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プレゼント

プレゼント問題

自己紹介のnoteにも書いたが、私には付き合って1年の恋人がいる。

1年を迎えたのは、つい先日のことである。
せっかくの一年記念日、向こうに何かをプレゼントしたい。プレゼント選びは好きな方なので、ウキウキしながら取りかかった。

ところが、だ。

実は来月に彼の誕生日がある。なので誕プレをあげたい。そして更に、彼はもう内定が決まっている。なので内定祝いをあげたい。

つまり私には、「一年記念日」「誕生日」「内定祝い」の3つのイベントのために、プレゼントを3つ用意するというミッションが課されたのだ。

仕方がないことはわかっている。「偶然」一年記念日と彼の誕生日が月違いで、「偶然」彼の内定が今月だっただけのことである。誰も悪くない。偶然が重なっただけである。

いやでも、こんなことある?
まぁ、ね、どういうものをプレゼントしたいかなーっていうのはある。一年記念日のプレゼントには記念日っぽいものをあげたいし、誕生日のプレゼントには実用的だけどわざわざ買わないものをあげたい(これは私のプレゼントを選ぶ上でのポリシー)し、内定祝いには今後働いていく上で使えそうなものをあげたい。

プレゼントをあげるイベントも、恋人ができたからこそ体験できるものだし、贅沢な悩みなことも分かっている。

でもさ、プレゼントを、3つも選ぶの、めちゃくちゃ大変だな!?!!?びっくりだよ私は。

特に困ったのは「一年記念日」プレゼントと「誕生日」プレゼントの差別化である。これ誕生日でよくない?って思えるものではなく、一年記念日だからこそあげられるものを選びたかった。

というわけで、私は大学入学からの友人に相談した。その結果、

①「一年記念日」には、普段行かないところでかつ日帰りで行けるところへ小旅行してみる。相手が私へのプレゼント(物)を考えているなら、私がデートプランを考えるのもアリ。
⇒「物」ではなく「思い出」をプレゼントする
(粋なこと言うなぁと思った)
②「誕生日」には、一年経ったからこそ相手に合いそうなもの、欲しそうなものをあげてみる。
③「内定祝い」は、私が決まってから旅行をする予定(恋人とそういう話をしていた)があるなら、そのときでいいのでは?(私はまだ決まっていない)

という回答を得た。頼りになる友人だ。

いろいろ考えた結果、
「一年記念日」…友人の通り小旅行(つまり思い出のプレゼント)
「誕生日」…サコッシュのような、最低限のものが入るバッグ
「内定祝い」…私が決まってから
にしようと決めた。

そして、待ちに待った一年記念日。 
彼からは、私がずっと欲しいと言っていたエプロンをもらった。とても嬉しい。それを着て料理をした。(この時に作ったのがトマト煮である。)
私は、どこに行くかを相談して決めたかったので、チケットなどの物のプレゼントを渡せないため、感謝の気持ちをしたためた手紙を渡した。
(ちなみに、手紙はイベントがある度に渡している。私は書くのが好きなのだ。)

夕食を食べた後、私は彼に小旅行の提案をした。どこ行きたい?などと聞いた気がする。すると、彼は苦い顔をする。どうしたの?と聞くと、言いにくそうに答えた。

「俺、今月,来月とまじでお金ないから、どっか行くのきついかもしれん…」

そうなのである。彼は就活のためにバイトを週一に減らしていたため、収入が少なくなっていた。そして、私とご飯に行く時は毎回と言っていいほど奢ってくれる。そのため、支出は増えるのに収入が減るため、必然的にお金が減っているのだ。

彼のお金が減っていることは知っていた。だからご飯代は自分で出すからいいと言っていた(付き合った当初からだが)が、彼の口車に乗せられ(言い訳だが…)、ほぼ毎回払ってもらっていた。今度からは強めに断ろうと決めた。今。
お金欲しい〜と日常的に言っていたが、その後にきまって「働かずにお金が欲しい」と言っていたので、冗談半分で言ってるんだろうな〜と思っていた。

しかし、今月,来月ばかりはマジでお金がない。らしい。
彼曰く、「中学生並みの所持金しかない」とのこと。具体的な金額は分からないが、相当やばいらしい。

ともかく、彼がお金がないというならば、小旅行は断念せざるを得ない。彼の生活を追い詰める訳にはいかない。

更に悲劇は続く。
誕生日プレゼントのために、私は自分の持っていたサコッシュを身につけ、これ便利なの!そういえば、彼くんは小さめのカバンって持ってるの?と、それとなく聞いた。うん、違和感はない。すると、

「持ってるよ」

まじか…と言いそうになった。
実家暮らしの彼は、私の家に泊まりにくる時はだいたい大きなリュックだ。学校で会う時もトートバッグだったから、それを持っているところを見たことがなかった。いけると思ったのに…と私は頭を抱えた。

それ以降は普段通りの会話をし、彼が私の家に泊まり、朝一緒に学校へ行くという、なんともカップルっぽいことをしてそれぞれ授業へ向かった。

どうするプレゼント

誕生日はまだ先だ。まだ悩む余地はある。今どうにかすべきは一年記念日だ。彼へのプレゼントは今のところ手紙のみである。彼からはプレゼントを貰ったのに、私は手紙しか渡してない。とてもまずい。焦る。え、一年記念日なのに手紙しかないの?なんて思われてたらどうしよう。

嫌われたらどうしよう。

一年記念日のプレゼント問題でここまで自分が拗れるとは思いもしなかったが、もともとネガティブ思考になりやすいため、通常運転だった。困ったもんだ。

しかしこんなところでウジウジしている場合ではない。会う日は近づいている。そして何より、相手に喜んでもらいたい。

そこで思いついた。

1年記念日に、私は欲しかったエプロンをもらったのだから、向こうが欲しいものをプレゼントするのはどうか。

我ながら、ナイスアイデア。逃げとも言うが、筋は通っている。早速欲しいものを聞いてみると、ネクタイという回答を得た。

そこからの私の浮き足立ち具合はすごかった。
ネクタイのプレゼントは、「あなたに首ったけ」「私だけのもの」の意味もあるのよ、ふふん!などと妄想を膨らませながら、「高すぎないがスーツ量販店にはないデザインのネクタイ」を目標に、めちゃくちゃ探した。もう、ウキウキである。さっきのネガティブどこいった。

なんだかんだ言っても

結局、1年記念日にはネクタイを、誕生日にはサコッシュをあげた。いつか私があげたネクタイを付けて会社に行って欲しいし、私があげたサコッシュを身につけて一緒に遊びたい。

内定祝いは、私の就職先が決まったら旅行に行こう、となった。早く決めて、早く旅行資金のためのバイトして、早く旅行に行きたい。待ってて。

そして、また来年も、プレゼントで悩みたいと思う。




…結局のろけやないかーい!




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