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公認会計士・CISAのCIA受験記録

2023年3月から6月にかけて、CIA(公認内部監査人)を受験し合格したため受験記録を残します。公認会計士かつCISA(公認情報システム監査人)という特殊な属性の受験であるため、多くの方の参考になるものではないと思いますが、自分用の備忘であるとともに、いずれかの資格に興味ある方の参考になれば幸いです。

CISA受験の際の記録はこちらの記事を参照ください。

各Partの知識と学習時間

CIAは3つのPartがあり、それぞれを受験・合格する必要があります。各Partの合格までの学習時間と、関連する学習済みの知識と経験については下記のとおりです。

  • Part1 内部監査に不可欠な要素(30時間)

    • 公認会計士

    • CISA

  • Part2 内部監査の実務(60時間)

    • 公認会計士

    • CISA

  • Part3 内部監査のためのビジネス知識(10時間)

    • 学士(経営学)

    • 会計修士(専門職)

    • 公認会計士

    • CISA

    • 基本情報技術者

使用教材

私はアビタスなどの資格学校は利用しなかったため、利用した教材は下記で全てです。

  • 内部監査基本テキスト〈第4版〉

    • 和書でCIA試験対応とされるのはこの書だけでしょうか。Part1,2が各200ページ、Part3が400ページで合計800ページほどにもなる重厚な書です。練習問題もついているので、ミニマムこの書だけで合格は目指せると思います。

    • 私はPart3の学習が終わったあとは本を真っ二つに割って、Part1,2だけ読めるようにしていました。

  • 専門職的実施の国際フレームワーク 2017年版

    • IIAのガイドラインを体系化したもので、公認会計士でいうところの監査基準集にあたるものです。CIAの学習において必ずしも要るものではありませんが、私は基準を直接読みたいタイプなので購入しました。

  • IIA公式模擬問題集

    • IIAが提供するWEBのトレーニングコンテンツです。全Partを購入するとIIA会員価格でも270ドルとお高いですが、本試験と同等の模擬問題を受けることができます。各Part2回受験でき、スコアレポートも提供されるため力試しとして最適です。日本語対応。

学習・受験の経過と感想

2023/3/11 CIA 模擬問題 – Part3 78%

まず模擬問題を受けて、開始時点の到達レベルを確認してから学習するようにします。Part1と2は相互に関連するため、独立して学習を進められるPart3を最初に受験することとしました。
Part3はビジネス・IT・会計の知識を問う非常に範囲の広い科目です。
模擬問題を解いたところ正答率78%と合格水準(75%)をすでに超えていたため、そのまま受験を申込しました。試験日まで内部監査基本テキストを1周読んでおきました。

2023/4/1 CIA 試験 – Part3 合格💮

無事Part3に合格しました。
経営学の学部生が学ぶ内容プラスαというイメージで、ビジネスパーソンの基礎教養を測るよい問題であると感じました。

2023/4/17 CIA 模擬問題 – Part1 66%

2023/4/19 CIA 模擬問題 – Part2 64%

Part1,2はそれぞれ内部監査の基礎と実践で、相互に知識が関連するため並行して学習します。学習開始時点の模擬試験正解率は66%,64%でした。合格には10%ポイント積み上げが必要です。
私は業務で外部監査を行っているため、内部監査人という組織人でありながら独立性のある専門職というポジションへのマインドセットの切り替えに多少苦労しました。
内部監査基本テキストを何周か読み、練習問題の失点したところを正答できるまで繰り返し回す対策をしていきます。

〜4月中旬から5月中旬は監査繁忙期のため手つかず〜

2023/5/27 CIA 模擬問題 – Part1 71%

2023/5/28 CIA 模擬問題 – Part2 72%

会計監査の繁忙期が明けたので学習を再開します。練習問題は一通り正答できるようになったので、Part1,2の模擬問題の2回目を受験しました。結果は71%,72%と合格水準である75%には及びませんでしたが、これくらいであれば直前の追い込みで間に合うと判断し、本番の受験申込をしました。

2023/6/6 CIA 試験 – Part1 合格💮

2023/6/10 CIA 試験 – Part2 合格💮

無事にPart1,2を合格することができました。
すべてのPartの受験を終えて、とくにPart2は難しいと感じました。監査の経験がない方にとってはなおさらではないでしょうか。Part1と2は一体で勉強して、監査のフレーミングをしっかりと体系化することが重要と感じました。

2023/7/1 実務経験証明提出📄

CIA登録には学部卒で2年、院卒は1年の実務証明が必要です。私は院卒であるため、外部監査1年の証明を職場の上長に依頼しました。
これですべての要件が揃いましたが、とくに反応はなく、いつ登録になるんだろ…?とちょっと不安になります。

2023/7/5 CIA認定🎉

実務証明から数日、ふいにメールでCIA認定の通知が届きました。これでCIA登録は無事完了です。

以上が私のCIA受験記録です。
CIAの勉強時間は300〜500時間が標準ともいわれます。私は100時間程で済んだため、公認会計士とCISAの学習経験があることでCIAの勉強時間を300時間くらい短縮できたのではないでしょうか。
CIAの受験を通じて監査の本質や、グローバル水準の監査実務を学ぶことができたと感じます。

次に目指す資格として、CISA,CIAと取得したためCFE(公認不正検査士)の学習もしてみたいと思っていますが、まずはより業務と生活に役立ちそうなところでCFPの取得を目指したいと思います!

最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事を書いている人

兎耳山ルカ

会計Vtuber/会計修士/公認会計士/公認情報システム監査人CISA/公認内部監査人CIA/AFP/G検定/元銀行員/大手監査法人でAIを用いた業務変革に取り組んでいました/メタバースやYouTubeにおいて会計の魅力を発信する会計Vtuberとして活動しています。
X: @TomiyamaLuca


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