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勢いで登録したnoteに何を書こうか考えた結果

大学時代に学生新聞の制作に携わり、さまざまな方々に支えられて部長という責任ある役職を務めた、という経験を今後のサラリーマン人生になんとか役立てようと思うのです。

そのための「備忘録」というわけではないけれども、自分が現役時代に書いた記事を改めて読み返せるようにすることで、当時の記憶をささっと思い起こすことができるかもしれない。

ただ、これといって大っぴらに公開するほどの文章力でもなければ、読んだからといって特段何かを得られる訳でもない。すなわち、単なる自己満足の域を出ない内容だと思います。

その一方で、一人でも興味を持って読んでくれる人がいるとするならばこれ以上嬉しい話はないので、初投稿の記事とします。

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 春休みを利用して旧友と関西旅行に来たものの、優柔不断な性格が災いしなかなか行き先が決まらない。無計画に定番スポットを巡ろうとしたのは失敗だったか。そう思いながら歩いていると、あるポスターが私たちの目に留まった▼ポスターには「世界文化遺産を大阪に 百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」と書いてある。この古墳群には、エジプト・クフ王のピラミッドや中国・始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓の一つ、仁徳天皇陵古墳(大仙古墳)が含まれる。かぎ型をした前方後円墳と呼ばれる日本最大の墳丘で知られる。実際に訪れると、濠の長さからだけでもその大きさに圧倒される▼JR新大阪駅から約1時間。最寄りのJR百舌鳥駅は小さな駅で、観光客らしき人もまばらだ。古墳に隣接する堺市博物館には、古墳時代の貴重な史料が展示されているが、ここも観光地として混雑する様子は見られない▼それでも、私たちを案内してくれたボランティアガイドの表情は、むしろ明るかった。「7月に世界遺産委員会が開かれて、それからはきっとごった返すほどの人がやって来るんだよ」とガイドはうれしそうに話す。ユネスコ世界文化遺産に登録されれば、大阪府で初となる。どうやら私たちはまだ混雑のない時期に訪れることができたようだ▼ガイドブックに掲載されるような定番スポットは、その魅力を多くの人に伝え続けている。しかしこれは、その他の場所が魅力に欠けるということでは決してない。「定番」からは知り得ることのない新たな発見や出会いは、また別格のものとして旅の印象に残るだろう。
(『並木道』成蹊大学新聞 2019年4月号より)

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