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230827 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性

東京ステーションギャラリーでやっていた『甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性』という展示を見に行った。

発端

理由は、5月ごろにツイッターでファッションプレスをぼーっと見ていたら、この記事が目に入ったからである。

この、こわいような愉快なような迫力ある赤い女の子が気になって、なんかどうしても見たいなと思って、Notionに保存していた。

で、展覧会が始まった7月にはぜんぜん忘れていた。

だけど、またツイッターで、今度はNHKの美術番組でこの人の特集をやるというツイートを見た。

自ら歌舞伎の女形をやったりして、ジェンダーも越境していたみたいな内容らしかった。

(うちにはテレビがないから、実際の番組は見ていない。)



私が、絵を見ただけですごい大好きになってしまった画家がもう一人いて、それが高畠華宵である。

この人も大正時代の画家で、私はこの人の描く女の人が大好きで、弥生美術館へ観に行って本も買ったら、明らかに男の子がお好きらしかった。

華宵も、めっちゃ楽しそうに女装している写真が残っている。

好きかも…!と思った作家の情報に、すでに好きな作家の情報を重ねて思い出したので、最終日にはなってしまったが見に行った。



感想

日記に書いているけど、私は休日まじで部屋で水平になって過ごしているので、展覧会へ出かけるのはハードルが高かった。

でも、行ったら「行って良かった!」とめちゃくちゃ思った。

まず、ファッションプレスの画像で見て「!!!」となって、展覧会へ行こう!と思うくらいに好きなあの赤い女の子の絵は、実際に見てもめっっっっちゃくちゃよかった。

タイトルを『踊る女』

笑顔も着物も足も手も、その指先の影も、背景の色も帯締めに裾をとめているのも、踊る足もあいた口も、何もかもが良かった。

端的に言えばあの子に惚れてしまった。

他の絵もほんとうにかわいい。

人生の後半には瓜実顔の女の子を描くようになったようだけど、初期の頃の絵の女の子の顔が本当にかわいい。

「かわいい~!」だけ思いながら見られた。

私は勝手に華宵を重ねていたので、男の子の絵と女の子の絵が半々なのかなぁと思っていたら、絵はだいたい全て女の子だった。

女の子が好きなんだなぁと思った。

裸婦像も多い。たぶんおっぱいが好きなんだと思う。

モデルの写真と見比べたりもできるんだけど、モデルの顔とはあきらかに違っていたりして、でも他の絵と似た顔でもあって、お母さんか誰かがこういう顔なんか…?と思った。

女の人がいっぱい書いてある、未完成で微妙にこわいタイトルの屏風絵みたいなやつ、よかったな。

完成してたら、さぞ人に衝撃を与える絵だったことだろう。

スクラップブックも見られた。

これもなんか水着の女の人の写真とか多くて、女の人が好きなんだなぁと思った。

私のTumblrが晒されているようなものなんじゃないか、とも思った。

私は大学時代、マジで一生無限にTumblrをやっており、アール・デコ様式で作られたもの(建築やら家具やらお洋服やら)、1930年代の映画俳優などなどの写真をリブログしまくっていた。

そのせいか、私のaestheticは1920年代~40年代くらいまでのものなのである。

絵を見て好きになった甲斐荘楠音も高畠華宵も、日本の大正時代の画家だしな。

なんか、絵を見てどんよりしたり、なんか心にフィットしない(違和感)がある事ってよくあると思うけど、甲斐荘楠音の絵はそれがなかった。

この人根明なのかな、と思った。

ただただ「かわいい~!」と思いながら見られた。

鉛筆のスケッチ、好きだった。

いいな!と思える絵だった。

ディズニーのアニメーターのドローイングと似ていた。

手とかの表現もちょっとアニメっぽさを感じて、我々の時代と近いなぁ、近代なんだなぁという感じ。

よくよく考えたら、私は1930年代のディズニーのアニメーションが好きだったりするから、時代も一緒かもね。

めっちゃ良かった。

私の一番好きな「踊る女」のポストカードが無かったのだけが残念。

手元に居て欲しい、あの子。

ずっと見ていたい、あの子。

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