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nl/minatoとオバケ東京

先ほど、生物多様性に関する市民リサーチプロジェクト「nl/minato」に参加したレポートを提出した。その内容について、もう少し深堀りする。

nl/minatoというプロジェクト名は、オランダ(nl)と港区(minato)が組み合わさっている。最初に私がこのプロジェクトに参加したのは、2020年。「オルタナティブな未来」をテーマに、未来について聞いたインタビュー取材とその内容を分析することで、もうひとつの未来の可能性を探るというもの。実際にいろいろな人へインタビューを行い、その内容を言葉に分解していって分析する方法が面白かった。最終的にその活動は、レポートという形で冊子にして完了した。

そして2023年の今年、再びnl/minatoの市民参加型リサーチプロジェクトが参加者募集をしていたので、飛び込んでみた。今回のテーマは、「生物多様性(Bio Diversity)」。かなり広くて抽象的なテーマなので少し迷ったが、半年以上かけてみんなで学び、体験し、意見交換などができてすごく面白かった。最終的に、生物多様性をテーマにしたデックカード型のアイデアキットのプロトタイプをつくることで、このプロジェクトは完了する。年明けに、お披露目をする予定だ。

生物多様性については、それぞれが身の回りの自然を感じながら学びつつ、グループでフィールドワークを行ったのも楽しかった。芝浦三丁目付近を散策しながら、それぞれが自分のテーマで街を体験し、発表した。

基本的に、外に出て、実際に触れながら学ぶのが私は好きだ。そういった意味で、このnl/minatoのプロジェクトのひとつでもあるオバケ研究会の方にも参加できて面白かった。岡本太郎が提唱したという、東京の「オバケ」という位置づけの人工島をつくるという計画。それをベースにして、佐藤智子さんが行ったリサーチとレクチャーパフォーマンスの作品がある。その佐藤さんと、山森裕毅さんをモデレーターにお迎えした哲学対話。さらに、東京の街を知るための街歩きも。

三田のガウディとも称される、岡啓輔さんがコツコツ作り続けているコンクリート建築「蟻鱒鳶ル」を見学できたのも嬉しかった。しかも、岡さんのガイド付きで。2005年の着工以来、ずっと作り続けて、一時は地域開発のため完成を待たずに取り壊されそうになったが、曳家の要領で移動させるということで延命された。完成にはあと何年かかるのか。不思議で素敵なビルである。

隔週ペースで、生物多様性について学ぶ。理解するにつけ、街を見る目も変わってきた。空地のスペースをどのように活用するかなど、考えるのは楽しい。途中、別件で会場のSHIBAURA HOUSEでマルシェイベントに参加し、その後1週間ほど私の版画作品を展示させてもらった。

哲学対話は、合計4回参加した。まず、佐藤さんの「オバケ東京」に関するレクチャーの後、後半は山森さんによる哲学対話。テーマは、その場で決めていく。いつも、あっという間に時間が過ぎる。

nl/minatoとしてのレクチャーと哲学対話は終了したが、つい先日別のイベントで佐藤さんと山森さんの「哲学カフェ」が行われ、私も参加してきた。こういう風に、ひとつのプロジェクトから次のプロジェクトにつながっていく感覚がとても好きだ。また機会があれば、「オバケ東京」のレクチャーパフォーマンスもライブで聴講したいと思う。

「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。