見出し画像

清水翔太『風のように』を知らずに、クロノ・トリガー好きを自称していた反省文

ゲームが好き。Podcastが好き。だから、ゲームを語るPodcastをよく聴く。

評論家的な考察を含んだPodcastから、素人が好きなゲームについてダベっているPodcastまで両輪で楽しく聴いているが、その中の一つに「プレイステーション presents ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」というものがある。

ライムスター宇多丸さんが毎回ゲーム好きなゲストを迎え、ゲームについて自由に語る番組。元々は2022年3月まで6年間、TBSラジオで放送されていた番組が現在はSpotifyで聴くことができる。

6年分のアーカイブをゆっくりと消化しているのだが、先日、ゲストに清水翔太さんを迎えた回を聴いた。

過去にFPSにハマり無双していた頃の話などを交えながら、番組恒例の「マイベストゲーム」を聞かれると、「クロノ・トリガー 」と答えていた。

世界観、ストーリー、ゲームシステム、ゲームバランス、そして何よりも音楽が最高だという。

ここまではよくある話。マイベストゲームにクロノ・トリガー を挙げる人は多いだろう。なんせ週刊ファミ通が選ぶ「平成のゲーム 最高の1本」で1位に輝いた名作だ。何を隠そう、僕もマイベストゲームを聞かれたなら迷わずクロノ・トリガー を挙げる。

しかし、清水翔太さんが違っているのはここからだ。彼はご存知、シンガーソングライターである。なんと、クロノトリガーへの愛を抑えられず、ゲーム内BGMとして屈指の人気を誇る「風の憧憬」をサンプリングした楽曲を発表したらしい。

その名も「風のように」。

めっちゃいい。

サンプリングというか、そのまま「風の憧憬」の音を生かして、ビートとボーカルを乗せた編曲には原曲へのリスペクトをものすごく感じる。

Podcastではありがたいことに曲の世界観や歌詞のイメージについても語ってくれているのだが、やはり主人公・クロノとヒロイン・マール※の関係をイメージしたらしい。
※「いや、ヒロインはルッカだろ!」という議論はここでは避けたい。ビアンカvsフローラ論争と並ぶ永遠の問題だと思っている。

ただし、1箇所だけ、クロノとマールの文脈ではない歌詞を忍ばせているとも語っていた。その歌詞はサビの、

雨の中で 君を呼んでいる

風のように - 清水翔太 -

という部分。

ここだけは、明確にヌゥをイメージしているという。

そう、清水翔太さんも、当時の多くのプレイヤーがそうしたように、ストーリー中盤で訪れる原始時代、「狩りの森」で雨が降るのを待ち、何度も何度もヌゥを倒し技ポイントを貯めていたという。その想いを歌詞にせずにはいられなかったそうだ。しかもサビに使われている。

クロノ・トリガーのBGMの評価は高くサンプリングした曲を発表しているアーティストがいることは知っていたし、海外でも人気が高く同様のムーブメントがあることも知っていた。しかし、こんなにメジャーアーティストが、こんなにクロノ・トリガーへの愛と遊び心に満ちた楽曲を知らなかった。

自戒を込めて、書き残しておきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?