Dream town(ドリーム タウン)

この町には 希望が満ちる。

悲しい顔をしているのは 夜空くらいのもんで。

街を闊歩する人々は にこやかにすれ違うばかり。

ここにあるのは『欲望』ではなく『純粋たる願いと望み』。

だから みんなが みんなで 応援しあっている。

各々が その人に対して出来る 精一杯をする。

無敵の援護部隊なのだ。

「明日 ここで歌いたいんだ。」

何気無い一言は いつの間にやら『鶴の一声』に変化して 明日の朝には ショーステージの出来上がり。

そして その歌声に 耳を傾けながら それぞれが想いに耽る。

心地好いサウンドと歌声に 瞳を閉じて 微笑みで自らを満たしながら。

その歌声は『本気』になってしまう。

だって このステージを造ってくれたのは 昨日 その場にいただけの『建築士さん』と『その仲間達』だし 機材を準備してくれたのは この前 たまたま バーで隣り合わせただけの『バンドマンさん』と『バンドメンバー』なのだから。

中途半端じゃないからこそ みんな『本気』で笑って『本気』で協力する。

お互いが相乗効果であることを 心底で理解せざるを得ないから。

このライブを終えてから 私は『歌手』としての道を歩み始めた。

それは この『Dream town』に凱旋する為。

みんなを満たして 自分も満たすという 最上位の謝礼をしたいから。

今度 早速 ショーステージを造ってくれた『建築士さん』から 言われたんだ。

「うちのテーマソングを 君に託したい。」

繋がり始めた 一筋の線は 途切れることを知らないまま どこまで いくのだろう。

今 隣で飲んでる『あなた』も 聞いてしまった時点で 一筋の線の一部だからね?

ほら また繋がった。

どこまでもいこう。

初めて行く場所さえも『Dream town』に出来るように。

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