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MRRの真の定義とは? 〜間違って理解しているかもしれません〜

MRR(Monthly Recurring Revenue)とは言葉通り訳すると月間定期売上ですが、日本語では一般的に「月間経常収益」と表記されます。簡単にいえば、SaaSやサブスクリプションモデルのビジネスで定額課金で発生した月額分の売上です。ですので、このMRRの中に、初期費用などの一回払いの売上は含まれません。では、なぜこのMRRは、SaaS企業やサブスクリプション企業で通常的に使用される重要なメトリック(指標)の一つになったのでしょうか?

MRRの定義と注意すべきポイント

MRRは、さまざまな料金プランと請求期間を1つの一貫した数値に平均化して、時間の経過に伴うビジネスの傾向を追跡できるようにする方法であります。いまの表現をよ〜くみてください。
「平均化」や「傾向」と言われたら、少し疑問に思う人も出るかも知れません。MRRは月次売上のうち月額課金分の売上と思ってしまうと大間違いです。お客様からなぜMRRが自分が集計した売上と違っていて、BaremetricsのMRR計算が可笑しいと訴えてくることが時々ありますが、MRRは財務会計上の売上ではありません。

売上の「継続性」が概念の出発点

会計では、よく財務会計、税務会計、管理会計などのいろんな手法があると言われていますが、MRRは管理会計の一つだと理解してください。一般的な財務会計とはどのように違うかと言うと、財務会計の売上は、実現主義や発生主義など複雑な基準はありますが、理解のため極めて簡単に纏めると、お客様に請求した課金額みたいなものです。それに対し、MRRは、確かにお客様に請求した課金額ではありますが、そこに一点条件があり、これからもずっと払い続けてくれるお客様からの売上のみがMRRに相当します。ここで、財務会計との大きな差が出てしまいます。
例えば、中途解約になったいわゆる離脱(Churn)顧客は、その月度もしくは年度の課金額が残っていても、MRR計算からは直ちに除外されます。

投資家観点もしくは企業価値重視で生まれたマネジメント手法

なぜ「継続性」がMRRの大事なポイントになるかと言いますと、SaaSやサブスクビジネスで重要なのは、今の瞬間を撮ったスナップショットのような売上ではなく、これからも払い続けることができるお客様からの売上であることです。一般的な会社...........

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