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日曜アーティストの2023年を振り返る

好きなことをやり続けるなら、別にそれを仕事にしなくてもやり続ければ良いんじゃないかなと思うわけです。仕事にならなかったからという理由で、やりたいことを諦めるのはもったいない。1日は24時間あって、仕事に8時間費やして、睡眠を8時間とったとしても、まだ8時間は残るわけだし。本当にやりたいことがあるのなら、週末やプライベートの時間を使ってやるのは自由じゃないかなと。時間がないとか、お金がないとかは、単なる言い訳なので。どうやって時間をつくるか、予算を確保するかを考えつつ、自分ができる範囲でどんどんやりたいことをやろう、と。それが、自分にとっての「日曜アーティスト」の活動なのです。

趣味だからいい加減にやるんじゃない。趣味だからこそ、本気で真摯に取り組む。時には睡眠時間を削って、お金のためではなく誰からも強制されない中、いかに限られたリソースの中で捨て身で本気に取り組むか。そういうチャレンジは、めっちゃ楽しい。

というわけで、2023年の日曜アーティストとしての活動を振り返ります。

作品展やワークショップ

昨年、北千住にあるカフェ「BUoY」でアーティスト・イン・カフェという企画に参加して、『恩送りアートカフェ』っていうアートプロジェクトを実行しました。カフェで滞在制作を行って、自分の作品がひとつ売れたら、その売り上げがそっくりそのまま次に来るお客さんのコーヒー代になるというもの。恩返しではなく、恩送りがテーマの企画。その時に、短時間でたくさんの作品をつくる必要があり、久しぶりに版画を使った作品制作を本格的にやってみたわけです。学生時代、イメージトランスファーの手法でコピーをネガとして使用し、版画プレス機でイメージを転写するというのをやってました。大学四年生の時に開催した個展でも、その手法でつくった作品を数多く展示したり。大学を卒業し、身の回りに使える版画プレス機がなくなってからは、なかなか版画の手法を使った作品作りもできなかったですが。先日ドイツのクリエイターさんたちが開発した、3Dプリンターでパーツをつくった小さな卓上プレス機をクラウドファンディングで支援して、それを使って名刺サイズの版画をつくれるようになりました。おかげで、恩送りアートカフェでたくさんの作品をつくり、60人以上の方に作品をお買い上げいただきました。

その手法を使って作品作りを継続し、昨年は神田小川町の優美堂という元額縁屋さんで作品を販売したり、埼玉県小川町のゲストハウスで短期間の滞在制作を行ったりしました。

そして、今年は2月末にはこの版画の手法を使って、ささやかながら思い入れのある個展を開くことができました。

3331 Arts Chiyodaで最後の作品展

千代田区の元中学校を再生した複合アート施設「3331 Arts Chiyoda」が12年間の歴史に終止符を打ち閉鎖となるにあたり、一般の出展者が作品展を開催できる最終日の2023年2月28日に、この思い出深い場所でささやかな個展を開催しました。この場所が立ち上がって間もなく、2012年にこのアート施設の元教室だった空間をお借りして、6人でシェアして共同アトリエとして使っていたことがあります。その後も、ギャラリーショップに作品を置かせてもらったり。「かえっこ」という使わなくなったおもちゃの交換会のプロジェクトでは、10年ほどキッズ向けの工作ワークショップを担当させていただいてました。このいろいろな思い出が詰まった場所を写真に撮り、そこからネガをつくり、名刺サイズの小さな版画をたくさんつくって展示をしました。当日会場に来てくださった方には、どれでも好きな作品をプレゼント。そのちょうど一か月後に、この場所は大規模改修工事のために閉鎖されました。そんな思い出を振り返りつつ、最後にこの場所でささやかながらも作品展ができて良かったです。

中銀カプセルタワービルについての勉強会を開催

2019年に、中銀カプセルタワービルというユニークな建物に住む機会があって、1か月の滞在期間中にいろんな企画をみんなで実行しました。ドローンが飛ぶ中で宇宙食を食べたり、昆虫食と日本酒のマリアージュを試してみたり、カプセル全体をピンホールカメラ化してみたり、アイヌの口琴楽器「ムックリ」を聴いたりなど。チェコの茶会、note勉強会、御朱印帳づくり、ハンコでコマ撮りなど、いろんな人たちが協力してくれて、面白い企画がどんどん実現していきました。

黒川紀章さんが「メタボリズム(新陳代謝)」というコンセプトで設計し、1972年に建てられたビル。20年周期でカプセルが交換され、細胞が生まれ変わるように建物自体も新陳代謝をしながら進化していくはずでしたが。竣工以来一度もカプセルは交換されることはなく、2022年に惜しまれつつ解体されてしまいました。

カプセルでの活動の記録と、今後のカプセルの未来について共有するための、勉強会を2月に開催。建物は解体されてしまいましたが、そこから保存・再生されて生まれ変わった23個のカプセルが、これからいろんなプロジェクトに展開されていきます。すでにもう、いくつかは美術館に収蔵されたり、あるいは銀座で展示や、クリエイティブスペースの一部として活用されています。中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの前田達之さんも勉強会に遊びに来てくださり、他では聞けないディープなお話も伺うことができました。こんな形で、メタボリズムは当初とは違った形ですが、確実に実現してるんだなと。

奥野ビルで中銀カプセルタワービルをテーマにした作品展

ひょんなご縁から、銀座の築90年の建物、奥野ビルで開催された「BC-25(カプセル)サロン」というタイトルの作品展に参加しました。企画を主催する「銀座たてもの展実行委員会」の方が元中銀カプセルタワービルの住人で、元住人同士でここに作品を展示させていただけることに。もともと私もこの奥野ビルが大好きで、10年前にはちょくちょくこの場所でグループ展にも参加していました。懇意にしていたアートギャラリーがなくなってしまったため、しばらくこの場所で作品展はできなかったですが、また再びこの場所に戻ってくることができてとても嬉しかったです。

例によっていつものように、私は小さな版画作品をたくさんつくって展示しました。すべて、中銀カプセルタワービルがモチーフ。会期中、30点ほどの作品が売れました。ここでも、カプセルが新陳代謝をしながら増殖していくような感じで、作品がメタボリズムを実現しているようでうれしいです。

また、会期中にアーティストトークもやらせていただきました。中銀カプセルタワービル滞在中の活動についてお話したり、今回制作した作品の解説などをしました。自分で言うのもなんなんですが、カプセル愛にあふれた、よい企画展でした。

SHIBAURA HOUSEの「日ようのマルシェ」

8月には、芝浦三丁目にある「SHIBAURA HOUSE」で、マルシェイベントに参加して、その場で作品を制作しながら販売を行いました。野菜やグッズが売られている一角で、小さな版画のアート作品を販売するという。残念ながら作品は売れませんでしたが、「つくってみたい」という方が何人かいらっしゃって、ワークショップ形式で作り方をお教えしました。誰でもつくりやすいように、マジックインキを使ってインクを溶かして転写するという方法で、作り方をみなさんに共有しました。

中銀カプセルタワービルが繋ぐご縁

奥野ビルでの作品展示がご縁で、「銀座たてもの」新聞10月号に寄稿させていただきました。「中銀カプセル住民の思い出」というテーマで、ここで1か月滞在していた期間に行ったプロジェクトや、ここで一緒に活動した人たちとの思い出を記事にまとめました。

蔦屋書店の代官山店、そして銀座店で中銀カプセルタワービルの企画展示コーナーが設けられ、そこに私がデザインしたステッカーも販売されました。こちらのステッカーは、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトの前田さんにご発注いただいたもの。いろんな場所で使われているので、見かけると嬉しくなります。

松竹が10月に立ち上げた東銀座のクリエイティブスペース「SHUTL」にて、コスプレ 声ちゃんの作品展。その会場でもカプセルロゴや、フリーペーパーの掲載紙を見つけました。

丸窓のディスプレイにステッカー。中銀カプセル新聞にもロゴが載っています。もちろん、銀座たてもの新聞も配布。さらに、声ちゃんの新刊、「中銀カプセルタワービル解体デイズB」にも、実はこのロゴデザインを載せてもらっています。

そんな流れで、声ちゃんの展示が終わった後、搬出作業をお手伝い。パネルを外して、箱詰めし、バンに乗せて運び出す作業。とても素敵な展示だったので、またいろんな場所で開催してほしいな。またお手伝いしに行きます。

11月23日~25日に開催された「銀座たてもの新聞展」にも、作品を展示させていただきました。

黒川紀章さんの「メタボリズム」という建築コンセプトは、大阪万博がきっかけで認知され、中銀カプセルタワービルのプロジェクトもそこから生まれました。というわけで、奥野ビルでの「万博サロン」も、元中銀カプセルの住人たちが集まって素敵なイベントになりました。ゲスト・トークには、関西・大阪万博の公式キャラクター「ミャクミャク」をデザインしたデザイナー・絵本作家の山下浩平さんが登壇。このキャラクターが生まれたいきさつなど、とても面白い裏話をお話ししてくださいました。

そんなご縁もあって、12月22日に奥野ビルで開催されたワークショップ「キャラクターをデザインしてみよう Ver 0」に参加。山下さんが講師となり、みんあでキャラクターをつくってみました。

奥野ビルでの作品展がきっかけで、小さな版画作品をご発注いただきました。コツコツ作成して、お渡ししました。

というわけで、ひとつのプロジェクトがどんどん広がっていって、いろんな出会いから繋がりが生まれて、また次のプロジェクトにつながっていく。面白そうなところに飛び込んでいくと、そこからどんどん面白いことが広がっていく感じですね。特に、中銀カプセルタワービルには不思議な魅力があって、素敵な人たちが集まってきます。

建物は解体してしまいましたが、今でもカプセル元住人たちのつながりはあって、再生されたカプセルのプロジェクトも展開していきます。

本づくりの勉強会とワークショップ

子供のころから本が好き。読むのも好きですが、たまに書いたりもしていて。プリントオンデマンドの書籍や、Kindle本などをちょこちょこ趣味でつくったりもしていますが、ここ最近「手製本」が面白いなと思って。手作りの本や小冊子をつくったりしています。この楽しさを共有したいと思い、4月に小さな勉強会を開催しました。

神田小川町の元額縁屋さん「優美堂」の工房スペースにて、本づくりのワークショップを開催。2018年より毎年開催しているKindle本づくりの勉強会に、今回は手製本を加えてみた感じです。実際に、みんなで文庫本をハードカバーにリメイクする「文庫上製本」づくりを体験しました。

さらに、10月に横浜にあるアップサイクルをテーマにした工房スペース「くるり工房」にて、古布を使った本づくりのワークショップを開催。浴衣や、手ぬぐい、リサイクル生地などを使って、文庫本をカスタマイズしました。

私が好きな散歩と、パブリックアートを組み合わせた、ちょっと変わった勉強会を7月に開催。きっかけは、私の知り合いの浦島茂世さんが『パブリックアート入門』という本を出版したことから。その出版イベントが日比谷公園にある日比谷図書文化館で開催されました。そのトークの中で、浦島さんが日比谷公園に設置されているパブリックアートについても言及。そこから一気に日比谷公園とパブリックアートに興味を持ち、ちょくちょく日比谷公園を散策するようになりました。今まで全く知らずに歩いていたのが、それぞれのアート作品や記念碑、オブジェなどの由来を知るごとに、だんだん見えなかったものが見えてきたのですね。魅力的で興味深いストーリーやエピソードがいたるところに。その感動をみんなと共有するために、浦島さんを特別ゲストにお呼びして、日比谷公園を散策するイベントを開催しました。まず、日比谷図書文化館の会議室で座学を行い、そこから日比谷公園を散策。最後にまた会議室に戻って振り返り。

目で見るだけでなく、調べて理解し、そのうえで感じるということ。五感と脳で体験しながら学んでいくと、新しい世界が見えてきます。

東京ビエンナーレのつながり

前回、2021年に開催されたはじめての「東京ビエンナーレ2020/2021」は、コロナ禍の影響で1年延期されての開催。2021年7月から9月の期間で開催されましたが、準備期間も開催期間も、まさにコロナ禍の只中でした。そんな中、私は「優美堂再生プロジェクト」に市民ボランティアとして参加。元額縁屋の建物のリノベーション施工に関わりました。

そんな流れで、2年後の今年、第二回目の開催となる「東京ビエンナーレ2023」にもプレイベントや事前準備から手伝いに入りました。

Slow Art Collective

Slow Art Collectiveは、オーストラリアのメルボルン在住の加藤チャコさんとディラン・マートレルさんによるアートプロジェクト。ゆっくりと、サステナブルで環境にやさしい素材を使いながら、アート作品とそれを生み出す場をつくるというもの。昨年の秋にも私はこのプロジェクトに参加して、竹と紐を使った会場の設営のお手伝いをしました。

そして今回も、まずは会場設営のお手伝いから。竹を加工して柱を作ったり、脚立や足場に上って輪っかの形をした造形を設置したりなどをしました。前回の東京ビエンナーレから参加しているので、こうしたボランティアの施工作業もだいぶ慣れてきました。

昨年11月にこのプロジェクトに参加した際に、竹を使ったオーナメントをつくるワークショップを担当させていただく予定でした。残念ながらコロナの影響でワークショップが急遽中止になってしまっていたので、今回はぜひともそのリベンジをと。竹を使った立体的なオブジェをつくるというワークショップを担当しました。

有楽町のSlit Parkで二回、丸の内仲通りUrbanTerraceで一回、合計三回のワークショップを開催しました。

顔のYシャツ

100年前に創業したYシャツ屋さん。店舗としてはすでに終業しているのですが、中村政人さんがこの場所でアートプロジェクトを実行するにあたり、市民ボランティアとしてお手伝いをしました。

まずは、会場の施工から。床を作り直すお手伝いをしました。前回のビエンナーレで優美堂をリノベーションする施工作業に参加したので、インパクトドライバーや丸鋸の使い方などはそこで覚えました。汗をかきながら手を動かす作業は楽しいです。

グッズづくりのお手伝いも。まず、この建物の正面に掲げられている「顔」のデザインをデジタル化。私がイラストレータでトレースし、データ化しました。そのデータをもとに、布地にプリントしたものをキャンバスに張ったり、缶バッジやステッカーなどをデザインして発注。販売を行いました。

建物自体はもう間もなく解体が決まっています。地元の名物的なこの建物が、ここにあった証を作品と物販とで残します。

東京ビエンナーレの参加アーティストも集まり、「仮面パーティ」が行われました。DJによる音楽もあり、にぎやかなひと時でした。

天馬船プロジェクト

1万艘の木の小舟を川に流すという、天馬船プロジェクト。前回のビエンナーレでも、柿渋塗りや旗付け、当日の屋形船からの小舟の放流、回収と洗浄まで、ひととおりの工程を市民ボランティアとしてお手伝いしました。真夏の炎天下での柿渋塗りは本当に過酷でしたが、それもまた楽しかったです。

今年は、まず1万艘の天馬船たちを千葉の保管場所から都内に持ってくるところからお手伝いしました。木のクレートに詰め込まれた小舟たちを、トラックに積み込んで運びます。真夏の作業で、ものすごい量の汗をかきました。天馬船と一緒に保管してあった、Slow Art Collectiveの資材なども一緒に運びました。

天馬船を放流する当日までの期間、馬喰町のエトワール海渡ビルの会場で、展示と準備を進めます。会場の施工作業、ならびに旗付けなどをお手伝いしました。

昨年同様、今年も放流の当日は雨でした。前回は神田川で、屋形船から流しましたが。今年は日本橋川。桟橋から流します。今回は六千艘だったので、昨年より短時間で流すことができました。

下流で天馬船を回収。エトワール海渡に運び、洗浄作業。雨の日は下水が川に流れ込むので、臭いがすごい。雨の日にこの臭いを体験するのも、このプロジェクトの醍醐味ですね。

その他

ほかにも、東京ビエンナーレのいろいろなプロジェクトに参加しました。

TOKYO ART FARMの近藤ヒデノリさんとは、nl/minatoの企画でお目にかかる予定だったのですが急遽予定が変更になって会えず。顔のYシャツのパーティでようやく初めてお目にかかることができました。そして、東京駅グランルーフで開催された木製の「ロングテーブル」をつくるワークショップに私は参加。檜と杉の原木を使ってテーブルをつくりました。

優美堂で開催された、現代アーティストのO JUNさんによるキャンバス張りのワークショップに参加。木枠に布を張ったり、下地を塗ったりなど。このワークショップのあと、さっそくキャンバス張り用のプライヤーを買いましたよ。

そして、優美堂で滞在制作をするO JUNさんのトークイベントにも参加。先日下地を塗ったキャンバスの裏に、署名をさせていただきました。東京ビエンナーレのテーマが「リンケージ(つながり)」なので。

イミグレーション・ミュージアム・東京(IMM東京)の公募展の作品が、大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町)に点在する5つのビルの15個のショーウィンドウに展示されていたので、それを頑張って全部鑑賞しました。展示の関連イベントとして、IMMの岩井成昭さんと、映画監督の川和田恵真さんのクロストークを聴講。イベントの後に、岩井さんが展示ツアーをしてくださることに。やっぱり一人で作品を見るのと、こうして作品のエピソードをうかがいながら巡るのとでは、作品の理解度が全然違いますね。すごく勉強になりました。

中村政人さんによる展示ツアーにも参加。とにかく、展示会場がいろんなところにあるので、こういったツアーはすごく便利です。普段は入れない、展示会場の中からも鑑賞できて、すごく満足です。

東京ビエンナーレは、二年ごとの開催。次回は、2025年の開催予定。もしやる場合は、また市民ボランティアとして参加したいと思います。

飛び込んでいく

「日曜アーティスト」の良い点は、面白そうだと思ったところにどんどん飛び込んでいけること。フットワーク軽く、収益とか効率性とか考えず、ただただ楽しむことができる。仕事ではないので、お金を稼ぐ必要はないので。「面白そう!」と思った次の瞬間には、その輪の中に入っていたり。

2023年もいろんなところに飛び込んでいきました。

正月休みになにをしていたかというと、生成系のAIで遊んでいました。2023年、AIが一気に進化して浸透しましたよね。私がやっていたのは、存在しない女性の画像を生成して、解像度を上げたり着色したりして加工しつつ、その画像を使って絵を描くというもの。AIが生成した存在しないモデルなので、肖像権を侵害することがない。デッサンの練習にぴったりです。

で、その存在しないモデルを描いたデッサンを、スキャンして加工し、さらにそれをプリンターで出力してネガにして、版画作品をつくるところまでが遊び。さらにこの版画作品をドイツの「Open Print Exchange」に10点送り、世界各国のアーティストさんとランダムに作品を交換するというプロジェクトに参加しました。まず9点の版画がランダムに自宅に届き、さらに作品集もちょうど家に届いたところです。残りの1点は、巡回展として世界を巡るそうです。

転写プリントによる版画や、ハンコを使って作品を制作。優美堂の『千の窓』展に作品を出展しています。「やさしさ」と「富士山」をテーマにした作品を優美堂のデッドストックの額縁と組み合わせて制作します。すでに結構な数の作品を提供していて、3点ほど売れました。高田純次さんの「じゅん散歩」や、戸次重幸さんの「ぶらり旅」でも、私のハンコアート作品が紹介されました。

こちらが、私がクラウドファンディングで支援した「Open Press Project」の卓上サイズのプレス機です。パーツが3Dプリンターでつくられていて、壊れても自分で出力して直すことができます。このプレス機を使って、「恩送りアートカフェ」や、3331での最後の作品展、SHIBAURA HOUSEのマルシェ、小川町の町屋での滞在制作や中銀カプセルタワービルの作品をつくっています。小型なので滞在制作にぴったりで、デモンストレーションをしながら時々来場者さんに使い方を教えたりもしています。

こちらは、横浜で偶然出会ったワークショップ。アップサイクルをテーマにした「くるり工房」さんによるもので、このワークショップに参加したことがきっかけで、10月にその工房で本づくりのワークショップをやらせてもらうことに。出会いときっかけって、面白いなと。

コロナ禍が明けて、久しぶりに開催されたモチベーションメーカーのキッズ向けワークショップにボランティアスタッフとして参加。街歩きとお絵かき。フロッタージュの写し絵なんかをしつつ、子供たちと一緒にお絵かきを楽しみました。

「屋上区」という、屋上をテーマにした活動をしている皆さんの企画にちょくちょく参加しました。毎月9日20時は、「0920(おくじょう)」ということで屋上で乾杯しましょうというイベント。3,4回くらい参加したと思いますが、そういえば最近開催されてないですね。また再開されたら、参加しようと思います。

その屋上の会で紹介された、御朱印ならぬ「御書印」という本屋巡りのスタンプラリーが楽しそうだったので、とりあえず始めてみました。三省堂書店の仮店舗で、まずは御書印帳をゲットして、一つ目のスタンプを押してもらいました。まだそこから進んでないので、スタンプを集めに本屋巡りをしなければ。

なんとなく気まぐれに、4月に英検準一級を受験してみました。娘が受験していて、面白そうだったので。中学時代に英検五級を受けた以来、なんと36年ぶりの英検受験です。本来は英検準一級は筆記が合格しないと面接試験が受けられないのですが、S-CBT形式のテストは会場にあるパソコンを使って1日で全部受験できるという。これが面白そうだったので、娘に参考書を借りて受験してみたというわけです。模試を何度かうけ、Chat GPTに筆記試験の参考問題をつくってもらったりして勉強しつつ、久しぶりの試験を楽しみました。もちろん合格しましたが、やっぱりこれも英語力だけじゃなくて受験力が必要なテストですね。面白かったです。

3331 Arts Chiyodaが閉館になって、事務所が引っ越すということで、引っ越し先のオフィススペースの施工作業をお手伝い。軽鉄を立てて、壁の基礎をつくります。ここら辺の作業は、東京ビエンナーレの施工ボランティアや、3331でインストーラーさんのお手伝いをしたことで、だいぶスキルが身に付きました。やっぱり、施工は楽しいですね。ずっとやっていたい。

三和土をつくるお手伝い。土壁を崩して藁を取り除き、丁寧にふるいにかけ、石灰とにがりを加え、水を混ぜてこねます。それを土間に敷いて、上から叩いて固めると、三和土が完成。満開の藤の下で、それはそれは素敵な一日でした。

優美堂でお世話になった方が、横須賀の古民家を改修してアートスペースにする作業をしているので、そのお手伝いをしました。木のドアのボルトをキコキコ回しながら外してたら、山のほうからうぐいすがケキョケキョ合わせて鳴くのが楽しかった。野生のコール&レスポンス。

2019年と2022年に、東京エクストリームウォーク100というイベントに参加し、小田原から東京まで100kmを歩きました。2023年は、今年新設された東京エクストリームウォーク50という、都内を50km歩くイベントに出場。このくらいの距離だと、わりと普通にゴールできました。途中かなり土砂降りの雨が降ったりもしましたが「苦しい、ツライ」ということは一切なく、最初から最後までずっと楽しかったです。

50km歩いた翌日に、神田祭で神輿を担ぎました。生まれて初めての神輿渡御。それがなんと、コロナ以前によく見に行っていた神田祭とは。筋肉痛もなんのその、祭りの熱気を直に浴びて、楽しかったです。こういうことがあるから、人生って面白いなと思います。

知り合いの人が参加していて面白そうだったので、私も勝鬨橋の内部見学ツアーに参加しました。時々勝どきマリーナでボートを借りてクルージングをしていたので、この勝鬨橋も何度も通ったことがあります。この橋が、本当にパカッと開いていたというのは、驚きです。片側1,000tの橋を開くために、バランスをとるための1,000tの錘(カウンターウェイト)がついている。橋の部分だけで合計4,000t、全部合わせると8,000t超の巨大建造物。その内部を見られるのは、感動です。

浦島茂世さんと、皆川典久さんが登壇する、「路上観察サミット」というイベントに参加。この後、浦島さんとは日比谷公園パブリックアート散策の企画を主催した際にゲストで来ていただきました。そして、皆川さんとは東京ビエンナーレの天馬船プロジェクトでご一緒します。こんな風に、全然違うイベントで会った人と、その後ご縁があって再開するっていうのはとても嬉しい。なんとなく、自分が飛び込んでいったのが正しい場所だと思えるから。

今年出会った、このスウェーデン発祥のジョギングとゴミ拾いを組み合わせた「プロギング」という活動がすごく気に入って、丸の内で2回と日比谷公園で1回、南千住で1回参加しました。面白いことを考えるよなぁ、と。このプロギング用の袋も購入したので、ワールド・クリーンアップデーにひとりでソロ活のゴミ拾いをしました。ちなみにワールド・クリーンアップデーの方はエストニアで設立されたもので、知り合いの人が関わっているご縁で、くるり工房の方をおつなぎして、当日の会場でワークショップを開催していたので見に行ったり。そんな感じで、活動がつながっていくのはとても素敵なことです。

英治出版が主催する、「夜な夜な読書タイム」という読書会に今年は何度か参加しました。5回か、6回か。恵比寿の英治出版のイベントスペースに集まって、まずは40分間黙々と本を読む。そして、そのあとでその読書の内容をみんなにシェアして発表するというもの。読了しなくても、途中経過の感想で良いっていうのが参加しやすいです。また来年も参加しよう。

浅草にある、和太鼓の演奏が聴けるレストランイベントの取材に。取材で行ったはずなのに、「和太鼓を叩いてみたい人ー」って聞かれて、つい思わず「はい!」って手を挙げてしまいました。和太鼓、以前から興味があって叩きたいなーと思っていたんですよ。ポンポンドンドコ叩くの、楽しいねー。和太鼓教室とか、ちょっと探してみようかと。

昨年、中銀カプセルタワービルが解体されて、そこから救出された23個のカプセルが保存・再生されていろいろなプロジェクトが生まれているというのはすでに書きました。10月にその再生されたカプセルのうち2つが、銀座に帰ってきました。そのグランドオープニングの日に、待ちきれずに整理券配布の最前列に並んでいた人、僕です。知り合いの人が撮った写真に、しっかり僕が写っていました。列の先頭で、整理券が配られるのを待ってるのが私です。

毎年11月初旬に、新潟の上越市を訪れます。目的は、「越後謙信きき酒マラソン」に参加すること。日本一過酷なファンランと呼ばれるこのマラソン大会は、アップダウンが激しい山道や石段などを20km以上走った後、ゴールで日本酒の利き酒が待っているという。とても楽しいイベントです。タイムは計らず順位も決めず、時間制限があるとしたら「ゴールが早すぎたらダメ」というもの。途中のエイドがまたすごくて、今年は蕎麦や肉串、しゃぶしゃぶ、大根の味噌漬け、パン、蒲鉾などなど。ゴールしたらスキー汁やおにぎりも出るという。もちろん、利き酒もしっかり15種類の日本酒があって、試飲したいだけ試飲することができます。2017年に初めて参加して、それがあまりにも楽しかったので、コロナで2年間オンライン開催になった時も含めて、7年連続で参加しています。もちろん、また来年も参加したいと思っています。

利き酒マラソンに参加するために、前乗りして一泊した際、ホテルの近くに弥生時代の遺跡があるということで見学しに行きました。で、そこで勾玉(まがたま)づくりが体験できるという看板を見つけて。そりゃもう、参加しますよ。隣でお子さんたちが参加している中、大人がひとりで本気の勾玉づくりです。石を丁寧に削っていって、磨いてぴっかぴかにするの、気持ちが良い。なにやら、心が清らかになります。

私がGoogleでベンダー社員として仕事をしていた時に、東北復興支援のサービスにちょっとだけ関わっていたことがあります。その時に出会ったのが、西会津の人々。除雪をエクササイズとみなして「ジョセササイズ」として、その講習と認定試験が受けられるプログラムがあるっていうので、東京から西会津へはるばる訪れました。このジョセササイズのなにがすごいかって、除雪のやり方自体は普通の除雪。ただ、「めんどくさいしいやだなー」と思わずに「これはエクササイズなんだ」と信じ込むと、苦手なことも楽しみながらできるぞ、と。このマインドが大事。本当、こういう面白いことを考える人たちは、すごいなと思います。実際に、このジョセササイズがきっかけで、なんと西会津まで行っちゃう人が出てくるわけなのだから。僕みたいに。そして、ジョセササイズB級インストラクターの資格をゲットしました。

すり鉢学会の支部による、城南五山巡りの街歩きに参加。個人では城南五山を巡ったことはあるのですが、やっぱりこういう風に詳しい方と一緒に歩くのは良いですね。知らなかったことをたくさん学ぶことができる。

美術館や博物館巡りが好きなので、今年もあちこち訪れましたが、中でもこの『ジョセフ・アルバースの授業』という展覧会はめちゃめちゃ面白かった。色覚を本当に極めた人なんだなぁ、と。隣同士に並んでいる色同士が、じっと見つめていると残像で混ざり合うという現象があります。錯視みたいなものですが。その現象を計算に入れて、この人はたくさんの作品を制作している。実際にその作品のいくつかを目の前で見て、本当にびっくりしました。最初、見方がわからなくて、ただなんとなく「幾何学的な抽象画だ」と思ってみていたものが、正しい見方を知ってからはまるで違って見える。単色のはずがグラデーションが現れ、離れている色と色とがつながって見える。全然違う色と色の間に、同じ色が突然現れるわけですよ。「目を開くこと」っていうのは、このことかと。同じものと見ているのに、見方によって全然違う風に見える。現実の世界も一緒。正しく理解すると、世の中が全く違って見えてくる。学ぶって、面白いなと。

そんなわけで、今年もいろんなところに飛び込んできました。もちろん、全部が全部うまくいったわけではないけど。なんか場違いなところに紛れ込んで肩身の狭い思いをしたりとか、思ってたのと違うなんてこともあったりもしますが。そんなのも含めて、楽しんでいます。常に自分の「好き」を明確にしておいて、その好きがつながりそうなところに参加すると、素敵な出会いやきっかけに巡り会えたりします。アートとか、本とか、中銀カプセルタワーとか。気になるキーワードを追いかけて、アンテナを広げていると、面白いところに行きついたり。あるいは、知人が「こういうの好きでしょ?」って声をかけてくれたりも。なので、好きなことを「好き」って普段から発信しておくのは良いことだと思います。

というわけで、次は「アンバサダー」について書きますかね。

今、12月29日から日付が変わって30日になったところ。昨日は大崎のブックカフェで、今日は南千住のホテルのラウンジで日中はコツコツ書いていました。そして、夜になると自宅の書斎でパソコンに向かう、と。2023年の振り返りをnoteにまとめて、それを最終的に電子書籍にしようと思って。分量的にはたぶん6万字くらいはいってるはずなのでそろそろ良いのだけど、まだもうちょっと書きたいことがあるので少し続けます。

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