたのような方の口から社会のルールなんて言葉が出てくるとは意外ですね。とにかく私は急ぎますので」

客B「てめーぶっ殺されてーのか。俺を誰だと思ってやがるんだ」

客A「誰なんですか?」

客B「俺様は◯◯組三代目、牛殺しの鉄と恐れられている鬼瓦山鉄五郎という者だ。文句あるか」

客A「文句は有りませんが、とにかく急ぐので・・・」

店員「お客様、割り込みは困ります。私は時と場合によっては曲がった事が大嫌いになる人間です。特に今回のようないかにもルールを守らないような見かけのお客様がちゃんと並んでいるのにあなたの様なメガネをかけた色白のサラリーマン風の方が割り込むのを黙って見過ごすわけにはまいりません」

客A「とにかく急ぐので・・・」

客B「分かんねー奴だな。お前はいったい何処のどいつだ」

客A「私は日本割り込み協会の副会長をさせて頂いている者ですが」

客B「いやあ、そうでやしたか。そんな事とはつゆ知らず失礼いたしやした。どうぞお先にレジを済ませておくんなせえ」

店員「失礼しました。どうぞ」

客A「分かって頂ければいいんです。協会の事務所はすぐそこですから、割り込みをさせない様な客がいて困る時はいつでも相談に来て下さい」

店員「ありがとうございます。お陰で助かりました。うん???」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?