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目立たない女

背も高いし、多くの人の前で話すし、オレンジ色の服を着るし、50歳で出産するし、目立つべき職業に就いているのにあんまり目立たない女。

もしかしたら、政治家というのは、どれだけ仕事をしたのか、ではなくて、どれだけ仕事をしたっぽくアピール出来たか、とか、人事権を持つ偉そうな人に気に入られる言動をしたか、とか、そういう才能が求められている職業なのかもしれなくて、もしそうなら、向いてない、という事になるのかもしれない。

はじめの頃から智奈美を支えていた労働組合(今や正社員だけの既得権益主張団体!)や、その他たくさんの『数』としての応援団の事をとても大切に思っている様子は、例えば、想像ですが、ジャニーズのアイドルがファンを大切に思っているのと似ている気がする。あの人たちあってこその今、っていうのは完全に事実だと思うので。

でも、智奈美が一番心を寄せているのは、理不尽なほどの搾取によって頑張っても報われない、特に若い女性などの社会的弱者に対して。

格差は無くすことは多分出来ないと思うし、切り取り方というか、ベクトルの方向によって無数の格差を作る事が出来るわけで。性別、年齢、能力、美醜、テーマは無数にある。

たまたま運良く、時代のお陰で、若い頃に苦労をしなかった私は、たまたま運悪く苦労している人たちの事を意識もしなかったし、意識しないということは存在しないことにしている、見えていないということで、これは誰かを差別するより罪深い事だったと、今ならばわかる。

なので、そんな時代に同じように生きている智奈美が、人前で恥ずかしい演説(人前で演説するの恥ずかしい事だと私は今も少し思っている)をして、知らない人と握手しまくる職業に就く事について、『よりにもよって物好きな』と思っていた。

この20年以上、智奈美がコツコツ幅広く、地味に勉強してるんだなぁということは、多分話したことがある人ならみんなわかると思う。

私も周りの人から、西村さんは目立たないから何をやっているのかわからないとか言われる事も多くて、応援している側からすれば『もう少し目立つ事をしてほしい』と思う時期もあった。

自分がコツコツ長い時間をかけて準備した仕事を他の人の成果にされたりしても、ムカつく!ではなく、やれやれ、でも前進はしたよね、って思えるメンタルは見習いたくても難しい。ボクがやった、ボクが作った、ボクがボクがの政治の世界で、こんなに地味で居続けるというのは、ある意味、めちゃめちゃ頑固者なのだろう。

私は実は別に政権交代なんかしなくてもいいと思っているけど、だからと言って想像力の不足したおじいさん達が好き勝手にしてもいいとは思わない。これからもずっとあの場所できれいごとを言い続けてほしい。

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