図1

ナンだかな日

風強いなか、いろいろな準備に追われている今日この頃。

明日の発表資料作りに精を出していたが、思い通りにいかない。自分の計画力のなさにほとほとあきれるばかり。大量生産の末に生み出されたキレ味の悪いナイフのような表現しかできないことが何とも情けない。

そんな日々の重さをいだくなか、癒しとなるのは異国の地。
今日も今日とてインドカレー屋へ行く。

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よく通っていたうどん屋が知らぬ間に看板を下ろしており、そのショックから衝動的に入ったお店。そこで食べた日替わりカレー(チキンと大根のカレー)に心を奪われてしまった。また、そこのインド人の兄ちゃんたちの声がとても心地よいのだ。

それから週2、3回通うようになり、ある日には「あなたとてもカレー好きね」と言われてしまった。赤面。

またある日には駅の階段で「あついけれど、おげんきですか」という声とともにハグされることも。赤面。

私にとっての癒しとは、異なりのなかにあるのかもしれない。「こんにちは」と言って日替わりカレーを注文し、艶美なMVを見ながらカレーを食べ、ナンをおかわりし、最後にホットチャイを飲む。帰るときにはもう、やさしい気持ちになっている。

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今日また訪れ、食を楽しんでいると、3歳くらいの男の子とその母親が店へやってきた。男の子は人生で初めてナンを食べるらしい。彼のナンデビューの瞬間を目撃した。

男の子は自分の胴くらいあるナンをつかんでちぎる。赤子のようにやわらかいナンは「あまずっぱくておいしい」との感想らしい。それがカレー屋の風景。

ナンだか興味深いものをみたなと思いつつ、ごちそうさまとともにお会計をすませる。

否、すませようと思ったけれど、用意していたはずの1,000円が見当たらない。否、1,000円だと思っていたけれど、それはこの前抜いた親知らずの領収証だった。そうして出たのは「…すみません」という残念な私の声のみ。

兄ちゃんは「だいじょうぶです」と言ってくれたが。後日お支払い致します故、何卒。

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何はともあれ、明日は関わっている研究会での発表がある。

そして来週からはGCでのAADが始まってしまう。こんなところでゲーゲー言っている暇はない。

ナンだかな日はナンである。
異国の食パワーを借りてでも、やり切るしかない。


(記:2018.6.14 A・K)


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