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【祝30周年】カービィシリーズの今までの冒険をまとめてみた

みなさん、4月27日ですね。この日が何の日か知っていますか?


世界生命の日? 哲学の日? 狛枝凪斗の誕生日の一日前?


……残念ながら全て違います。

今日は世界生命の日でも哲学の日でもなく……いや、世界生命の日でも哲学の日でもありますけど! そうじゃなくて。

そうじゃなくて、ほら……!!









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星のカービィ30周年でしょうがい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!







というわけで星のカービィの話をしたいだけします。準備はいいか?



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カービィ本人もGOサインを出してくれました!(画像は25周年の時のグッズです)

今回は、今までに発売されたカービィシリーズの「冒険の動機」と「その解決の流れ」についてまとめてみました。まとめてみましたと言うと業者ブログみたいで凄みがありますね。全部趣味でやっているので安心してください。


基本的な記述はカービィwikiのこの項を参考にしつつ、計34作品について紹介しています。発売されたばかりの「ディスカバリー」を外しつつ、海外でのみの発売など特殊なケースを除いたカウンティングです。

「備考」として、3歳くらいから無限にゲームボーイをいじくり倒していたカービィ心酔者である僕のうんちくやオタク語りもセットで書いています(普通に長いので飛ばして読むのが吉です)。

なお、企画の性質上重大なネタバレを含むので、その点はご注意願います。かと言って完全な有識者に向けられる記事でもないので、「昔やったことあるけど、どんなだったか忘れちゃったな」くらいのテンションが一番なのかもしれません。

では、早速振り返っていきましょう!

1992年4月27日……。




【第1作】星のカービィ


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・(動機)旅先のプププランドで、デデデ大王に食べ物が全部盗まれたから。

(解決)デデデ大王を殴り、泣かせる。


〔備考〕記念すべき第1作。1992年4月27日に発売され、この日付は現在「カービィの誕生日」として定着しています。ちなみに、今年は30周年になりますね。

この時はまだコピー能力がなく「すいこみ」と「はきだし」、「ホバリング」(空気を吸ってぷかぷか浮かぶやつ)しかありません。初心者にも取っつきやすいポップさで大人気になりましたが、本編クリア後の「エキストラモード」は相当な高難易度に。一筋縄ではいかないゲーム性は、この時から既に健在でした。

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【第2作】星のカービィ夢の泉の物語


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・夢を見るために必要な宝「スターロッド」を、デデデ大王が分解して隠してしまったから。

(解決)デデデ大王を殴る。が、実はデデデ大王の行動は、恐ろしい魔物「ナイトメア」がスターロッドに取り憑くのを防ごうとしていたものだった。スターロッドを使って、真の元凶であるナイトメアを倒す。


〔備考〕シリーズ2作目。ここで初めてコピー能力がつき、ついでにスライディングもできるようになりました。

開発元であるHAL研究所の社運をかけた作品でしたが、結果は大成功。ファミコン末期に異例の大ヒットを記録し、その内容もはっきり圧巻の一言です。コピー能力は、カービィの生みの親である桜井政博氏がロックマンの「ゲットアビリティプログラム」という、倒したボスの能力を使う設定から着想したそう。言われてみれば確かに、という感じ。

デデデ大王がいいやつとして活躍したり、素顔のかわいい謎の仮面の騎士・メタナイトが初登場したり、シリーズの方向性を強く決定づけた作品です。ちなみに、今作ではデデデ大王がホバリングを使いますが、「カービィに負けて悔しかったから頑張って習得した」らしい。セル編の初めで超サイヤ人になろうとしていたベジータみたいで燃えますね。

ちなみに、本作のBGMを用いた公式のボーカルアレンジCDはプレミア化しており、相当に入手が難しい一品。カービィのゲームBGMに公式でボーカルがついたのは、25周年のときの「カービィ!メモリアルアレンジ」と並んでこの2つのみです。

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【第3作】カービィのピンボール


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・ストーリーは特になし。


〔備考〕第3作目にしてなぜかピンボール。さすがに球体系主人公はやることが違うぜ。

が、その中身はちゃんとゲームとして完成されており、「ピンボールならWindowsに入ってたアレは無料で出来るのに」とも侮れない一作です。いや、Windowsに入ってたアレも普通に面白かったんですが……。

前身はHAL研究所の『66匹のワニ大行進』であり、ゲーム慣れした人にも新しい遊びを教えてくれるような作品になっています。意外にもかなりアニメーションをするドット絵は可愛らしく、ゲームボーイにして高い完成度を誇る。ちなみに、やたら難しい。

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【第4作】カービィボウル


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・デデデ大王に盗まれた夜空の星を取り返す。

(解決)デデデ大王を殴る。


〔備考〕スーパーファミコンで発売されたシリーズ四作目にして、番外作品の二作目。今作のラスボスは「メカデデデ」という巨大ロボです。デデデ大王は意外にも機械に強いようで、後のシリーズでも「デデデロボ」などの新兵器が続々登場。イメージとしてはアニメのロケット団や、ヤッターマンのドロンボー一味に近いですね。

可愛いモチーフながら四作目で「ゴルフ」を題材とするロックっぷり。自由だ。本作はRTAやTAS文化も盛んであり、その筋の人なら一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。Nintendo Switch Onlineに加入していると無料で遊ぶことができ、オススメです。


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【第5作】星のカービィ2


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・虹の島々の宝物「虹のしずく」を隠して、闇の世界に変えようとする「ダークマター」を止める。

(解決)ダークマターに乗っ取られていたデデデ大王を殴ることで本体を叩き出し虹のしずくが集まって生まれた「虹の剣」を携えて決戦へ。


〔備考〕第五作目にして「2」という超強気のナンバリング。今作では「リック」「カイン」「クー」という三匹の仲間がいて、それぞれ違った能力で冒険のおともになってくれます。コロコロコミックで連載されていた『星のカービィデデデでプププなものがたり』ではメインキャラだったので、なじみ深い方もいるかもしれません。

今回のラスボスである「ダークマター」はのちの作品にも影響を与えたカリスマ的ボス。「2」自体の難易度がかなり凶悪なものであり、しかも収集アイテムをすべて集めないと戦えないことから、ファンの中では特に印象強い悪役です。

シリーズ初のバッドエンディングがあったりと、ブラックな部分も目立つ作品。ラストのステージ群では、カービィの手の届かないところで棘に刺されて死ぬだけの謎ザコキャラも出てきました。現在のカービィのポップでダークな側面は、ここから受け継がれたものと言っても過言ではありません。


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【第6作】カービィのブロックボール


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・ストーリーは特になし。


〔備考〕筆者は3DSのバーチャルコンソールでプレイしました。基本は普通のブロック崩しですが、そこにコピー能力などの要素が加わることで新しい遊びに。ボス戦も巧みに実装されています。しっかり面白い。

ちなみにBGMがかなり良く、コアなファンの間で人気を誇っています。制作会社がいつもと違うためなのか、なかなかアレンジされないのが惜しいところ。そういったところも含めて、知る人ぞ知る名作といえるでしょう。なお、本作で初めてカービィに関わった任天堂企画開発部の山上仁志氏は、のちに『星のカービィWii』を担当されています。


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【第7作】星のカービィスーパーデラックス


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カービィの最高傑作として名を挙げる人も多いこの作品。「ゴージャスなイメージ」ということで、パッケージは桐箱を意識したものになっています。

『スーパーデラックス』は色んなゲームが収録されたオムニバス形式になっており、冒険の動機もそれぞれのモードで異なります。順番に見ていきましょう。


はるかぜとともに

・デデデ大王がプププランド中の食べ物を盗んだので、取り返す。

(解決法)デデデ大王を殴り、泣かせる。


〔備考〕一番初めに遊べるモード。基本は『初代』を基にしていますが、コピー能力やスライディングの追加など様々な変更点が。BGM「デデデ大王のテーマ」にサビがついたのも今作が初であり、「はるかぜ」というモチーフは以降随所で使われるように。色々なところでのちの展開に影響を与えたモードです。


白き翼ダイナブレイド

・なぜか作物を荒らす巨鳥、ダイナブレイドを止めるため。

(解決法)ダイナブレイドをボコるが、ダイナブレイドは雛鳥にエサをあげるために作物を荒らしていたということが発覚。ウィスピーウッズからなるりんごを分けてあげると、ダイナブレイドは暴れなくなった。


〔備考〕『スーパーマリオブラザーズ3』のような、マップにステージが配置されているシステムを導入したモード。この進行方法は『トリプルデラックス』『スターアライズ』など、最近の作品にも用いられています。

道中には「アイアンマム」という、ダジャレみたいな中ボスも登場。ダイナブレイドは頭部以外に攻撃が一切通らないという、当時のアクションゲームらしいユニークなボスキャラをしています。エンディングのBGM名は「たっしゃでくらせよ」。いぶし銀が光る、カービィらしいモードです。


激突!グルメレース

・デデデ大王が謎の食べ物食べ食べレースをふっかけてきたので、受けて立つ。

(解決法)楽しい。


〔備考〕BGMを使用した音MADがやたら有名なモード。ちなみにステージは三つあり、二つ目の「もろこしホール」は知る人ぞ知る人気曲。

タイムアタックなども盛んに行われる、さっくり楽しめる愉快なミニゲームという位置づけ。『タッチ!カービィ』のサブゲーム「トロッコチェイス」は、ところどころこのグルメレースが元になっています。コース1とコース3で使用されたBGM「激突!グルメレース」は、スマブラで「夢の泉」という神秘的なアレンジ曲になりファンを驚かせました。


洞窟大作戦

・散歩をしていたら謎の洞窟「マジルテ」に落っこちてしまったため、ついでに財宝を集めながら脱出しようとする。

(解決法)マジルテにいた魔人などをついでにボコりつつ、お宝をたくさん集めて外に出る。


〔備考〕4体ものボスがいる豪華なモード。エリアの広さ、やり込み要素の作りこみはすさまじく、『スーパーデラックス』のゲーム進行度が100%にならない原因はだいたいこいつにある。

リメイクの『ウルトラスーパーデラックス』を含め、道中で集められるお宝には任天堂の別ゲーを意識したものも。『任天童子』ぽい。本モードで闘えるボスはどれも個性的であり、中でもラスボスの「魔人ワムバムロック」はなぜかカルト的人気があります。

RPGをモチーフにした「バトルウィンドウズ」戦では、「けいけんちを○○ポイントかくとく!(いみがない)」というユニークな表示も。じゃあ上がるな。


メタナイトの逆襲

・「堕落に満ちたプププランドを変える」と言って、突然戦艦でクーデターを起こしたメタナイトを止める。

(解決法)巨大戦艦を墜落させつつ、メタナイトと決闘する。


〔備考〕「いつになくマジなシナリオ」と説明文に書いてあるゲームモード。タイトルに「逆襲」とありますが、何に対する逆襲なのかもクーデターを起こした理由もわからないので、ただただメタナイトがヤバいやつみたいになっている。実際それはそう。

『白き翼』のダイナブレイドが途中で助けに来てくれたり、戦艦を部位ごとに破壊して進んで行ったりと、シリアスな王道展開が楽しめます。墜落間際の戦艦と運命を共にする部下たちとメタナイトの掛け合いは感動モノ。

本モードのBGMが海外で非公式にアレンジされた「Meta Knight’s Revenge」は、ゲームBGMが原曲ながらにしてグラミー賞を受賞するという快挙を達成。舞台である戦艦ハルバードは、『スマブラX』にて乱闘ステージに採用されるなど、ファン層内外に知名度の高いモードです。


銀河にねがいを

・太陽と月が大喧嘩して、昼夜の時間が狂ってしまう。かれらを仲直りさせるため、道化師のマルクに聞いた「願いを叶えてくれる、銀河の果ての大彗星」を目指す。

(解決法)各地の星々のパワーを解放し、大彗星ギャラクティック・ノヴァを呼び出したカービィ。が、願いを叶えてもらおうとするところで道化師マルクに邪魔をされる。太陽と月を喧嘩させてカービィに冒険の動機を与えたマルクは、初めからノヴァの願いを横取りするのが目的だった。自分たちの星、ポップスターの平和を守るため、迫り来るノヴァをボコり、マルクをボコり、ノヴァにマルクをぶつけて大破させる。活躍が伝わったのか、太陽と月は元のように仲直りした。


〔備考〕終盤の急展開が有名ですが、改めて見てみると相当な無茶をやっている。マルク戦BGM「VS.マルク」はシリーズでも指折りの人気曲であり、名作揃いの『スーパーデラックス』の中でも特に象徴的なモードです。

今回のカービィはなぜか敵キャラを吸い込んでコピー能力を得ることができず、代わりに銀河に散らばる「コピーのもとDX」を入手することで、いつでも欲しいコピーをゲットできるシステムになっています。これなんでだったんだろう。とはいえ、こういう説明のない不思議がカービィの面白さに寄与しているのは間違いのない事実ですね。

ラスボスのマルクは相当な人気キャラであり、初登場から26年が経過するにもかかわらず、幅広い世代から支持を得ています。難易度自体はそう高くなかったものの、ラストでの豹変、カッコいいBGM、「私利私欲で星一個を我がものにする」という大胆さなどから、「ラスボスといえばマルク」という人も少なくありません。

そんなマルクは『スマブラSPECIAL』などにもボスキャラとして出演。「本当はもっと怖くしたかったが当時はCEROの関係でできなかった」という衝撃の裏話とともに、グロくてホラーで強力な技と共にプレイヤーを苦しめます。ちなみに、効果音で笑い声を表現するという、『FF6』のケフカみたいなこともしている。後発の『東方紅魔郷』Exボスのフランドール・スカーレットにビジュアルが似ていることもあり、故意か偶然か何かと最終ボスに縁のあるキャラクターですね。


格闘王への道

・「格闘王」を目指し、今まで戦ってきたボスたちと再戦。

(解決法)ひたすら戦う。


〔備考〕特にストーリーはなく、「格闘王を目指す!!」というモードです。俺より強い奴に会いに行く。

計19体ものボスが総出演し、スーパーデラックスというゲームの規模のでかさがわかります。「ひとはなぜたたかいをやめないのか?」という謎に深い説明文も。カービィが「ピンクの悪魔」と形容されたのはここが初めてです。


【第8作】カービィのきらきらきっず(GB版)


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・特になし。


〔備考〕ゲームボーイで発売されたパズルゲーム。公式サイトのコピーは「あのカービィがパズルゲームになった。」です。直接的で良い。

『2』で登場した三匹のおとも「リック」「カイン」「クー」のブロックのうち、同じ絵柄で挟まれた範囲が消えるという、オセロと落ちものパズルを合体させたようなシステム。シンプルながら奥深く、最高難度はかなりの難しさに。

ちなみに、クリアが厳しくなってくると「手」が出てきます。怒りを訴えるかのようにプルプル震えてきてシュール。消したブロックの数でクリアに近づく、意外に珍しいシステムで得られる爽快感は今作ならではです。


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【第9作】星のカービィ3


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・ポップスターを闇に包み、住民たちを乗っ取ってまたも悪事を働くダークマターを倒す。

(解決法)ポップスターのみんなのお願いを聞いてあげることで姿を現した秘宝「ラブラブステッキ」とともに、ダークマター族の親玉である「ゼロ」を打倒する。


〔備考〕第9作目にして「3」というナンバリング。ふてぶてしいですね。その名の通り『2』の続編的位置づけになっており、『2』のラスボスことダークマターも再登場します。

色鉛筆で描いたような可愛らしいグラフィックはゲーム界全体でもレアな仕上がり。が、敵に乗っ取られたデデデ大王の腹が裂けて襲いかかってきたり、ラスボスの「ゼロ」が最後に血だらけの目玉を飛ばして攻撃してきたり、怖い表現も衝撃的な形になっています。ナンバリング作品はこういうブラックさがすごい。

2P操作キャラとして登場する「グーイ」は、ダークマター族の一員でありながらもカービィたちに味方する謎のキャラクター。基本的にのんきで掴みどころのないいいやつ。おともの数も『2』の3匹から9匹に増えるなど、バラエティ豊かな作品です。


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【第10作】カービィのきらきらきっず(SFC版)


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デデデ大王の好奇心から大砲で撃たれた「星くん」の欠片を代わりに集めてあげる。

(解決法)さすがにデデデ大王を殴り、全ての欠片を取り戻す。


〔備考〕デデデ大王の蛮行が衝撃的。GB版から改まって「おはなし」モードも登場し、対戦要素が取り入れられています。本作のデデデ戦BGMは三拍子アレンジでかなり格好よく、のちの作品でのパワーアップキャラ「マスクドデデデ」専用曲の原型になったりも。

対戦画面では『3』が元のグラフィックを楽しむこともでき、カービィらしいコミカルなテイストでまとめられています。隠しボスの「グリル」は、この一作のみのメイン登場ながらもファンの間で人気の魔法使いキャラ。

メインキャラの雰囲気がいつもと若干違うのもファンの間では語り草になっています(メタナイト「ほしのかけらをおいてけ〜」)。ちなみに海外でのみ発売された、『ぷよぷよ』が元ネタの『Kirby's avalanche』というパズルゲームでは、なぜか異様にシニカルなカービィさんを見ることも可能。色んなカービィがいますね。

Mr.ブライト&Mr.シャイン: We rule both the night and the day!(ボクらは、夜と昼を支配してるのさ!)
Mr.ブライト&Mr.シャイン: This leaves no time for you Kirby! Be gone!!(つまりキミには自由なんてないってことさ、カービィ!うせるんだ!!)
カービィ: I thrive at dusk and at dawn! I'll have you two fighting before the day is done.(ボクは夕暮れと夜明けになると元気になるんだ。日にちが変わる前にキミたちをケンカさせてあげるよ)


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【第11作】星のカービィ64


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・闇に覆われた遠くの星「リップルスター」から、秘宝であるクリスタルを持って逃げてきた妖精・リボン。彼女の故郷を助けるため、追っ手の闇やボスと戦いながら、各地に散らばってしまったクリスタルを集める。

(解決法)色んな星の闇を晴らし、欠片を全て集めて完成したクリスタルとともに、全ての黒幕である「ゼロツー」を倒す。


〔備考〕『2』『3』と来て『64』。「なんでだよ」という感じですが、これはニンテンドウ64で発売された作品であるためですね。本作ではカービィ、ワドルディ、デデデ大王、そして「アドレーヌ」という絵描きの少女とリボンを含めた5人で旅をします。ビジュアルが全く同じの「アド」というキャラが『3』に出ていますが同一人物かは謎。

作中に挟まるムービーによって「旅」感が強調された作品。一般認知度でいえば『スーパーデラックス』にも並ぶ、数字シリーズ最終作にしてカービィシリーズの人気作です。初の半3Dカメラ、コピー能力を混ぜてひとつの新しいコピーにする「ミックスコピー」能力など、語るところを挙げればキリがない。

色々な星々を回り、最後に辿り着くのは妖精リボンの故郷「リップルスター」。ただしクリスタルを全て集めてから行かないと、衝撃的なバッドエンディングが来るので注意です。

闇を晴らし平和を取り戻したリップルスター、感謝する住人たち、カービィたちとリボンの別れ……ハッピーエンドにしか見えないムービーの最後の最後に、「実はリップルスターの女王が黒幕に乗っ取られている」ということが静かに判明して終了。

クリスタルを全て集めてから行くと、クリスタルの力で黒幕の正体が暴かれ、闇が巣食う真の最終ステージ「ファイナルスター」へ。全体的に中二心がくすぐられるテイストで、ラスボスの「ゼロツー」も、『3』のラスボスである「ゼロ」に天使のような輪っかと翼や茨らしき尾が生えたようなカッコよすぎる造形。

BGMの美しさや、リタイア用の「つづける/でなおす」という選択肢が「つづける/がんばる」になる胸熱演出など、最終決戦にふさわしい点がいくつもあります。なお、今作で登場した「ゼロツー」たちは、『2』『3』で登場したダークマター族との関係は不明。


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【第12作】コロコロカービィ


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・デデデ大王に盗まれた夜空の星を取り返す。

(解決法)デデデ大王を殴る。


〔備考〕デデデ大王が『カービィボウル』に続き、またも「夜空の星を全部盗む」という大暴挙に。怪盗グルーみたいでカッコいいですね。なお、動機は「夜空が羨ましくなったから」らしい。意外なロマンチストだ。

ソフト本体に内蔵されたセンサーカートリッジに連動してカービィを操作するシステムになっています。つまり、本体を直接傾けたりしてカービィを転がすということ。こういった仕組みはなんとゲームでは世界初であり、本作を開発した任天堂の技術力がうかがえます。

斬新かつ独特なギミックながら面白さはきちんと保証されており、人気の高い作品です。こうした挑戦が3DSなどのジャイロセンサー機能に繋がっていったのだからすごい。『64』に引き続きキャラボイスもあります。

ちなみに、カービィに声がついたのは厳密には初代『スマブラ』から。声優の大本眞基子さんは、『新・光神話パルテナの鏡』の自然王ナチュレ役や『ダンガンロンパ』の舞園さやか役など様々なところでご活躍されています。実は、『スマブラ』のネスも同じく大本眞基子さん。すごい。


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【第13作】星のカービィ夢の泉デラックス


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・「夢の泉の物語」と同じ。

(解決法)「夢の泉の物語」と同じ。


〔備考〕背景の美麗さや敵キャラのポップさなど、超絶進化を遂げたグラフィックが見どころ。ハードの進化に伴って、何かと神秘的な場所の多い『夢の泉の物語』のリメイクにふさわしいビジュアルへ一新されています。デデデ大王戦のBGMが、『スマブラDX』のアレンジBGM「夢の泉」になるなど意外な変更点も。

アニメカービィが放送を開始してから約1年後に発売されたこともあり、「ナイトメア」がラスボスとなる両作は相互に好影響を及ぼしあっています。メタナイトを操作できる追加モード「メタナイトでゴー!」も登場。「○○でゴー!」系のモードは後発作品でも頻繁に設けられ、リメイクでありながら新たな進歩を得た良作です。


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【第14作】カービィのエアライド


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・特になし。


〔備考〕今なお「2」が望まれている名作レースゲーム。と言っても一番人気なモードはレースではなく、マップを冒険して制限時間内に自分のマシンを強化していく「シティトライアル」です。

BGMがアニメとリンクしていたり、番外編らしいお祭り感もある作品。デデデ大王やメタナイトもプレイアブルキャラとして登場し、隠しマシンをどんどん解放していく気持ちよさは『スマブラ』に近いものがあります。実際、今作の「クリアゲッター」というやり込み要素は『スマブラX』以降全く同じシステムで搭載されている。

プレミア価格がついているため入手の難しい作品です。ちなみにレース中にマシンから降りると、徒歩のカービィを操作することができ、3Dマップである都合上シリーズでは珍しい遊びもできます。のちに同ハードのゲームキューブで3DACTが開発された形跡がありますが、壁にぶつかり頓挫。だんだん蓄積されたノウハウや課題は、最新作『ディスカバリー』に活かされていくことになります。


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【第15作】星のカービィ鏡の大迷宮


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・願いを叶えてくれる宝物のはずが、ある時から悪い願いしか映さなくなってしまった「ディメンションミラー」。異変を止めようとしたメタナイトだったが、心の中の闇であるもう一人の黒いメタナイトが新しく具現化されてしまう。黒いメタナイトになぜか4人に分けられたカービィは、戸惑いながらも彼を追って鏡の国へ向かう。

(解決法)鏡の国にあったディメンションミラーの破片を全て集め「ダークメタナイト」を倒すと、黒幕である「ダークマインド」が登場。本物のメタナイトや、カービィの心の闇でありながら味方してくれるいたずら好きの「シャドーカービィ」の助けを得ながら、鏡の国のマスターソードとともにダークマインドを打倒する。ちなみに、4人に分けられたカービィ達が元に戻った描写は特にない


〔備考〕カービィの産みの親である桜井政博氏が最後に関わった作品。内容的にも、『夢の泉の物語』のナイトメアや『3』のゼロを想起させる風貌の「ダークマインド」がラスボスになるなど、シリーズのひとつの集大成のような出来に(デデデ大王は登場しませんが)。

とにかく広大で巨大なエリアの中を探索していく、今でいう「メトロイドヴァニア(メトロイドっぽい探索型3Dアクションゲーム)」に近いシステム。「HOLLOW KNIGHT」などがこれに該当しますね。

いくつもの扉をくぐってエリアを飛び越えていく、「大迷宮」の名にふさわしい大冒険です。アイテム「携帯電話」を使って他のカービィたちと連絡を取るシステムもユニーク。電池がないと使えないよ。

ダークマインドは合計6連戦という、シリーズ随一のしぶとさを誇るラスボスです。メタナイトが持っていた剣「マスター」を、本来はダークマインド陣営であるはずのシャドーカービィが颯爽と届けてくれるシーンは熱い。スタッフロールをバックにダークマインドにとどめを刺すシーンはなんだか劇的で感動するので、ぜひプレイして体験してほしいですね。


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【第16作】タッチ!カービィ


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・怪しい魔女「ドロシア」が現れ、辺りを絵画の世界に変えてしまう。それに気づいたカービィは魔法をかけられ、自分では移動できないボールの姿に。カービィは魔法の絵筆を操作する「あなた(プレイヤー)」とともに、魔女ドロシアを止める旅に出る。

(解決法)「現実世界に嫉妬した絵画」という自身の正体をあらわにしたドロシアを倒し、元の姿に戻ったカービィ。役目を果たしたのか消えてしまう魔法の絵筆が、残してくれた扉をくぐり、虹のかかった元の世界へと帰る。


〔備考〕DS初期の作品にして番外アクションゲーム。「絵画」がモチーフで、どことなく不気味な余韻を残す美麗なグラフィックやサイケで中毒性のあるBGMなど、他シリーズとは一線を画す独特な持ち味があります。

ラスボスのドロシアは「魔女」という以外に珍しいキャラクター(性別が指定されていることがそもそも少なく、かつ魔法使いキャラは少年っぽいのが多い)。スタン状態の時は涙目で震えるなど可愛い面もありますが、第二形態「ドロシアソウル」は一変、絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたようなグロテスクな風貌へと変化します。

BGMもかなり怖くスピード感のある曲。「現実世界に嫉妬した」という動機は攻略本の補完記述で、「生き別れた姉妹(という設定で描かれた絵画)」らしきボスが後発作品に登場するなど謎の多いキャラです。

ラスボス周りは当時デザイナーだった熊崎信也氏が深く関わっており、熊崎氏は『ウルトラスーパーデラックス』からディレクターを担当されています(現︰シリーズゼネラルディレクター)。スタッフのこだわりもあってか、全体的な難易度は割と高め。筆者のお気に入り作品です。


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【第17作】星のカービィ参上!ドロッチェ団


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・カービィの楽しみにしていたケーキが盗まれる。多分デデデ大王が犯人だろうと思ったので、とりあえずデデデ大王を殴りに行く。

(解決法)デデデ大王を殴ったあと、犯人はデデデ大王ではなかったことが判明。デデデ城に現れた怪しい盗賊「ドロッチェ団」を追う中で、なんやかんや大いなる力を持つ闇の秘宝「ダークゼロ」を打倒する。ちなみに、結局ケーキを盗んだのが誰だったかは未だに謎


〔備考〕根拠のない早とちりでデデデ大王がボコボコにされる珍しい作品。全体的に難易度が低めでライト層向けですが、「カービィのお腹の中」にコピー能力をストックできたり、そのコピー能力を混ぜて新しいコピー能力を作れたりと、愉快な遊びが際立ちます。

本作で新登場するコピー能力は、重い鋼鉄になったまま移動できる「メタル」や敵をシャボン玉の中に閉じ込めてしまえる「バブル」など、どれも個性的。他にも「マジック」「ゴースト」などがあり、以降の作品に登場しないことが非常に惜しい。

最新作『ディスカバリー』では本作の「アニマル」に似た、土の中を潜れる新しいコピー能力「ドリル」が登場します。他にも「ワザのまきもの」でコピー能力を強化できるなど、『ディスカバリー』の足がかりになる要素が地味に多く存在。

盗賊団の団長であるドロッチェを筆頭に、キャラクター人気の高い作品です。彼が主役のゲームも当時構想されていたようで、のちに『スターアライズ』では念願のプレイアブルキャラクターに。谷口あさみ先生のコロコロ漫画『も〜れつプププアワー!』が『参上!ドロッチェ団』を元にしていた部分が多かったこともあり、世代には馴染み深い作品です。

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【第18作】星のカービィウルトラスーパーデラックス


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第7作「星のカービィスーパーデラックス」のリメイク作品にあたりますが、新たにゲームモードが4つ追加されています(ミニゲーム除く)。順に見ていきましょう。

大王の逆襲

・プププランドの秘宝「きらきらぼし」をまたも奪ったデデデ大王(「初代」や「はるかぜ」で、食べ物と一緒に奪われていた)。きらきらぼしを手下から取り返し、リベンジに燃えるデデデ大王の待つ城へと向かう。

(解決法)デデデ城内のリングで、新兵器「ニューデデデハンマー」や謎の仮面を携えたデデデ大王と決闘。勝つ。


〔備考〕タイトルを含め、一から最後まで『メタナイトの逆襲』をパロディしたモード。歴代一のテキスト量でデデデ大王が喋り、『メタナイトの逆襲』ではメタナイトが部下に逃げるよう指示したのと同じ台詞で、デデデ大王が部下に無理やり出動させるなどネタ満載の掛け合いも。しにぞこないめ。かってにするがよい。

ステージなどは『はるかぜとともに』の高難度版という仕上がりで、敵が全体的にしぶとくなっています。『初代』の高難度モードであるエキストラモードを補完するような立ち位置と言えるかも。

ラスボス「マスクドデデデ」は、「メタナイトのパロディだから仮面をつけた」という引っ掛けネタが元とは思えないほどカッコよく、『スマブラSPECIAL』でも最後の切り札に採用されています。専用曲「VS.マスクドデデデ」は普段の戦闘曲から『きらきらきっず(SFC)』の三拍子アレンジをさらに四拍子に直してアレンジするというすごい出来に。イントロから最後まで勇ましく駆け抜ける名曲です。


メタナイトでゴーDX

・今回の主人公はメタナイト。日々の修行に励む平和なモード……。

(解決法)かと思いきや、願いを叶える大彗星ギャラクティック・ノヴァを再度呼び出すメタナイト。「もっと強くなりたいから」という理由で、古の時代に封印された銀河最強の戦士を勝手に召喚。完全に個人的な理由で全宇宙の危機を誘発したメタナイトは、ギャラクティックナイトとの決闘に挑む。


〔備考〕『スーパーデラックス』にあった『銀河にねがいを』までの5モードを、メタナイトでプレイできる新モード。私情で最強の戦士を呼び起こすメタナイトは必見。

敵を倒すことで得られる「メタポイント」を貯めることで4つの技を使用することができ、その爽快感とスピード感から人気の高いモードです。加速状態になる「メタクイック」はTA御用達。

『銀河にねがいを』パートでラスボスに代わる銀河最強の戦士「ギャラクティックナイト」は絶大な人気を誇り、以降幾度となく隠しボスとして登場します。戦闘BGMはハイテンポなロックで、そのテーマ曲と合わせて「ギャラクティックナイト戦」を形成していると言っても過言ではないでしょう。

ギャラクティックナイトがどういう存在なのかは未だに謎。カービィに倒されたギャラクティック・ノヴァが再生するなど、裏にある構想を匂わせるストーリーでもあります。


ヘルパーマスターへの道

・今回の主人公は、カービィの仲間をしてくれる各コピー能力に基づいた「ヘルパー」。「主役になりたいっ」という気持ちで、「格闘王への道」のようなボスバトルに挑む。

(解決法)ひたすら戦う。


〔備考〕『格闘王への道』のようなボス連戦モード。合計20のヘルパー(ザコキャラが味方になった姿)を操作することができ、全クリをしようとすると結構なやりごたえがあります。

『洞窟大作戦』のラスボスであるワムバムロックと戦ったあと、強化ボスである「ワムバムジュエル」と戦うのがラストバトル。なぜかワムバムロックが最後に回されている時点で怪しかった。バラエティ豊かなバトルが楽しめるモードです。


真・格闘王への道

・「格闘王への道」と同じく、ほぼストーリーのないモード……。

(解決法)かと思いきや、最終戦までいくとムービーが挟まる。カービィに倒され宇宙空間を漂っていた道化師マルクが、ギャラクティック・ノヴァの破片を吸収して、パワーアップした「マルクソウル」として甦ってしまった。巨悪の魂を葬るため、カービィは最後の戦いに挑む。


〔備考〕色々と衝撃的なモード。『銀河にねがいを』のラスボスであるマルクの強化版ボスと戦うことができますが、顔が真っ紫になったり舌が飛び出したりと、結構グロめな進化を遂げます。のちの『スマブラSPECIAL』における桜井政博氏の「本当はもっと怖くしたかった」発言を踏まえると納得かも。

マルクソウルのHPを削りきると、断末魔を上げながら真っ二つに別れて爆発するという信じられないくらいグロい死に方をします。筆者がカービィに強く惹かれたのは小学二年生の時にこのシーンを見てから。その直後に「祝・優勝!!」みたいな画面に移るので、「そうはならないだろ」とつっこんでしまいがち。

難易度的にもかなり歯ごたえがあり、カービィを操作して「ギャラクティックナイト」や「ワムバムジュエル」と戦える固有のモードでもある。休憩部屋のBGMは『64』のリップルスターのアレンジであり、静かで優しい印象に仕上がっています。


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【第19作】毛糸のカービィ


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・カービィが道端のトマトを勝手に吸い込もうとすると、元々の持ち主であるアミーボ・アモーレの怒りを買い、毛糸の世界に吸い込まれてしまう。しかもアミーボ・アモーレはただの魔法使いではなく、毛糸の世界をめちゃくちゃにした悪者だった。毛糸の国の王子・フラッフとともに、カービィは毛糸の世界を冒険する。

(解決法)カービィたちが各地に散らばった魔法の毛糸を集めている間に、プププランドを侵略していたアミーボ・アモーレ。メタナイトやデデデ大王まで操られる一大事に、カービィはアミーボ・アモーレを打倒する。


〔備考〕カービィの自業自得感が目立つ導入ですが、アミーボ・アモーレはちゃんと悪者なのでそこは安心を。なお、のちに開発される任天堂のフィギュアシリーズ「amiibo」とは特に関係ありません。

全体的に優しい雰囲気で作られており、ミスをしても残機が減らず、代わりに収集アイテムのビーズ(マリオで言うコイン)が減るだけという仕様。『ディスカバリー』も同じですね。

毛糸の世界が舞台かと思いきや、途中でプププランドを冒険することにもなる意外な展開も。あの「せんかんハルバード」も登場します。BGMの出来も非常によく、ステージBGM「ワッカせいうん」は人気曲です。2Dアクションにしては珍しく開発は任天堂。


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【第20作】あつめて!カービィ


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・突如現れた怪物「ネクロディアス」に、10人に分けられてしまったカービィ。突然の弱体化に途方に暮れるも、その時に出てきた「勇者の心」に導かれ、新たな冒険に出る。

(解決法)お宝マニアの盗賊ドロッチェの協力を得つつ、あらくれもののドクロ団を率いるネクロディアスを打倒。名残を惜しみながら、カービィは元のひとりの姿に戻る。


〔備考〕「鏡の大迷宮」でカービィを4人に分裂させるが敵を4倍に増やしただけだったダークメタナイトとは違い、今回の分裂はマジの弱体化。コピー能力はおろか、吸い込みやホバリングすらまともに扱えません。ネクロディアスは未だに、「タッチ!カービィ」シリーズ2作の黒幕と並び、初手でカービィを最も追い詰めた悪役になっています。

コミカルでライトな雰囲気に抑えられていますが、「ネクロディアス」というカッコよすぎる名前のラスボスは「世界から光をなくす」というガチっぽいキャラ。専用BGM名は「おそろしいてきだ」です。まぁそりゃそうだろうな。

『参上!ドロッチェ団』のドロッチェがお助けヒントキャラとして登場したり、サブゲームに過去キャラが大量に登場するなどファンサービスも多い作品です。『夢の泉』のナイトメアやアニメオリジナルキャラのエスカルゴンなども登場するので、カービィファンならぜひ一度はプレイしてほしい。わちゃわちゃ群れて敵をぼこぼこにする小さなカービィたちも可愛くて癒されます。


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【第21作】星のカービィWii


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・異次元から墜落してきた旅人「マホロア」。カービィ、デデデ大王、メタナイト、バンダナワドルディの4人は、マホロアの頼みで、各地に散らばってしまった天駆ける船・ローアのパーツを集める旅に出る。

(解決法)全てのパーツを集め、マホロアの故郷に構える凶暴な竜「ランディア」も倒したカービィたち。が、ランディアは凶暴な竜というのはマホロアの噓。本当は、無限の力を持つ秘宝「マスタークラウン」を司る守護神のような存在だった。マスタークラウンを横取りして本性を表すマホロア。ローアを盗掘してなおランディアに敗北した彼は、墜落した先で噂のヒーロー「星のカービィ」と出会い、うまく騙してクラウンを奪い取る計画を立てたのだった。全宇宙の平和を守るため、カービィたちはかつての友達と戦う。


〔備考〕人気作。純HAL研究所製で本編2DACTの完全新作が出せたのは、『64』以降11年振りであり、その間に3つの没作品があります。「面白くなければ出さない」という覚悟の元に満を持して発売された本作は素晴らしい出来で、シリーズの2DACTにおけるひとつの完成形と言っても過言ではありません。

「スーパー能力」という派手な限定能力があり、時間・区間制限付きながら十分な爽快感を楽しむことが可能。ラスボス相手にこのスーパー能力を使うシーンもあり、旧友相手に剣を振るうカービィは勇敢で格好いい。

システム、BGM、グラフィックなど全てが高水準で、キャラクター人気も高い作品。過去作に比べテキスト量が増え、ストーリー性が増した本作は、今年の4月27日に10年越しのノベライズ版発売が予定されています。

シリーズ準レギュラーにして屈指の人気キャラであるマホロアは今作が初登場。彼の故郷であるという「ハルカンドラ」は、ポストアポカリプスじみた機械と溶岩の星(と言えるのかも疑わしい地形)であり、古代にはまた別の住人が住んでいたものと推定されます。

ハルカンドラ製のアイテムには本当にロクなものがなく、『銀河にねがいを』の騒動の一端となったあのギャラクティック・ノヴァの出自もここであることがのちに判明。新たな禍根を描写しつつ、シリーズの新章開幕と言っていい動きの豊かな作品です。


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【第22作】星のカービィ20周年スペシャルコレクション


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今作はその名の通りアニバーサリー作品。『初代』『夢の泉の物語』『2』『スーパーデラックス』『3』『64』がまるまる収録されている他、アニメや漫画を見ながらカービィの歴史を追体験することも可能。

本記事では、『Wii』のおまけゲームをパワーアップさせた「もっとチャレンジステージ」について紹介します。

もっとチャレンジステージ

・『Wii』にも登場したマホロアが作ったテーマパークに招待されたカービィ。色んなステージを楽しむ。

(解決法)一緒に遊ぶ。


〔備考〕今更どの面を提げてこんなことをしているのかと言いたくなりますが、海外版では「この前のお詫び」という台詞があるようです。ネタバレ配慮なのか日本版では削除されていますが、彼なりに考えた結果ではあるのかもしれません。

なお、マホロアについては『Wii』でもディレクターを務めた熊崎信也氏から、「友達になりたいという言葉自体は本心だったのではないか」という言及がされています。作品間の時系列は不明ですが、マホロアはかなり多くの作品にゲストとして登場しており、今や立派なメインキャラになりました。

ちなみに、マホロアは児童向けの小説版にも登場しており、「口がうまくウソツキで、よく人をだます。」と紹介されています。『大迷宮のトモダチを救え!の巻』は、マホロアのファンなら必読の一作です。

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【第23作】星のカービィトリプルデラックス

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今作から、カービィの王道ACTシリーズではメインモードがいくつか増える傾向に。それぞれご紹介しますね。

ストーリーモード

・ある日カービィが目を覚ますと、巨大な植物「ワールドツリー」に自分の家が持ち上げられていた。上を目指していくと、謎の男「タランザ」にデデデ大王が誘拐されるところを目撃。デデデ大王を助けるため、異変の謎を突き止めるため、カービィは浮遊大陸フロラルドを舞台に新たな冒険へ。

(解決法)操られたデデデ大王を食い止め、ついにタランザを追い詰める。だが、彼はただの従者にすぎなかった。黒幕である女王「クィン・セクトニア」は、タランザを「使えぬ愚か者」として攻撃。劣勢の中、寄生能力を使ってワールドツリーと融合するクィン・セクトニア。フロラルドの民である妖精たちや、デデデ大王や改心したタランザの助けを得て、カービィは最後の戦いに挑む。勝つ。


〔備考〕デデデ大王が完全なヒロインとして登場する珍しい作品。人気キャラである「マスクドデデデ」も操られた状態で再登場するなど、この辺りから本編はファンサービスの色が強くなってきます。

ラスボス戦BGMである「狂花水月」は、ゲーム史に残る名曲として有名。食べたものによって異なる奇跡を起こす「きせきのみ」をカービィのピンチに持ってくる、デデデ大王とタランザのムービーには、「ヒーローとは、遅れてくるものなんだぜ!」という題名がついています。ゲーム版デデデ大王は「ゾイ」とはなかなか言わない。

「Wii」に続き今作でもディレクターを務めた熊崎信也氏はのちに、Miiverseで裏設定を公開しながらデデデ大王を「永遠のライバル」と呼称するなど、スタッフの愛が光る劇的な作品です。


デデデでゴー!

・そんなデデデ大王が主人公のモード。本編で女王がいなくなったフロラルドを統治するため、プププランドの自称大王が、各地の強化ボスを撃破する冒険に出る。

(解決法)巨大な城ロイヤルロードに辿り着き、強化ボス「クィン・セクトニアDX」を倒したデデデ大王。が、そこになぜか、「鏡の大迷宮」に登場した例のアイテム「ディメンションミラー」が出現。

鏡に映った自身の心の闇である、「ブラックデデデ」を撃破したデデデ大王は、本来願いを叶えてくれるはずのディメンションミラーが再びおかしくなってしまった原因「ダークメタナイト(リベンジ)」をも打倒。ディメンションミラーを破壊し、デデデでゴー!の物語は終了。

〔備考〕なぜクィン・セクトニアたちの城にディメンションミラーがあったのかは、各種ボス説明文で仄めかされながら、Miiverseのスタッフコメントで明かされていくことになります。

後述ですが、この裏設定により「デデデでゴー!」のデデデ大王がマジの英雄であることが発覚。自身の心の闇を打ち破り、色んな人物の因縁に決着をつけたデデデ大王は、この作品からシリーズ屈指のイケメンとしてファンの憧れの的に。

なお、ブラックデデデは「2」や「3」「64」で乗っ取られた際に使用したのと酷似する技を使うなど、なんだか意味深な描写も。

真・格闘王への道

・本編クリア後の「格闘王への道」がパワーアップしたボスラッシュモード。いつものように、特に物語性のないモードかと思いきや……。

(解決法)どこかから4つも捧げられた「きせきのみ」を食べ、息絶えたはずの女王は「セクトニアソウル」として蘇る。奇妙に笑い暴走するセクトニアに、カービィは「永久なる眠り」(ボス説明文より引用)を与える。

〔備考〕ボス説明文にて、「このきせきのみを捧げたのは改心したはずのタランザだった」ということが発覚。

ボス説明文でも「それはなかのよいふたりだった」と称され、かつてはつつがない関係だったことが仄めかされていたタランザとセクトニア。片方が「妖艶の悪女」(ボス説明文より引用)と化した二人の間に何があったのか、徐々に明かされていくことに。

昔は仲の良かったタランザとセクトニア。が、タランザが好意で「綺麗な鏡」をプレゼントした時から、セクトニアはおかしくなってしまう。美しさにこだわり、一族の寄生能力で次々に新しい体に乗り換え始めた。
「綺麗な鏡」とは、「デデデでゴー!」に登場したディメンションミラー。この時点で既に機能は破綻しており、鏡の魔力で、セクトニアはどんどん心の闇に侵されてしまう。ついに悪の女王「クィン・セクトニア」となったかつての大切な人に、タランザはひたむきに仕え続ける。

これだけでも十分悲しいお話ですが、これを踏まえた「真・格闘王への道」のあらすじはえげつないことに。

平和を脅かす女王としてカービィに葬られたクィン・セクトニア。タランザもそれに協力こそしましたが、やはり彼女のことを諦めきれず「きせきのみ」を集めて彼女の死骸に捧げる。この実のパワーがあれば、セクトニアは生き返るかもしれない。

が、きせきのみは食べたものによって異なる奇跡を起こす代物。セクトニアは自我を失った怪物として復活してしまい、ゾンビ状態で暴れ回る。当然、カービィはそれをまた葬らなければならない。つまり、プレイヤーが直接トドメを刺す展開。残酷すぎる。

これで完全にセクトニアと再会する可能性を失ったタランザですが、のちのシリーズや小説版でもセクトニアを忘れられない死体蹴りのような描写が頻発。この作品から、カービィシリーズに元々あった黒い要素が、改めて鮮烈にデビューすることに。最終決戦のボス説明文はセクトニアの独白で、本編のラストと対応するような文章になっています。

美しくもまがまがしきすがたのセクトニア
ワールドツリーにその身を やどし、
フロラルドせいふくのみならずぼう走し
ポップスターぜんどをもとりこんでいく…
ようえんの悪女に、とわなる…ねむりを!
いくどとなく きせいし、のりうつりつづけ、
どれが 本当のすがた であったのか…
もはや 思い出すことも出来ない。
わたしをよぶ声もしたが 今はもう聞こえない。
この夜が明けるその前に、とわなる…ねむりを…

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【第24作】カービィファイターズZ

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・たくさん出てくるカービィと戦う。

(解決法)夢の泉の力を借りてパワーアップしたり増えたりしたデデデ大王とバトル。


〔備考〕前作のおまけモードがパワーアップした作品。前作の重々しい展開に代わり、カービィらしいポップなバトルに。ラストのデデデ大王戦のBGMは、歴代の音源で今までのデデデ戦を振り返る内容になっています。

「デデデでゴー!」での活躍に加え、本作のライバルっぷりでデデデ大王のファンになった人も。この時期のスタッフ、デデデ大王のこと好きすぎるだろ。

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【第25作】デデデのデデデでデンZ

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・マホロアが作ったテーマパークで、デデデ大王がなんか、リズムゲームをします。

(解決法)遊ぶ。


〔備考〕

この時期のスタッフデデデ大王のこと好きすぎるだろ。

「ファイターズZ」と同じく、「トリプルデラックス」のおまけモードがパワーアップした番外編。様々な人気楽曲のアレンジもあり、ファンも満足できる内容に。

ちなみに、「Wii」のラストから生死不明だったマホロアですが、本作の裏話で正式に生存が判明。ニヤニヤしながらデデデ大王の妨害をしてきます。絶対に反省していない。

最後の楽曲はかなり凶悪な難易度を誇っており、しばらくスコアアタッカーたちも阿鼻叫喚の事態に陥りました。

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【第26作】タッチ!カービィスーパーレインボー


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・プププランドから色が奪われ、全ての動きが停止する大事件。絵筆の妖精「エリーヌ」とともに、ワドルディと色を取り戻す冒険へ(なお、カービィの動機そのものは色が消えてリンゴが食べられなくなったから)。

(解決法)エリーヌの友達だったボスの「クレイシア」を倒すと、黒幕でありクレイシアを乗っ取っていた『ダーククラフター』が登場。エリーヌ・クレイシアの助力を得て、ダーククラフターを撃破。


〔備考〕WiiUゲームパッドを活かした「タッチ!カービィ」シリーズの2作目となりますが、作風も違って続編という雰囲気はありません。こちらは「粘土」がテーマで、カービィがボールの姿にされることもなし(つまり、今回カービィが転がって進むのは完全な舐めプ)。

番外編らしいポップな作風ながら、過去に登場したダークマター族に近い容姿のダーククラフターや、魔女ドロシアとの繋がりを感じさせるクレイシアも登場。その関係性は一切不明なものの、歴代の謎がさらに意味深に。

ちなみにBGMがやたらと良く、ラストの「ダーククラフターとの戦い」はシリーズの隠れ名曲としてファンの間で愛されています。また、アイテムを集めることで、過去作の書き下ろしアレンジBGMがたくさん聴ける贅沢な要素も。今作で「天かける虹」を作曲した大原萌さんは、カービィカフェの店内BGMなど、現在も前線で活躍されています。

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【第27作】星のカービィロボボプラネット


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3DSの王道ACTということで、「トリプルデラックス」と対比される立ち位置の本作。作風も何かと似ていますが、前者が「自然」テーマだったのに対し、今作は「機械」がテーマになっています。モード別にあらすじと動機を見ていきましょう。

ストーリーモード

・宇宙の大企業「ハルトマンワークスカンパニー」に、カービィたちの星がが「キカイ化」される。異変を解決すべく、新しい機械の相棒「ロボボアーマー」と冒険に。

(解決法)改造されたメタナイトやデデデ大王のクローンを撃破しながら進んでいき、カンパニーの中核に到達。カネのために狂った社長「プレジデント・ハルトマン」は、会社のマザーコンピューター「星の夢」に操られ、取り込まれてしまう。ハルトマンワークスカンパニーの秘書であるスージーの頼みを聞いて、カービィはメタナイトの戦艦ハルバードとともに、星の夢を撃破する。


〔備考〕「クィン・セクトニア」「ダーククラフター」と来て、いきなり「星の夢」というマジっぽいボス。実際、特別な能力を持たない純粋な強さでは歴代最強クラスです。カービィが戦闘後に気絶するのは、「2」とこの「ロボボプラネット」のみ。カンパニーが一から作ったものではなく、どこかで得た謎の設計図が基になっているよう。

今作ではメッセージウィンドウが実装され、さらに骨太のストーリー展開が目指されています。単に熱いロボットSFものかと思いきや、道中のボスが「64」のボス、星の夢は「スーパーデラックス」のギャラクティック・ノヴァに酷似していたり、いつものような意味深な要素も。謎を忍ばせつつも、かつてない危機に挑む燃える作品です。

ロボボアーマーのアクションの爽快さは、歴代でもトップクラス。ラストには、壊れかけのロボボアーマーが気絶したカービィをそっと故郷へ誘導するシーンも。ロボボの目から冷却水が流れるムービーは、王道で泣ける。

なお、星の夢にトドメを刺すシーンのBGMは、「この一撃に桃球レボリューション」といいます。スゴすぎる。


メタナイトでゴーリターンズ

メタナイトが戦う。もはや説明不要に感じるものの、一応メタナイトが捕まって改造されなかった場合の、いわゆるifストーリーになっています。今回は「カービィに代わってハルトマンワークスカンパニーを返り討ちにする」という大義名分付き。

(解決法)と思いきや全然そんなことはなく、ラストには星の夢に「強敵と戦いたい」という願いを勝手に読み取られ、あのギャラクティックナイトが召喚される。それも、登場した時点で星の夢を一撃で大破させる壊れっぷり。例によってきわめて個人的な願望で全宇宙の危機を誘発したメタナイトは、ギャラクティックナイトと決闘、勝利する。


〔備考〕このモードから、メタナイトがガチの戦闘狂であることがファンの間でも定着。一応、星の夢が勝手に心の中の願望を読み取った結果とはいえ、さすがに初のメイン登場が「平和すぎるからクーデターを起こす」だったやつは一味違う。

ちなみに、このモードでは「2」のダークマターや「トリプルデラックス」のクィン・セクトニアのクローンがボスとして登場します。前者はともかく後者は完全な死体蹴りであり、さすがにドン引きするファンも多数。しばらくネタにされることに。

なお、小ネタですが、星の夢の登場シーンでは「よく見ると星の夢がメタナイトではなくプレイヤー側を見ている」という描写も。メタナイトでゴーリターンズには危険な存在しか登場しません。


真・かちぬきボスバトル

・いつもの連戦モード。強化版のボスと戦っていくだけで、物語的にはさして特筆するところはない……。

(解決法)わけではもちろんなく、ラスボスが「星の夢.Soul OS」として再び立ちはだかる。「メタナイトでゴーリターンズ」でギャラクティックナイトにくらった一撃により、ハルトマンに禁止されていた最終プログラムがアンロック、大幅に強化されてしまっていた。カービィは星の夢.Soul OSと最後の戦いに挑み、幾度もの形態変化を越え勝利する。


〔備考〕これだけだと安穏な強化ボスですが、ボス説明文をちゃんと読むとまた話が違ってきます。懲りろ。

最終プログラムで大幅に強化された星の夢であるものの、本編のように社長ハルトマンごと内に取り込んでおり、その「ココロが邪魔なのでメモリーを消去する」という不穏すぎるレポートを吐きます。まぁ、本編で完全な悪役だったし、可哀想だけど因果応報ではある……。

ということもなく、ボス説明文やスタッフのコメントで、例によって裏設定が明かされます。その内容は以下の通り。

本編で登場した秘書スージーの本名は、スザンナ・ファミリア・ハルトマン。つまり、社長ハルトマンの実の娘。が、ハルトマンはそのことに気づいていない。
かつてハルトマンは星の夢の「時空テンイプログラム」起動実験をしたが、そのときの事故で娘を別の時空に失ってしまう。悲しみから心や記憶を捨て、娘を探せるようカンパニーの成長だけを考えていたが、その過去すらも忘れてしまった。やがて生還してきたスージーは、実の父に素性を告げることなく、カンパニーの秘書として勤務する。

なお、星の夢.Soul OSがとったメモリー消去の手段は、カービィにそれを破壊させること。セクトニアソウルと同じく、もうとっくに死んでいる可哀想な人をプレイヤー側が二度殺す展開に。この時、星の夢にダメージを与える度にハルトマンの叫び声が聞こえるという怖すぎる演出も。「Soul.OS」の頭文字をとると「SOS」になるという話もあります。何を目指してるんだ。

が、完全に希望がなかったセクトニアソウル戦とは違い、最後のボス説明文は燃える内容になっています。全体を通して過酷ながらも熱い展開は、パッケージからも何となく伝わってくる。「タイトル画面のBGMのフレーズがラスボス戦のBGMと同じ」という、みんな大好きな要素もあります。シリーズの中でもおすすめの作品です。

だれが 何のために 作ったのかさえ 分からない、
そんなモノを なぜ わたしは 起動 させてしまったのだろうか。
そうだ、かなえたい夢が あったはずだ…
あぁ だが、マシンが 夢など かなえては くれないというのは、
もう 分かっていたこと だというのに…
このコアからも ハルトマンのメモリーは、消えた。
最後に想う あの心も、消えた。
その瞬間より 星の夢は完全な 存在から ただの こわれたマシン となる。
夢も見ない、ゴハンも食べない、そんな あいては
 もはや、星のカービィの てきでは なかった!

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【第28作】みんなで!カービィハンターズZ

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・はるか昔、遠い世界の「プププ王国(キングダム)」の各地で、突然敵たちが暴れ回る異変が発生。元の平和を取り戻すべく、「カービィハンターズ」たちは戦っていく。

(解決法)黒幕であるダークタランザを倒すと、持っていた謎の黒い鏡から闇の王キングD・マインドが出現。カービィハンターズたちが闇の王を倒すと、真の平和が訪れた。


〔備考〕死体蹴り。基本無料の番外編なので、さほどシナリオもないだろうと高をくくっていたファンでしたが、そもそも「みんなで!カービィハンターズZ」自体がタランザのお話でした。

「はるか昔、遠い世界での話」というと、なんだか最近出たポケモンLEGENDSアルセウスを思い出しますね。今の世界にどう繋がっているのかという謎も含め、近い世界観を持っています。タランザに関しても本編との関係は不明(絶対関係あると思うけど……)。

今作のストーリーは、タランザがセクトニアを甦らせるために黒い鏡の力を使おうとするも(何やってんだ)、その魔力にあてられて暴走したことが発端。

心の闇「ダークタランザ」が「最強の戦士」を思い浮かべた時に鏡から出たキングD・マインドは、デデデ大王に酷似した姿でした。未練タラタラなことに加え、デデデ大王の強火オタクという業の深すぎる属性を与えられてしまったタランザ。この先どうなってしまうんだ。

なお、キングD・マインドは「鏡の大迷宮」に登場したダークマインドの姿にも似ていますが、関係は不明です。

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【第29作】カービィのすいこみ大作戦


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・動機の説明はありませんが、とりあえずデデデ大王をボコボコにします。

(解決)プププランドの秘宝きらきらぼしを使い、巨大化したデデデ大王を、殴る。


〔備考〕「ロボボプラネット」のおまけモードがパワーアップした作品。ストーリーはさほどありませんが、かえってカービィとデデデ大王の関係性を色濃く描写してきた歴史が光っています。

製品化された中では、初の3Dアクション。元々「カービィに3Dアクションができるのか」という実験の意図もあってつくられたものですが、今作の完成度で「いける」と判断されたおかげで、同じく3Dアクションである新作「ディスカバリー」に繋がったのでしょうね。感慨深い……。

最後のステージでは、初代のエンディングである「あしたはあしたのかぜがふく」の格好いいアレンジBGMが流れます。粋な演出ですが、その難易度はかなりのもの。「デデデでデンZ」と並んで、理論値をめざすスコアアタッカーを苦しめた良作です。

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【第30作】カービィバトルデラックス!


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・デデデ大王が開いた謎の大会「デデデグランプリ」。優勝賞品のデラックス山もりケーキにつられたカービィは、同じく大会参加者のバンダナワドルディと協力しながら闘っていく。

(解決)デデデ大王がつくったカービィのそっくりさんを倒しながら、ついに優勝したカービィ。それでも負けを認めず、巨大ロボ「デデ・デデデンZ」で食い下がるデデデ大王を倒し、優勝ケーキをいただく。


〔備考〕カービィを負かすためにカービィを複製する機械を作るという、もうなんというかヤバい状態になってしまっているデデデ大王。イメージとしては遊戯王の「スライム増殖炉」と全く同じです。

この作品はミニゲームによる対戦がメインで、ストーリー演出はほのぼのとした感じになっています。アニメや小説版に近い雰囲気で、メタナイトも「クールな剣士」的なキャラとして登場します。ちなみに、アニメがクールな剣士、ゲームが狂戦士、小説版がクールな剣士かと思いきや狂戦士というのがメタナイトの基本的な立ち位置ですね。

25周年イヤーに発売された三作の内のラスト一作。荒らし問題を孕みながらも、ネット対戦は多くのプレイヤーで賑わいました。地味にいつもの2Dアクションを脱しており、「コピー能力持ちでのプレイのみ」という特徴はあるものの、此度のカービィ3D化の布石となったかもしれない作品です。キャッチコピーは「最強カービィ決定戦!」。カービィって何なんだ?

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【第31作】星のカービィスターアライズ


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ストーリーモード


・宇宙の彼方から降り注ぐ「ジャマハート」によって星の住民が凶暴化する異変が発生。同じく降り注いだハートから得た「フレンズハート」によって、仲間のフレンズとともに解決に向かう。

(解決法)宇宙を巡って道中で立ち塞がる「三魔官」を倒すと、敵本拠地の要塞最深部にボスの神官「ハイネス」が。何らかの執念に基づいて偉大なる破壊の神を信仰するハイネスを倒すも、最後の最後に破神「エンデ・ニル」が復活してしまう。かつてニルを封印していた「心のヤリ」から生まれた秘宝「ティンクルスターアライズ」に搭乗し、カービィとフレンズたちは最後の戦いに挑み、無事勝利を遂げる。


〔備考〕シリーズ25周年となる記念すべき年に発売された、久しぶりの据え置きハードでの王道本編2DACT。「フレンズハート」をぶつけることでいつでもザコキャラを仲間にすることができ、イメージとしては『スーパーデラックス』のヘルパーと『Wii』の4人同時プレイが合体したような感じです。

「属性をつけてコピー能力を合体させられる」など、他にも過去作で培ったアイデアやノウハウが際立つ作品。「もしも星のカービィに最終回があったら?」というイメージで作られたという話が、決して誇張ではないことがわかるすさまじい出来です。ジャマハートに影響されて敵に回るデデデ大王は、なぜかムキムキになって立ちはだかるけど。

本作のボスである神官ハイネスはかなり狂ったキャラで、6秒以内に裏設定を含む長ゼリフを高速で喋るシーンは初見だと結構怖い。が、どうやら例によって、最初は純粋だったのに責任感の強さとアイテムの魔力とで狂っていってしまったらしい。普段はローブで顔を隠していますが、これは自分の顔に強いコンプレックスがあるためで、HPを削りきると素顔を晒して本気で挑んできます。

ラスボスの破神エンデ・ニルはずんぐりとした宗教的・民族的な巨体を持ちますが、実はそれは「器」でしかなく、本体はその内部にある心臓。この生まれたての姿がカービィにそっくりだったことから、カービィの出自に関して、世界観を根底から揺るがすキャラクターなのではないかと物議を醸しました。

「目覚めさせた者の性質に染まる」という特性があり、本体を目覚めさせたのがカービィであったことが影響しているのではないかという見方もあります。そもそも、それ自体がコピー能力に近いような設定なので、疑惑が晴れたわけではありませんが……。ラストはフレンズ全員の友情の力で、ニルとのビームの撃ち合いに打ち勝つ激熱演出。全員集合はいいですね。

本作のメインキャラである敵幹部の「三魔官」は人気キャラで、それぞれ「冷徹な氷戦士と熱血な炎戦士(百合)」と「クールだが天然で主にもなかなか名前を覚えてもらえないポンコツリーダー」と、オタクが喜ぶ造形に。それぞれ、フラン・キッス、フラン・ルージュ、ザン・パルルティザーヌといいます。みんな根は善人であり、健気で憎めないキャラクターたち。筆者はかなり好きです。


星の○○○○

スターフレンズでGO!


本編後に追加される、「フレンズ」たちを操作するモード。基本的に本編を追従する形になっており、冒険の動機はそれぞれ異なります。過去のラスボスが「悪いことするなら自分も混ぜろ」と言って参戦する様は、感慨深いやら恐ろしいやら。

発売後に無料アップデートで追加されたキャラクターを含めると、操作できる総キャラ数は圧巻の37。全部書くわけにもいかないので割愛しますが、過去の人気キャラたちが一堂に会する光景は「ドリームフレンズ」というその名に相応しい、極上のファンサービスです。

ラスボスは隠しボス恒例のギャラクティックナイトかと思いきや、彼の体と交わることで力を得た極楽の夢見鳥「バルフレイナイト」に。『20周年スペシャルコレクション』の付属ブックレットでのみ姿を拝むことができた没キャラがデザイン元になっており、これが初見でわかれば相当なコア層といえます。

「審判の日に異空間より飛来する」というバルフレイナイトは実際にかなり強いのですが、一部のドリームフレンズが強すぎるせいで一瞬でボコボコにされることもしばしば。中でもマルク、マホロアのラスボスコンビはすさまじいスペックを誇ります。

ドリームフレンズでバルフレイナイトに挑むとそのキャラに合わせた新規アレンジBGMが流れるという仕様もあり、どっちがラスボスかわからないと言われることも。バルフレイナイトは歴代オープニングにも出演する赤い蝶が原型ですが、その赤い蝶は新作『ディスカバリー』のオープニングでも、カービィと一緒に新世界に通ずる渦へと呑み込まれています。単なるファンサービスなのかまた何かあるのか、いずれにせよ動向に注目です。


アナザーディメンションヒーローズ







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【第32作】毛糸のカービィプラス


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・「毛糸のカービィ」と同じ。

(解決法)「毛糸のカービィ」と同じ。


〔備考〕Wiiで発売された「毛糸のカービィ」を基に、追加要素を連れてパワーアップした作品。命名規則としては「DDLC+」と同じですね。

お邪魔キャラや体力の概念が存在する高難易度の「デビルモード」、裁縫道具を使った全6種類の特殊アクション「さいほう能力」など、Wii版にはなかったものもちらほら。

3DS末期に発売されたソフトのため、無印版「毛糸のカービィ」からは9年近い月日が経過しています。任天堂開発の3DSソフトとしては最後の作品であり、2019年に発売されたのはこれと「大戦略  大東亜興亡史DX〜第二次世界大戦〜」というあからさまに真逆な二作品のみです。そんな今作の公式サイトには「毛糸の冒険は、まだはじまったばかり。」とあります。嘘すぎる。


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【第33作】スーパーカービィハンターズ


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・はるか昔の遠い世界にある平和な国、プププ王国で、海岸の住民であるヘルメホーンが暴れ出す事件が発生。カービィハンターズは平和を取り戻すための戦いに出て、事件の中核にいるらしき謎の男の打倒を目指す。

(解決法)黒幕である魔法使い「アナザーナイトメア」を追って、彼の召喚した闇の王「キングD・マインド」をも倒したカービィハンターズ。復讐を目指し生き延びたアナザーナイトメアは最後に「淵源を巡る英雄」を召喚するが、英雄の攻撃により逆に消滅させられてしまう。カービィハンターズは平和のため、銀河最強の戦士である古代の英雄を倒す。


〔備考〕Nintendo Switchの基本無料ソフトとして配信された今作。当然サービスの息も長く、公式アカウントではずっと、よろずや(アイテム・装備屋)の店主マホロアが宣伝をしていました。マホロアが店を出しているのは3DSの「みんなで!カービィハンターズZ」も同じですが、採用の理由は「こいつなら課金アイテムをせがませてもストレスがないだろう」というものらしいです。すごいことだ。

淵源を巡る英雄」というすさまじい名前の真ラスボスが登場。これだけ見ると完全にTCGの二つ名ですが、その見た目はシリーズ中で度々立ちはだかる「ギャラクティックナイト」に酷似しています。関係性は不明ですが、はるか昔が舞台である「スーパーカービィハンターズ」の世界観でも古代の英雄として扱われている模様。

装備のモチーフが過去キャラクターだったり「夢の泉の物語」などでラスボスを務めたナイトメアによく似たボスが出たりと、ファンサービスも顕著。アナザーナイトメアのCVはアニメのナイトメアと同じく銀河万丈氏です。エンディングはシリーズ初のボーカル入りということがあって、多くのファンを驚かせました。



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【第34作】カービィファイターズ2


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・デデデ大王とメタナイトが、カービィを倒すためについにタッグを組んだ。「バディファイターズタワー」という塔の最上階で待つ二人に挑むため、カービィはバディと共に塔の中での戦いを勝ち進んでいく。

(解決法)様々な策を弄するデデデ大王・メタナイトは、最終決戦で「闇の絆の仮面」を取り出した。カービィに勝利したいがために禁忌的な仮面に手を出した二人は、「下弦のマスクド・デデデ&上弦のマスクド・メタナイト」として、チームの前に立ちはだかる。カービィたちの絆の力で仮面は打ち砕かれ、決戦はチームの勝利で終わったのだった。


〔備考〕比較的安価で販売された、Nintendo Switchの配信専用ソフト。「カービィファイターズ」を基本形とした格ゲーですが、「2」というタイトルに現れているように、チーム戦をプッシュしています。

「レスラー」という新コピー能力が追加された他、「スターアライズ」でプレイアブル化した「グーイ」「マホロア」などの特別なキャラクターも操作することが可能。新鮮なプレイ感を味わえます。オンライン対戦も!

デデデ大王とメタナイトが影武者を用意したりと、初期のクッパみたいなことをして工数を稼いだので、ストーリーモードもかなりの長丁場になります。ラストの方では連続50戦という、バトルフロンティアでしか見なかったであろう数字も。

作風こそコミカルに振っていますが、デデデ大王とメタナイトという意外にも絡みの少なかった二人を掘り下げる役目を担っています。最後のナレーションでは、「仮面がなくとも、きっとあの戦いは、ナイスファイトとなったことだろう…」と、二人の絆を讃える(?)描写も。カービィシリーズがこれまでずっと二人のライバルに支えられてきたことがわかる作品として、ファン心に暖かく刻まれたストーリーモードでした。


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終わった〜!! かなり長くなりましたが、いかがでしたか?(いかがでしたか?と書くと業者みたいで怖いですが全て趣味です)。

ちょうど今日30周年の節目を迎えたカービィシリーズ。ここでは紹介していませんが、最新作「ディスカバリー」ではまるで人間が作ったような街並みの「新世界」を訪れるなど、冒険の幅はネタ切れどころかむしろ躍進し続けています。

「新しさ」を重視してモノ作りに励み続けるシリーズメイン開発元であるHAL研究所。そこにはかつて、「スマブラ」ディレクターにしてカービィの生みの親である桜井政博氏が務め、以来様々なディレクターのもと、独自にして柔軟な遊びを開拓し続けてきました。

カービィ30周年イヤーである今年は、連日大盛況であるカフェやコラボグッズフェアに加え、ビックバンドコンサートの開催も予定されています。衰えることなくどんどん進むカービィ、無限の力を持つ伝説のヒーロー……。

改めて、星のカービィ30周年おめでとうございます!

そして、ありがとう……。


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