ミュージカルのオーディションがあります。

私が所属している音楽座ミュージカルのオーディションが10月6日にあります。進路の決まっていなかった私が受けたあのオーディションです。

大学4年生の私は漠然と「プロのミュージカル俳優になりたい」とだけ思っていて、通っていたスクールの掲示板にあった音楽座ミュージカルのオーディション告知を見つけて応募しました。

無事書類審査を通過し、同じスクールに通っていた友達と二人で町田の芹ヶ谷スタジオへ向かった道のりを覚えています。

オーディションの前日にダンスの先生から「明日は人を羨まない、妬まない、すべてのことに感謝して一日過ごしなさい」とメールが来ました。根拠のない自信で満ちていた当時の私はこのメールを深く考えずに読み過ごし、額面通り受け取りました。

オーディション会場に着くと、劇団員の人たちが迎え入れてくれました。こういうのは事務の人がやると思っていた(いろいろ失礼)ので入り口でびっくり&感動した純情な私。2階の部屋で稽古着に着替えて(当時いけてるとおもっていたユニクロのポロシャツ。あえてTシャツじゃなくてポロシャツを着るのがかっこいいと思っていた。)、まずはダンスの振付へ。

振付の会場に入って二度目のびっくり。みんなうまい。正確に言うと、うまい人が目立っていて気圧された純情な私。

しかしここで奇跡的なことが起きます。そう、前日に送られてきたダンスの先生からのメールを思い出した。

「人を羨まない、妬まない、すべてのことに感謝して一日過ごすんだったな」。

とりあえず一生懸命やろうと気持ちを切り替えた途端に横で踊っていたすっごいうまい人が話しかけてきました。

「ここの後の振りなんだったっけ?」

え、私に聞く?って思ったけどそこから会話が始まって、すっごいうまい人はすっごいいい人だということが判明。すっごいうまい人って謙虚なんだっていうことも分かって、気が楽になりました。私はあまりオーディションを受けたことがなかったので分からなかったのですが、その時の振付の先生があきれながら「なんだか今日はオーディションじゃないみたいだね」とおっしゃっていたので、相当和んだ空気だったんだと思います。

振付が終わると審査タイムです。2人ずつ呼ばれてみんなの前で2回踊ります。その時の記憶はないけれど、とにかく自分を見てほしいという気持ちで踊ったと思う。そしてよく分からないけれどとりあえず「感謝の気持ち」。

ドキドキ&汗だくのダンス審査が終わったらさっき着替えた部屋に戻って歌唱審査まで待機です。

思ったより長くなったので続く。

22歳の私。顔がパンパン。