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「もしもジャムおじさんが認知症という脳の病気になったら?」

「もしもジャムおじさんが認知症という脳の病気になったら?」

これは【RUN伴ぐんま】で演じた寸劇のタイトルです。
RUN伴ぐんまとは、認知症になっても安心して暮らせる群馬県を目指して、認知症という脳の病気のことを、より多くの人に正しく知ってもらうことを目指しています。
そのために、認知症の当事者さんや、医療・介護業界で働く方、市民みんなでオレンジ色のタスキをつないで走ります。このタスキは、北は北海道から南は沖縄までつながっています。

そんな中で、タスキをつなぐ以外にもできることはあるんじゃないか。
そうして誕生したのが、冒頭で紹介した寸劇です。

認知症になってパンの作り方を忘れてしまったジャムおじさん。
それを知ってか知らずか、「なんでそんなこともできないの?」と厳しく責めてしまうバタ子さん。
そこへ現れたアンパンマンが、脳の病気である認知症のことを教えてくれて、「忘れたくて忘れてしまっているわけではないこと」や、「できることをリスペクトしてあげて、一つ一つ丁寧に教えていけば、認知症になってもパンを作ることができること」を学びます。
大体、そんなストーリー。
僕は認知症のジャムおじさんをコミカルに演じます。

高齢者の4人に1人が認知症になることが予想される未来。長寿高齢化社会の日本において、認知症といかに向き合えているかで、地域の未来が変わってくると考えます。
認知症になっても安心して暮らせる群馬県を目指すことは、他者を尊重することができて、誰もが自分らしくいれる、誰ひとり取り残さない社会の実現につながっていくのではないかと考えます。

その昔、毎週、テレビで大笑いさせてもらっていた「さんまのからくりTV」の中の名物コーナー、ご長寿クイズ。
間抜けたおじいちゃん・おばあちゃんの天然具合が最高だったわけですが。
あれは、(テレビ的なお芝居でなければ、)いま考えると認知症だったんだろうと。
まだ認知症という病気がそこまで認知されていなかったから、ボケを笑えていたわけです。
今はどうでしょう?
人によっては「認知症の高齢者を”わらい者”にして不謹慎だ!」とでもなるでしょうか。

RUN伴ぐんまに関わり、タスキをかけて走ったり、リーフレットを配ったり、マリーゴールドの花を咲かせたり、アンパンマンの寸劇をやったりしてきました。
僕が目指す「誰ひとり取り残さない社会」は、ご長寿クイズで活躍する間抜けたおじいちゃん・おばあちゃんを、認知症を正しく理解して、認知症とわかった上で、お互いに笑い合えるような社会です。

それぞれが、まずは知ることが大切で、そんな時に「お笑い」が果たす役割に期待しています。
年長の次女を園に送りに行くと、前に寸劇を見た児童が「わー、ジャムおじさん!」って、いまだに忘れずに。
認知症の正しい理解と明るい未来がつながっていきますように。

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