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2022年6月4日 オタク原体験・キリエロイド/マルク

・日記パワーが足りないので、全然関係ない話をします! たまにはそういう日があってもいいよね。




・卯月コウさんが「ロールパンナ選手権」というのをされていたらしく、それのアーカイブを見てる。まだ全然見終わってないけど。

・この企画めちゃくちゃすごい。卯月コウさんは常々、「ロールパンナ理論」というのを唱えてるんですよ。「幼少期に見たアンパンマンでロールパンナちゃんが好きだったやつは根源的に屈折したオタクである」という、若干の実体験に基づいた理論(3歳の頃から好きだったらしい)。


・ちなみに僕はアンパンマンではアンパンマンのリョナシーンが好きな子どもだった。最悪。それはそれとして……。

・ここでいう「ロールパンナ選手権」というのは、オタクとして覚醒する前に無自覚にオタクの素質を顕現させていた時のエピソードを募集する企画。「あの頃オタクがどうとか考えもしなかったけど、今思い返せばあれが好きだった辺り自分にはオタクの才能があったな」みたいなことです。伝わるかな。

・たとえば、Webライターなどをされているにゃるらさんは、オタクになったきっかけとして「幼少期に仮面ライダー龍騎を見たこと」を度々挙げている。これは完全に「きっかけ」なのでちょっとズレるかもしれないけど、要するにこういうイメージです。

・今日はこの話だけします。レッツゴ!!!




・オタクに目覚めた体験、自分はおそらく三つある。一つがロールパンナ体験。次のもう一つもそれ寄りで、最後の一つはしっかり東方vocalをYouTubeで聴いた時ですね。

・二つは割とあっさりとしか書けないかもしれないので今日は置いておこう。とにかく、最初の一つは、ウルトラマンティガの第25話「悪魔の審判」です。これはすごい回で、つい一昨日見直しましたね。本当にすごいんですよこれ。

・この回に登場するのは炎魔戦士キリエロイドII。「II」というからには初代キリエロイドもいて、それは第3話で登場しました。

・キリエロイドは、キリエル人という種の精神生命体が、ティガと戦うために得た姿。キリエル人はティガが現れる前から地球人類に干渉して導いてきたと主張し、後から人々の人気をさらっていったティガに強く嫉妬している。

「君を待っていたのだよ、ウルトラマンティガ!君はこの星の守護神になるつもりかね?おこがましいとは思わないか。君がその巨大な姿を現すずっと前から、この星の愚かな生き物達はキリエル人の導きを待っていたのだよ。君は招かれざる者なのだ!見せてやろう、キリエル人の力を。キリエル人の怒りの姿を!!」

・第3話ではティガがキリエロイドを倒し、キリエルとの因縁は一旦落ち着きを見せた。しかし第25話では、再度キリエルがティガに牙を剥き始めます。

・キリエル人は巨大な「天使」の格好で人々の前に姿を現し、信仰を獲得していく。そしてその、誰もが天使を崇拝する洗脳じみた状態が十分に定着したところで、「ウルトラマンティガはこの星に仇なす悪魔なのです!」と吹聴して戦闘を始める。悪質だ。

・正直、話そのものの流れで言ったら、第3話の「おこがましいとは思わないか」の方がインパクトは強いかもしれない……。が、この回はとにかく絵面がすごい!!!!!


・ティガと戦う中で、キリエロイドIIは天空に出現した「天国の門」を開こうとする。しかしこれはキリエルが天国の門と言っているだけで、本当は、ひとたび開けば大量のキリエル人が押し寄せてくる「地獄の門」。にも関わらず、天使を狂信する民衆はその門が開くのを扇動されるままに待ち望んでいる……。やばすぎる!!!!!!

・絶体絶命まで追い詰められたティガはこの後、防衛隊GUTS隊長の呼びかけによって誤った信仰から目を覚ました人々に応援を受けます。その方法は、車のヘッドライトやペンライトなど、とにかく「光」を当てて集めること。これもすごい発想だ。

・ティガが人々の光によって立ち上がる時には、宗教画「アダムの創造」の看板が映された上で同じポーズが撮られています。そんなことあるの!?!?!?!?!?ウルトラマンで!?!?!?!?!?

・自分のオタク原体験は、多分これだったのだと思う。つい最近まで気づかなかったけど、これだ。天使と悪魔。天国と地獄。光と闇。宗教。神秘。幼少期にこんな絵面を見たら、もう戻ってくるのは不可能だと思う。キリエロイドIIとウルトラマンティガのデザインが、そもそもめちゃくちゃ格好いいのも罠。

・キリエロイドIIは前回負けた反省を活かし、ティガのタイプチェンジ能力を真似して「通常」「対空」「強化」の三形態を用意してきます。それも幼ながらに好きだった。ティガに嫉妬して勝とうとするためにやることが、結局洗脳とティガの真似なんだ、と思って。

・ウルトラマンティガは超名作だし、そもそもウルトラシリーズはそれ一話だけ見れば理解できるみたいな話が多いので、気になったら是非見てみてほしいですね。ウルトラマンのサブスクもあるので。ちなみに、ウルトラマンティガのメインライターは、lainなどで有名な小中千昭さんでして、クトゥルフのモチーフが終盤かなり出てきたりします。全編面白いよ!




・置いておこうと思ったんだけど、やっぱりもうひとつの体験も書いちゃおうかな。キリエロイド以外の、オタクになったきっかけ。

・これははっきりと自覚しているのでたまに言及しているんですが、「星のカービィウルトラスーパーデラックスでマルクソウルが断末魔をあげながら死んだ瞬間」です。

・星のカービィUSDXはDS用のソフトで、それはもう流行った。自分は元からカービィが好きだったので手に入れる他に選択肢はなかったのだけど、周りのクラスメイトとかもみんな持っていたので、僕にとってはスマブラ以外でカービィの話ができる貴重な機会になっていました。

・これはスーパーファミコンで発売された「星のカービィスーパーデラックス」に、ゲームモードを複数追加してリメイクした作品。ちなみにその時のラスボスが、飄々とした道化師の「マルク」です。

変身前
本性

・はっきり言っちゃうけど、もうこの時点ですっげぇオタク。マルクは願いを叶える機械仕掛けの大彗星「ギャラクティック・ノヴァ」をカービィに起動してもらうため、策を張って騙し、本性を表して戦闘にもつれこむ。「飄々とした道化師」が、「物語の真の黒幕」として「ギャラクティック・ノヴァ」を起動させる。なに?

・BGMもゲーム史に残るレベルのかっこよさで、おそらくはFF6のケフカをイメージしているのであろう独特の笑い声も相まって、ラスボスとしての格はこの時点で抜群。しかし、追加要素たっぷりのリメイク作であるUSDXでは、もちろんこのマルクの強化版ボスが登場します。それがこちら。




はぁ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?



・「急にどうした!?!?」と思った。強化形態といえば、何か武器を持つとか体が大きくなるとかだと思っていたから、毒々しいカラーチェンジは当時の僕には超新鮮だった。

・このボスの名前が「マルクソウル」。設定上、本編でカービィに破壊されたギャラクティック・ノヴァの破片を吸収して蘇ったマルクという裏ボスです。

・下は紫色になって飛び出し、帽子は左右非対称でギザギザになり、東方のフランみたいだった触手はグロい赤紫に。笑い声も「ピャピャピャ…」というゲーム的な効果音から、「ヴァッヴァッヴァッヴァッヴァッヴァッ」みたいな何とも言えないホラー音に。この辺りは実際に聞かないとわからないと思う。

・当時僕は、友達と家に二人で集まって、マルクソウルが出てくる「真・格闘王への道」というボス連戦モードをどちらが先にクリアできるか競争していた。小二か小三くらいだと思う。

・高難易度連戦モードで満身創痍になりながら攻略を進め、何度もトライして先に着いたのは僕の方だった。そして待ち受けていたのが、先の、変わり果てたラスボスだった。ネタバレとかは全く踏んでいなかったので本当の衝撃。

・せっかく最終戦まで辿り着けたのだから、ここで負けて最初からやり直しとかは絶対に嫌だ。完全に狂った笑い声をあげながら滑空するマルクソウルの猛攻をなんとか回避する限界状況。それで、やっとのこと、マルクソウルを撃破すると……。




・おかしいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



・「裂けんの!?!?!?!?!?」と思いながら、やっとの思いでたどり着いた裏ボスの死に様を見届ける。ちなみにこの時、
「キィァィィァィィィァィィァィァィィ」みたいなエグすぎる断末魔をあげる。あと、当時は気づかなかったけど、徐々に体色が濃紫に染まっていくという悪趣味なグラデーションも入っているみたいだ。

・「さすがにこの後なんらかのエンディングが入ってオチがつくんだろうな……」と思って、ひとまずは冷静に画面が切り替わるのを待った。が、一切ない。裏ボスの死に様を見届けた後は、「優勝」というテロップと共に喜んでいるカービィとクリアタイムが表示されるだけ。


・当時の僕は、まだクリアしていない友達の横で「あれは一体なんだったんだ?」とひたすら混乱していた。そして、しばらく放心しながら「優勝」の文字を見て結論を出す。

・あの後に感動的なエンディングとか、まとめになるようなものは少しもなかった。ならばあの断末魔は、単純に人を嫌な気持ちにさせるためだけに用意された演出に違いない。当時の僕はそう考え、そしてそんな「演出」がこの世にあるということに衝撃を受けた。ホラーとかでもなく、単純に不快感を催すサイコ描写の存在をこの時知った。

・小二か小三くらいだったが、それでもこういう演出がかなりの「博打」であることはなんとなくわかっていた。子ども向けゲームの裏ボスが断末魔をあげながら爆発四散したら「問題作」になってしまうのではないか。少なくとも、インターネットを覗くと「みんなのトラウマ」という認定はされていた。

・それでも大の大人が損得勘定を見失って「こいつを活かすためにはこの演出をする必要がある」と考えたのだと思うと、ひどく興奮した。なんとなく、キャラクターの持つ魔力が作り手側に影響を与えたのだという気がして。メタフィクションが好きなのも、もしかしたらこれが由来なのかもしれない。

・ちなみに、マルクのファンはリメイク作で大幅な改変を加えられて不満が出なかったのか? という話。まぁ全然あったはあったと思うんですが、のちに『スマブラSPECIAL』の公式動画にて、生みの親である桜井政博さんが「本当はもっと怖くしたかったけどCEROの関係で削っていた」という裏話を言っていました。なので、マルクソウルはむしろ当時の意識を濃く受け継いだ存在だと考えた方が自然だったりはします。実際、スマブラにボスとしてゲスト出演した時のマルクはめちゃくちゃ怖い。

・こっわ…………。



・僕の辿るルートはこれ以来明確に変わったと言って全然いい。過言じゃない。以降はさすがに、能動的にオタクとして覚醒していたたと思う。だからオタクになったきっかけを挙げるならこれだ。

・ネットを漁りまくり、マルク戦のBGMにめちゃくちゃかっこいい歌詞をつけて歌ってみた動画やRemix、イラストなどに触れまくる。もう完璧なオタク。ブリハマチとか見てたし、あとなぜかマリオの腐向けウェスタンショーとかも見てた。これはなんでだ?

・前後関係はよく覚えていないけど、そのうちゆっくり実況にも出会い、それが遠因でYouTubeのオススメに出てきた「チルノのパーフェクトさんすう教室」を聴いた瞬間、僕の人生は完全に矯正不可能な歪みを獲得することに……。

・他に原体験としては、漫画ならなんでもよかった幼少期に藤子・F・不二雄短編集を読みまくっていたことも挙げられると思います。場合によってはそれもカウントするかもしれないけど、象徴的なのはこの二つだ。キリエロイドIIとマルクソウル。天使と道化師。は? かっこよ。



・というわけで、今日は趣向を変えて全然日記に関係ない話をしました。どうだったかな。どう思ったにせよたまにはこういうのがあってもいいなと感じています。

・ギリ、日記ぽいことを言ってまとめにしようかな。部屋の整理を頑張って、昔の中古ゲームを買いに行ったりしました。あと、『僕とロボコ』読んでる。めちゃくちゃ面白……。

・なりゆきで缶ジュースを6本買った。あまりにもあるので自転車のカゴに乗せて漕いでいる途中で実は全部中身が入ってないんじゃないかと思った。気持ち悪い。でも缶ジュースは大好き。

・ばかみたいに冷えたおしるこ缶は、この「なにかは出てくるぞ!」と書かれたふざけた地元の販売機から出てきた。「それがなんなのか」という好奇心を満たすためだけの等価として「80円」が設定されていてすごい。

・普通に売ると勝算がないからそうしているに違いないのに、80円なら買ってやってもいいか、と一瞬思ってしまう。買ったの僕じゃないけど。友人が買って、なぜかくれた。そういう日だった。

・どういう日?

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