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アフリカ布が女性を強くする

アフリカ布と聞いて、あなたは何を想像しますか?

アフリカ布は、アフリカらしい大自然をおもわせる明るい色使い、動物やフルーツなどのユニーク柄など、大胆なデザインが特徴の布です。日本でも、最近はアフリカ布のスカートや小物の人気がでているので、あなたもイメージしやすいのではないでしょうか。

タンザニアで人気のあるアフリカ布は「キテンゲ」とよばれるもの。

タンザニアの女性たちは、このキテンゲのワンピースをとってもすてきに着こなしています。色が鮮やかなキテンゲを着た彼女たちが町を歩く様子は、まるでファッションショーのようです。布の明るい色とタンザニア人女性の肌の色のコントラストがとても美しいのです。

まだ女性の社会的立場が弱いタンザニアでは、このアフリカ布は、女性の味方のような役割も担っています。

タンザニアの女性に聞いた、日本ではあまり知られていない「アフリカ布」と「女性」の関係についてご紹介します。

まだまだ低い女性の社会的地位

あなたのイメージ通りかもしれませんが、タンザニアでの女性の社会的地位は今も低いままです。2022年にはタンザニアで初めて、女性の大統領が誕生しました。こんな歴史的な出来事があっても、女性の地位向上はあまり改善されていないと、タンザニアの女性たちは指摘します。

女性の仕事の機会は限られているタンザニア社会。また、家庭内暴力や夫の不倫に苦しむ女性も多いようですが、離婚しては食べていけないため、しかたなく結婚関係を続ける女性も多いのです。

タンザニアでは「女性は家にいて、家事と育児をするべきである」という価値観が今も主流となっています。タンザニア人の知人は「料理ができないタンザニア人女性は結婚できないよ」と苦笑いします。

ただの派手な布ではない

アフリカ布は、こういった社会的に弱い立場の女性たちを一致団結させる力を持っています。

クリスマスなどの特別なイベントでは、大勢の女性がアフリカ布で作ったおそろいの服を着て、仲間意識を強めることがよくあります。これは、女性たちが団結していると主張する意味があります。アフリカ布を仲間と一緒に着用することで、女性たちの自尊心が育つと言います。

少女の時からアフリカ布とともに育つ

タンザニアの女の子は、5~6才くらいになると、母親から初めてのアフリカ布をプレゼントされます。すてきな女性に育つようにとの親の熱い想いを込めたこの布を、少女たちは大切にしながら成長していきます。

女性が出産する時の必需品でもあるのがこのアフリカ布。子供を産むために入院する時には、女性は必ず特別なアフリカ布を1枚カバンにしのばせます。赤ちゃんが生まれた時に、最初にこの新しい命をつつむのは、このアフリカ布です。

さらに、タンザニアの女性のカバンの中身をチェックしたら、かならずアフリカ布が1枚は入っています。出かけた先で飲み物をこぼした時に拭いたり、またはクーラーの強い部屋で体をカバーするため、肌の露出を避けるための覆い用に、など用途はさまざま。

アフリカ布は、女性にとって切っても切り離せない大切な存在です。

まとめ

タンザニアの生活のあちこちで目にするアフリカ布。タンザニア人女性にとっては、ただの「きれいな色の布」以上に意味のある存在です。

まだまだ女性が平等に扱われないこの国で、アフリカ布は、女性に寄り添う応援者の役割を果たしています。

日本でアフリカ布を目にする機会があったら、ぜひ、この布によって勇気を得ているアフリカの女性のことを思い出してほしいです。

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