入試問題のAタイプとBタイプ

中学受験の入試問題の分類として某大手のS塾の言うところのAタイプ問題とBタイプ問題と言うものがありますね。

荒っぽく言えば
Aタイプ…知識系
Bタイプ…思考系

といったことになると思います。これに基礎、応用、発展のレベルが加わりますが、レベルについてはさておき、いわゆる中学受験入試問題をこのAタイプ、Bタイプで分類した場合、Aタイプ校かBタイプ校か、はたまたAB混合校かと、所謂難関大学合格実績とはあまり関係なさそうに見えます。

思考力重視の方針のもと、センター試験から共通テストに変更になり、来年の大学受験からは新課程が始まります。共通テストでは、例えば数学は某YouTuberに「数学の問題ではなくこれじゃ国語の問題だ」と言わしめた様に、問題文の長文化や会話文による設問が設けられました。

ここで、数学者の新井紀子さん著の「AI vs.教科書が読めない子どもたち」を思い出しました。読解力が何はなくても重要とのこと。まったくその通りだと私は思っています。

計算力は数学の問題の正解に辿り着くまでには無くてはならないスキルですが、そもそも問題文の内容が理解できなかったら、そのスキルを使うまでに至らないということですね。

読解力は当然数学に限らず他の科目でも同様に必要ですが、Bタイプ校に合格したから東大に合格するとかしないとかと言うことではなく、そもそも難関大学に多数合格者を輩出する学校には読解力のある生徒が沢山いるから進学実績が良くなっていると思われます。

前出の著書には読解力を高めるにはどうすれば良いのかわからない旨の記述があったかと思います。OECDが2022年に実施した学習到達度調査(PISA)によれば、日本は読解力において前回の15位から3位に躍進した様ですが、この要因の分析をしてもらいたいですね。コロナ禍に於いて、他国が落ちたのか、日本が上がったのか、或いはその両方か?少なくても、コロナ禍において読解力に各国大きな変動が生じているので、読解力を変動させる要因の分析が待たれるところです。

共通テスト数学の長文化は読解力を求めていると考えれば理解できます。何も読解力は国語だけで問う必要はありません。個人的には中学入試問題もBタイプにすれば良いと思ってますが、しかし中学受験はやっぱり月齢の影響が残っている上に、暗記を全否定するつもりもありませんし、コツコツ積み重ねて覚えることが出来るのも立派な能力なので難しいところですよね。年のせいか、一生懸命夜遅くまで頑張っているNマークのリュックの子供たちをみると目頭が熱くなることがあります。

どうすれば読解力が上がるのか?前述の著書によれば本を沢山読ませることとは必ずしも相関関係は見出せないようですね。

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