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#NoMaps2023 にて道北の情報技術教育について語る会をやります(9/16-9/17) #ITエンジニアの自由と繋がりの力 #CybozuTech

サイボウズ株式会社 開発本部 PeopleExperience チームの西原 ( @tomio2480 ) です.今年も NoMaps カンファレンスの時期がやってきました.サイボウズは NoMaps2021NoMaps2022 と続いて NoMaps2023 にも協賛し,一枠のセッションを担当いたします.

今年はゲストスピーカーとして,名寄高校情報技術科の藤村先生,旭川工業高校情報技術科の小檜山先生にお越しいただきます.日時は 9/16(土) 17:00 開始,場所は D-LIFEPARK(D-LIFEPLACE B1F) です.また,セッションで登壇される先生方と一緒に 9/17(日) BYYARD にて開催のエンジニアイベントにも参加して,セッションを踏まえた座談会を行う予定です.

この記事では今年担当するセッションについて,少し詳しくコンセプトをお話しいたします.タイトルは「Q&Aセッション:ITエンジニアの自由と繋がりの力──ITエンジニアを増やすべく工業高校と何をする?」です.概要文は次のとおりです.

2023年現在、北海道の情報技術系学科情報技術科を設置している高校は4校。近年目覚ましい情報産業の成長がありながら、2000年初頭に設置されていた8校から半数まで減少しました。その一方、2023年4月には北海道名寄高等学校が新しく情報技術科を設置し、1期生が入学。道北地域には北海道旭川工業高等学校と先に挙げた名寄高校の2校、情報技術系の学科のある高校が存在しています。
 
依然として企業は大都市に拠点を置き、情報量が多いのも、現場の新鮮な空気に触れられるのも都会のままです。地理的にも不利な中、我々の後進を育てる現場の実情はどのようになっているのでしょうか。

NoMaps2023 サイボウズ株式会社 スポンサーセッション 提出概要文より一部抜粋

※ 9/4 「情報技術系学科」を「情報技術科」に修正

情報技術科は,旭川工業,琴似工業,苫小牧工業,名寄の 4 校
情報技術系学科だと函館工業の電気情報工学科も含むため文言修正

どうしてこのテーマなのか

サイボウズのセッションでは,かねてより「ITエンジニアの自由と繋がりの力」を大テーマに掲げています.IT エンジニアがより自由に活動でき,IT エンジニア同士がより強く繋がれる環境こそ,今後の世界をよりよくするために必要だという主張です.

我々のセッションは,これらを実現するために何ができるか全員で考える時間と位置付けています.より正確に現実を捉えて考えるために,多くの方にアンケートにお答えいただき,話題を調整しています.明日変えられることから一つずつ,着実にやれるような実りある時間にするための準備です.

今回のアンケートはこちらです.ぜひご協力ください.

今回は「道北の情報技術教育」がテーマです.きっかけは名寄高校の情報技術科スタートでした.動画では教育活動の計画について触れられています.ニュース記事では一期生の人数について触れられています.

また,道北ではもう一つ,旭川にも情報技術科を持つ高校があります.この旭川工業高校の情報技術科は,今年スタートの名寄高校とは対極的に 20 年以上,情報技術科として教育の歴史があります.

興味のきっかけとしてはこれで十分なんですが,もう少し深掘りして紹介します.「道北」という部分と,「情報技術教育」という部分の 2 点に分けてお話しします.

道北に着目するおもしろさ

みなさんよくご存知のとおり北海道は,北海道 ≒ 札幌と思っている人がいるくらい,札幌が支配的な影響力を持つ自治体です.しかし実は,北海道全体の人口およそ 580 万人に対して,札幌の人口はおよそ 200 万人です.つまり半分以上の道民が札幌市民ではありません.周辺自治体を甘めに加味しても半分がいいところです.言うまでもありませんが,面積で考えれば札幌なんていうのは,北海道の一部,微々たるものです.札幌の状況 = 北海道各地の状況ではないのです.

旭川空港入り口に旭川のゆるキャラ「あさっぴー」がラーメンをもっている温度計付きの像が置かれている
道内便は飛んでいないが旭川にも空港はある

さて,工業高校は職業科を持つため,生徒卒業後の就職も重要な要素です.工業高校の趨勢は経済と共にあると言っても過言ではありません.大学進学が当たり前になった今,進学にも力を入れていますが,真に誰もが進学できるわけではありません.就職もやはり重要です.特に地元就職については地域の期待も合わさって,要望があがりやすい進路です.

他の産業と違い,インターネットがあればなんとかなってしまう IT ともなると,地元産業だけでなく,札幌や東京も込みで考えなければなりません.なぜなら,各都市に IT の企業が満足になく,地元でなんとかしようにも首が回らないためです.

工業高校は就職が重要な魅力付けであるにも関わらず,道北に拠点があるが故に IT 系の企業が地元に少なく,IT 業界と学校との距離が縮まらないというのが現状の課題なのです.道北地方で情報技術教育を行う難しさが伝わりましたでしょうか.

せっかく札幌以外の地区でもこうしたエンジニアの卵を育成する努力がされているにも関わらず,業界はこの頑張りを拾い切れるような取り組みができているだろうか...... そう思って道北に着目したセッションを組みました.

見えにくい情報技術教育の現場

技術を使う人はもちろん,技術で作る人や技術を作る人もそれ以上に大切な存在です.我々サイボウズもたくさんの IT エンジニアをはじめとする開発,運用,研究に関する社員によって作り出した製品を通じ,チームワークあふれる社会の実現を進めています.技術を使う人ではなく,技術で作る人や技術を作る人の存在がなければこのアプローチは選べません.

では,この技術で作る人や技術を作る人はどのようにして生まれ,育成されているのでしょうか.SNS やインターネット検索があるじゃないか,と思われるかもしれませんが,そこにはどう到達するのかという疑問が残ります.そのきっかけの獲得の一つとして,我々は学校に目をつけました.

12 セットの机と椅子が並んだ教室を教卓から眺めた景色の写真
自分が過ごした時間以外の学生生活をどこでどう知るのか

高専や専門学校,大学なども同じように,多くのきっかけを与える環境であり,いずれも興味深い環境ではありますが,今回は工業高校を主軸に置きました.これは単純に西原が工業高校での勤務経験があり,最も教育現場のリアルを聞き出すことができそうだったから…… ということもありますが,それだけではありません.

高専や大学,専門学校の学生は就活市場やハッカソン,カンファレンスで姿を目にすることがある一方で,工業高校生を目にする機会は少ないかと思います.しかし,工業高校に加えて専門学校の勤務経験もある西原の目線では,専門学校でやること以上の力がある工業高校生なんてのはいくらでもいると感じています.高卒という理由だけで相手をしないのは大きな機会損失です.企業のみなさんには,ここにも目を向けてほしいという思いで,情報技術教育の現場として工業高校に着目したのでした.

9/16(土),9/17(日) は札幌で工業高校を知ろう

みなさんは工業高校で普段,どんな取り組みがなされているかご存知ですか? 知らないよという方のためにも,本セッションでは普段の活動から丁寧に説明していただき,今の課題に切り込んで行く予定です.ふらっと見に来ても面白い時間にしますので,ぜひいらしてください.我々のセッションに関しては無料可能です.

NoMaps カンファレンス,今年は昨年より 1 ヶ月早まり 9/13(水)-9/17(日) の開催です.この時期ちょうどさっぽろオータムフェストが開かれており,札幌満喫には苦労しませんが,その分混雑が予想されます.気になる方は早めに移動手段や宿をおさえておきましょう.

今年の秋は札幌で工業教育のこれからに思いを馳せましょう.

※ 以下にアンケートへのリンクを再掲します.ぜひご協力ください.

※ NoMaps 2023 は他にもイベント多数です.イベントによってはチケットの購入が必要ですので,これに関しては以下のページをご覧ください.

おまけ

一昨年,昨年のそれぞれのセッションもぜひご覧ください.

【NoMaps Conference 2021】Q&Aセッション:ITエンジニアの自由と繋がりの力─技術で伸びる環境はいかにして作られるか?

【NoMaps Conference 2022】 サイボウズ株式会社 Presents Q&Aセッション:ITエンジニアの自由と繋がりの力~「フク業」は個人の魅力を余すところなく引き出せるのか?


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