宇宙空母
私はノア博士
地下にある秘密基地で
30年の歳月をかけて
巨大な宇宙空母を造った
この空母は宇宙空間を
光の数億倍の速さで移動出来る
さらには
燃料や食料の補給なしに
永遠に飛び続ける事が出来るのだ
凄いだろう
私はこれに乗り
ちっぽけな地球に別れを告げ
雄大な宇宙を目指そうと思っている
家財道具や
私と一緒に旅をしてくれる
動物たちの積み込みは完了した
さあ出発だ
そう思った矢先に
私はある事に気付いた
地下の秘密基地へ通じるトンネルは
直径が2メートル
宇宙空母の幅は200メートル
高さが120メートル
長さに至っては
600メートルをゆうに超えている
宇宙空母を飛び立たせるためには
狭いトンネルの
拡張工事をしなければならない
トンネルのながさが約20キロ
工事にかかる時間は
ざっと見積って80年
うーん
地上でもう1隻造った方が早いか
それとも
一人乗りの小型宇宙船なら
数カ月で完成する
でもそれでは
月へ行くのが関の山
そうだ!
良い事を思いついた
出発したつもりで
空母に閉じこもろう
自給自足出来るのだから
何も問題は無い
それでは皆さま
さようなら
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