Sexual standard(セクシャル スタンダード)

タイトルをつけといて なんなのだけど きっと『Sexual standard』とは 造語かもしれないし そのモノ自体も 存在しないと思っている。

タイトルさん ごめん。

先日 翌日が休みということもあって いつも 御世話してもらっている お店を訪れていた。

同級生で 誕生日まで同じという 数奇な偶然にも程があるキャストがいるのだけれど 彼女は お子さんもいて 出勤が まちまちなので 連絡をして その日は 居ることを確認してから 会いに行った。

「ママ お邪魔します。」

「どうぞどうぞ。 スタンドの前 毎日 何回も通るから 暇人だと 思ってるでしょ?」

「ちょっとだけ。」

「思っとるんかい!」

お店のキャストから『総ツッコミ』を 受けて 受け止める ふゆほたるでした。

このお店のママさんは 私の勤めるガソリンスタンドでしか 給油をしない方なので 関係性や年齢差はあれど 既に『友人』のような感覚で いられるし いさせていただいている。

『クールビューティ』という単語が お似合いになる 筋の通った 気持ちの良い方なんです また これが。

ママさんの人柄紹介は さておき ここからが 本題。

長かったなぁ。

同級生のキャストと もう一人 私よりも 歳上のお姉さんの 三人で 話をしていた時のこと。

それぞれが経験した 危ない交遊録が 話題に上がった。

先ずは 同級生のキャストのターン。

「結婚する前に 居酒屋で 働いてた時のことなんだけど…」

いつも ふざけ合っていることの多い人物の 真面目な表情って 聞き入り度が 増してしまう。

「うちの店はさ 初めに注文を伺った人が その席を 担当するって システムだったのね。 しかもさ カウンターとかじゃなくて それぞれが『個室』みたいになってるわけよ。」

話しながら 笑い始めている 彼女の瞳を見詰めながら 言葉を待つ。

「ある時に『個室』だからさ 扉を開けて 注文受けるわけよ。 入った瞬間に 女性の方が 男性の手を握って 甘えてたの。 でさ めっちゃ 注文しながら 睨んでくるのよ!」

『邪魔しないでよ。』

そんな情景が浮かんできてしまった。

「しかもさ 注文行く度にだよ? 年齢とか 出身とか 睨みながら 聞いてくるの! こっちも仕事だから 行かないわけにいかないしさ…」

彼女も 相当 迷ったらしい。

そりゃあ そうだ。

そして 彼女に 決心させた 言葉が放たれた。

「その居酒屋の上層が ホテルだったわけさ。 それで『そこに部屋あるから 来ない?』って 誘われたの! 行ってたら やられてたかもしれない。」

「色々な意味でな。」

「確かに!」

明るく 流しはしたものの 一歩間違えれば ここで 彼女と こういう話は 出来なかったかもしれないと 考えると 回避してくれて よかったなぁと 感じていた。

お姉さんは 恥ずかしがり屋さんなので 色々 あったのかもしれないが 無粋な真似だけは したくないので 今回は 聞き役に 回ってもらうことに してもらった。

そして 私のターン。

「わいさ 一回だけ 同性同士で してしまいそうな シチュエーションに なりかけたことがあってさ。」

もう かれこれ 10年くらい前の話なので 記憶が曖昧な部分もあったが 絞りだしながら 話していた。

「どっちサイドだったの?」

「わいは 受け止める方を 希望されたんだけど 若さと恥ずかしさが あったんだろうな…断ったのよ。」

未開の地に 踏み入る勇気も理由も まだ 見つけられては いない。

これからも 望んで 欲しがることはないでしょう。

「受け止めてもらうサイドになった時に 然るべき 機器と処理をしてくれるのであれば 協力しますよって 了承を得て ご満足いただいて それから 何もないまま 終わった。」

でも この経験をしてから 気付いたことがある。

『喜んでくれるって 嬉しいな。』

今は セクシャルなお話の一端なので エロく見えて仕方ないが それ以外の 日常生活に於いても 同様の感覚が 存在する。

好きな人の 好きな料理に チャレンジしてみる。

相手の苦手なことを 協力しながら 乗り越える。

そんな感覚を 嬉しく思う自分が在ることを 教えてくれたと 本気で 思っている。

「多分さ 日本って まだまだ セクシャルな部分に関して 頑固なんだよな。 好きになった相手が たまたま『異性』だと 何も言わないのに『同性』だと なんやかんや 言うじゃん? 関係ないのにな。 だってさ 好きになるのは どうしようもないことだからさ。」

ここから 同級生のキャストが 補強してくれた。

「そうだし『結婚』も 良い例よ。 好き同士の男女は そうするべきなんじゃないっていう 謎の風潮 まだまだ 根強いし『異性』同士の『結婚』は 歓迎されるけど『同性』同士の結婚には 否定的だしさぁ…遅いんだって この国は 色々と。」

『ねぇ~。』

最後は 三人で 声を合わせて 染々 唸ってしまった。

そもそも『正解』なんて言葉はないし 意味を成さない。

『正解』だと 信じ抜いたモノにだけ『意味』は灯る。

目の前にある『信じ抜きたい存在』を 精一杯 愛していけたなら。

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