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2022年7月18日 俺たちはリコリス・リコイルを諦めない

・リコリス・リコイルというアニメ、基本何も考えずに見られる構成なのに、各話に挿入される彼岸花モチーフのアイキャッチだけ急に"本物"になるのでビビる。今日は日記として書くことがないので、リコリス・リコイルの話しかしません。お好み焼き食べたい。


・dアニメストアの最新分で2話まで見た。今このアニメはめちゃくちゃウケてるんだけど、自分はかなり変な部類のアニメだと思っており、そしてその変さが妙に愛おしくなってきている。

・リコリス・リコイルは、殺し屋として治安維持のために活躍する女子高生部隊の「リコリス」が、なんかよくわかんないけど悪そうな組織(多分テロとかする)と戦う話(このあらすじはすげぇ適当に書いてます)。

・と言っても主題は統率された部隊にはなく、冒頭に主人公の井ノ上たきなさんが上司の命令に違反して任務遂行をはやったせいで部隊から左遷され、喫茶店で働くのんきながらも実力者なリコリスの先輩・錦木千束(もう一人の主人公)と出会うところから始まる百合バディものになっている。

・この主人公バディは仕事のポリシーで対立するんだけど、それがたいがいどっちもズレていて、この作品における結構シュールな持ち味になっている。が、「クールな合理性重視キャラと、ふざけてばかりだがやる時はやる人情味キャラが対立の末(たぶん)真の仲間になる」というフォーマットに沿ってはいるから、割と何も考えずに楽しく見られてしまうのだ。意図されてるのかわからないけどすごいことだと思う。


モブ1

・第2話で、モブのなんか悪そうな人たちがカイジの黒服よろしくグラサン長身コピペ男として登場していることなどに顕著なのだが、この作品の特徴は徹底的にノイズが排されていることだ。「話が進むと楽しい」という原初の喜びを下敷きに、百合とミリタリー要素とやたら多い流血描写で独特さを付与しているから、「『アニメあるある』やってるだけじゃん!」という不安も特になく話は進む。

モブ2
(ちょっとオイシイ役をもらっている)

・そもそも第1話から続く物語の導入としてあるのが、組織が銃の取引を壁面全部ガラス張りのビルでしていたところ、それが一般インスタグラマーの投稿に写りこんでしまって足がついたというものなので、あまり深く考えずに見るのが多分一番いい。最高にロックなアニメーションだぜ……。



・今のところ特に、主人公バディの片割れである井ノ上たきなさんが、クールな合理性重視ポジの割に思考回路がめちゃくちゃヤバくてビビる。


・依頼人を即決で囮にして敵に近づけた上で敵を射殺しようとするし、これをやる理由が「自分は射撃がうまいからいけると思った」しかなかったりする。その後、相方の千束さんに「囮なんて使わなくても作戦は成功させられるので、命を大切にしましょう(意訳)」と諭される。

先輩が仕事しているのを眺めている
井ノ上たきな



・その千束さんも千束さんで、敵キャラに実弾を三発くらい撃ち込んでから「今手当するから動かないでね〜」とその負傷体にワセリンを塗り始めたりしており、「人を撃つのは楽しいけど死なれると夢見が悪い」というタイプのサイコパスみたいになっていて怖い。それでも他のノイズの少なさにより全然物語が成り立っちゃってるので、力技と言う他ない(あと作画がめちゃくちゃ良い)。

このあと治す割には容赦がなさすぎる射撃
さすがのたきなさんもこの顔である


・こういうのをヤバとしてカウントすればいいのか単純に脚本の粗として判断すればいいのかわからなかったんだけど、Twitterを見ていたら二次創作イラストの合間合間に井ノ上たきなさんのヤバさを指摘する声を見つけて、「やっぱりそうだよね!?!?」と安心した。そしてよく見ると普通に、シナリオ上でも井ノ上たきなさんは「冷静そうに見えて実はヤバい人」として描かれてるっぽい。

・正確に言うなら、井ノ上たきなさんを明確に思い込みと行動力の化身として描写する向きは本編中にないんだけど、多分制作陣も含めて「なんかこいつやばいやつなんじゃないか?」と思っているような状態に見える。だからヤバが見え隠れするシーン自体はちょくちょく出てくるんだけど、それが「クールなやつなので仕方ないわな」で流される感じだ。

第一話冒頭で、人質のいるビルに
集中砲撃をキメる井ノ上たきなさん

・このシュールさを楽しむことが、演出上であらかじめ想定されているのかもしれない。テンプレクールキャラかと思いきやなんか異様に血気盛んなキラーマシンというスカしがキャラ描写として機能しているとともに、本編ではライブ感でゴリ押していく雑さがよくも悪くも存在しており、それが完全に唯一無二の味を出してしまっている。

・千束さんは普段こそ超適当な人間なので、基本的なパワーバランスはたきなさんのが上なのも、とことん見やすさに配慮されていて良い。そして、たきなさんはそれにつけては確実にめちゃくちゃイキって暴走するし、千束さんの方は実際それを抑えて全部丸く収められるレベルで強い。

・OPの、千束さんが井ノ上たきなさんの尻を軽〜く蹴ったら、たきなさんが信じらんないくらい踏み込んで全力で蹴り返すシーンが、この作品の全てを象徴していて好きすぎる。一やったら十やり返す女、それが井ノ上たきな。っしゃあ~~~~~~~!!!!!俺たちのリコリス・リコイルはこれからだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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