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週末観た映画まとめ

『Girl/ガール』
 ベルギーの新星ルーカス・ドン監督が、バレリーナを夢見るトランスジェンダーの15歳の少女の成長と葛藤を描いたドラマ。前提として、クラシック・バレエは男か女かの過酷な二元論の世界であるということ。そのうえで身体は男、性自認は女であることを15歳にして公表し奮闘する主人公ララと、そのモデルとなった実在の少女ノラの強さは憧憬に値する。口数の少ないララにカメラがぴったりと寄り添うあたりは、『暁に祈れ』『アリー/スター誕生』『ファースト・マン』的です。ホルモン療法への希望、変化の訪れない身体への焦りを親子で共有しているというのも素晴らしい。そして張り裂けんばかりの変身への欲求がつくり出す非常に切実で鮮烈なラスト。文字通り「痛切」。前に座っていたおじさんが思わず手で顔を覆っていました。おすすめです。

『アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』
 不勉強にも今作が続編であることを知らずに観に行き、冒頭5分くらいして「あ、これ続編なんだ!昨日twitterで同時再生祭やってたのは1作目のBlu-ray出てたからなんだ!」と思い知りました(なんてこった)。ジョークが分かる大人には最高の娯楽映画だったと思います。社会の下層で貧しい暮らしを強いられる人が大半な一方、巨万の富を独占する大企業と、その偉業を信奉する(バカな)フォロワーがいるという構図が面白可笑しくて。あとなぜか恐竜が出てきましたね。『神と共に 第2章:因と縁』でもなぜかジュラワのパロディがあって、何故?!となりましたが。神共2、とくに3人の使者たちを結びつける因縁については小説とかマンガとかスピンオフ作品で十分だったと思っています。神共では地獄が観たいのであって韓流時代劇は他で足りるし。マ・ドンソクは強くないし。ユニバース化が決定したアイアン・スカイシリーズは現在"The Ark/ The Iron Sky Story"を製作中だとか。神と共にも『閻魔/神と共に外伝』とか『ソンジュ神/神と共に外伝』とか『ヘウォンメク/白い山猫』とか作ってほしいですね。

『ハッピー・デス・デイ』
 最高でしたよ!!ハッピー・デス・デイが!!誕生日の夜に何者かに殺された素行不良のギャルビッチが、「殺される誕生日」を何度も繰り返して、犯人を追い詰めていくコメディホラー。タイムループものが一定の面白さが保証されているとはいえ、その見せ方のテンポとか、死の恐怖と生の喜びが共存する不謹慎さとか。96分間まったく飽きさせない手数の多さと見事な捌き。そこから何か教訓的なものが、引き出されるのか・・・と思ったらそのちゃぶ台をひっくり返すもう一展開。これ都内で一館しか上映してないのもったいなさすぎる!最高に笑えるアッパーホラーです。ぜひ!ぜひ!!!

『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』
 ピカチュウ・ザ・ムービーを劇場で観るのははじめてでした。ポケモンはマナフィからD&P期の劇場版をテレビで観ていた程度(あと小学館の雑誌のポケモンスタンプを集めていた・・・)。門外漢も甚だしいですが、そんな僕でも98年の『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』を3DCGでリメイクしたその意味はいくつか理屈付けられるのかな、と。原点回帰、懐古趣味の流れとしての『ミュウツーの逆襲』のリメイクという点。また今年5月に『名探偵ピカチュウ』が公開され、3DCGのポケモンの完成度が高く、そしてかわいく、一般に広く受け入れられた点。そしてスイッチで展開される完全新作『ポケットモンスター ソード・シールド』が、3DSとは比較にならないほど3DCGでの映像的語りを可能にしている点。さらに『ミュウツーの逆襲』のリメイクという行為が、劇中でミュウからミュウツーが作られたことと相似形を成す点などなど。以上のような位置づけになるEVOLUTIONですが、じゃあ実際出来た作品の内容はどうだったかというと、ほぼオリジナルの完コピ。3DCGにトレースしました!以上!感想「無」!むしろオリジナルでさえ、そんなに持ち上げられるほど「名作」ではなかったなあ、と謎のマイナス評価さえ与えてしまう損な結果でした。ポケモン好きな人の感想をきいてみたいなあ!

『トイ・ストーリー4』
 日本で公開されるや賛否両論を巻き起こしている問題作。4を観て、僕は自分の違和感が明らかになりました。1~3への根本的な違和感。それは「誰かの所有物であるおもちゃの話を、誰の所有物でもない人間に語って、何か意味があるのか」ということ。当たり前ですが、僕にはアンディやモリ―のような仕えるべきご主人様がいないので、ご主人様に仕え、その愛を一身に受けることが唯一無二の幸せであり正義であるというテーゼには共感しえなかった。ウッディたちは自由意志を持った、人間とほぼ同じ存在であり、その幸せは多種多様で、好きに追及して行っていいじゃないか!!ご主人様の愛がおもちゃにとっての幸せだと主張するなら、おもちゃに人格を持たせるなよ!!残酷だろ!!と書いて怒ってしまいましたが。もちろん、1とか3とかすごい好きですけどね。観てて楽しいですが。
 持ち主=他者からの愛を受けないと、自分自身を愛することができないウッディは、『シュガー・ラッシュ:オンライン』のラルフであり、考えが古く変化に弱い男に対して柔軟に変わり生き残れるボーは『アリー/スター誕生』でのアリーと同じ描かれ方でした。やはり羽ばたく女・とどまる男の話をしている。と同時に、生まれながらにして欠陥を持ち、子どもに愛されることが一度も叶わなかったおもちゃ、ギャビーギャビーも登場させて、愛を渇望し愛で満たされる幸せにも耽美なものとして価値を置いています。おもちゃの多様な幸せを認めたことで、やっと人格を持った存在に値する物語になったなと。何度でも観たい傑作です。

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そよ風ヨーグルト

大学生の自由研究ノート。 最新映画についてよく書きます
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