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10.ペリカン噴水

今回、僕が日比谷公園をパブリックアートをテーマに散策しようと思ったきっかけは、6月に日比谷図書文化館で開催された、浦島茂世さんによる『美術鑑賞への入口講座 vol.3 タダで観られるけど、タダならぬアートの世界 パブリックアートを見て歩こう』というトークイベントがきっかけ。その講演の中で、日比谷公園の第一花壇にある『ペリカン噴水』について興味深いお話を伺った。

このペリカンの彫刻は、1953年(昭和28)年に寄贈されたものとされているのだが、どうも背面には1971と書かれているということ。普通、作品に西暦の年号が書かれていたら、それはすなわちその作品が完成した年だろう。だとすると、このペリカンの噴水は、1971年に完成した作品ということになる。それはおかしい。

ネットを検索すると、古い絵葉書に昭和32年頃のペリカンの彫刻が写っている写真がある。その当時のペリカンが、1971年に作り替えられたということなのだろうか。

そこでふと思い出したことがある。1971年と言えば、日比谷公園にある松本楼がデモ集団によって放火されるという事件があった年だ。その時にこのペリカンも壊されて、作り直したということは考えられないだろうか?いや、放火があったのが1971年(昭和46年)11月19日だから、その後1か月ちょっとで作り直して設置したというのは、ちょっとあまり現実的ではないかな。どうなんだろう?松本楼だけでなく、「首賭けイチョウ」も火炎瓶で黒焦げにされたという話もあるので、被害はあちこちにあったのかもしれない。

というようなことを、パソコンの前でのみ調べながら書く記事を「こたつ記事」というのだが、本当はもっと資料をあたったり、インタビューなどをした方がよいのだけどな。

とりあえず今はこれだけにして、また引き続き調べていこう。

参考資料

都立日比谷公園(Hibiya Park, Tokyo) 園長の採れたて情報
https://twitter.com/ParksHibiya/status/1674266691440881664
日比谷公園(昭和33年)▷松本楼・第一花壇のペリカン噴水
https://jaa2100.org/entry/detail/037200.html
日比谷公園(昭和32年)▷第一花壇で開催の野外美術展
https://jaa2100.org/entry/detail/037154.html
新橋~銀座~日比谷~京橋界隈 古建築めぐりetc – 裏道歩荷
https://oo.geo.jp/2009/02/04/shinbashi-ginza-hibiya/#
佳景探訪 - 日比谷公園 (東京都千代田区)
https://www.natsuzora.com/dew/tokyo-east/hibiyakoen.html
Google Map (2015年4月)
https://goo.gl/maps/E2Px6wrFaS3xRWCh6 (2015年4月:修復前)
https://goo.gl/maps/MUkoyuhzWcLYR1TT6 (2015年4月:修復前) (2019年7月:修復後)
樹木からの謎解き~ペリカンの行方を追え~
https://www.tokyo-park.or.jp/announcement/037/detail/51331.html



「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。