Note用ごりっぱ樣

自信を持つには

【ものすごく長文です。読まないでね^^;】
---------------------------------------------------------------
たくさんの事象をそれぞれ柔らかく描いてくれている映画なので、
その感想はさまざまだと思います。映画「描きたい、が止まらない」。

僕が映画で最初に胸打たれたのは
主人公古久保くんの「自信」でした。

自信、といっても
アブラギッシュな感じのものではなく
 「自分自身から出てくるものを、
  ワクワクしながら、厳しい目で
  不安も含めて、まるごと見つめてる」という感じ。

まさに【自分(の表現)を信じて、自分に驚かしてもらいたくて待ってる】感じの職人さんっぽい自信。

自閉症ということもあり
小さい頃はやはりコミュニケーションが難しかったと
お父さんも話しておられました。

古久保くんの
どこか上品で、ひょうきんで、優しいキャラクターも
彼の自信から生まれる余裕みたいなものが関係してる気がする、
と感じました。

自信って一体
どこから来るのかなぁ。
---------------------------------------------------------------
話変わって、
僕はナレーター学校で
14年以上講師を担当させていただいています。

そこでは多くの新人が
自信が持てないことが原因で
ちょっとした一歩を踏み出せない悩みを持っています。

なんとか自信を持ってもらいたくて
あの手この手で話すのですが

これまでは、恩師が教えてくださっていたことが
僕自身にも強い共感があったため納得の上で
「自信とは後ろ指を指された数です。後ろ指さされていきましょう」と、
受け売りのまま教えてきたのですが
なぜか反応が少し悪く、もどかしい気持ちを感じていました。

「後ろ指を指されましょう」は決して間違ってないけど、
あくまで「結果の一つ」ですから
僕と似た性格(いけいけどんどん系の)人にしか
ピンときてもらいづらいのかもしれないなぁと感じておりまして

そんな中
昨年の夏ごろでしたか
山崎ナオコーラさんのエッセイ『自信を持つには』
https://43mono.com/series/busu_jishin/jishin11/
を読んで、そうだよなぁ‥‥と納得したのです。

要約すると「積み重ねてきたものが自信」というもので

抜粋では
「何かを継続していることで、自信というものは湧いてくる」

「たとえ売れたり評価されたりしたところで自信が持てるわけではない」

「批判やバッシングで付けられた傷はなくなったときに治るわけではない。
 他人からの賞賛や拍手によって回復できるわけでもない。
 おそらく、自分の行った努力だけが、自分を助けてくれる。
 自分が目標を定め、自分が努力をして、
 それを自分が認識したときに治る。
 自分だけが、自分の自信を回復できるのだ」

「自信に、周囲の反応や、見返りは関係ない。
 自分で決めたことを、自分が続けているという感覚が自信に繋がる」

上記の山崎ナオコーラさんのツイートをリツイートしたら、
生徒からはツイッターでの反応は何もありませんでしたが
会えば「あのコラム教えてくださってありがとう」と多くの人が話してくれました。

刺さる内容だったのだと思います

---------------------------------------------------------------
自信、と言われてついイメージしがちな
「恐怖を裏返したような圧迫感あるもの」や
「俺は俺です勝手にやります、と断絶感あるもの」などは
他者を引き込んでおきながら、うそぶいてコミュニケーションを破棄し、
その無法っぷりを見せつける「自信風のもの」でしかありません。

一方で

古久保くんから感じる「自信」は
他者は特に必要としてないっぽいけど、断絶もしてない感じ。
というか、
そもそも表現することに、
そういった軸は最初から置いてないんだろうなぁと伝わってきます。

彼は、今でこそ世界レベルで注目されているので
「賞もらったらそりゃ自信持てるよね」と
考えてしまうかもしれませんが

ナオコーラさんのいう通り、
評価も批判も「自信とは直接は繋がらない」と考えてみたとき

古久保くんは賞をもらう「もっと以前から」、
たくさんの絵を書いてたんだもんなぁと思いました。

10メートルのサイズのキャンバスに
あの数ミリ単位の書き込みを
毎日毎日6年もかけて、続けてきたんだもん。

その積み重ねは
当然、他者の胸を圧倒するし

なによりも自分でも自分にびっくりするだろうなあと思うのです。
そうして、
驚かしてくる方の自分を、驚かされた方の自分が、信じてあげられるようになっていったんじゃないかなぁ。

自分を信じられたら
自分から出た表現をもっと楽しめるだろうし

楽しんでれば
他者の評価云々は、
ブラウザでいえば「別のウィンドウ」で開けるようになるだろうし

古久保くんから
暖かいエネルギーを感じられるのは、
そういうことなんじゃないかなぁと思いました。

振り返ってみれば
僕自信は、ボイスサンプル作りに、ある程度の自信があります。
自分の作品に不安がないわけではないけど、
作りながらどうなっていくか自分でもわかってないことが多いので
ワクワクの方に興味が惹かれてしまう、という感じです。
これも、
前の職場でそれができる機会と立場を与えていただけていたので
「数を作ってこれたから」だと思います

---------------------------------------------------------------
話があっちゃこっちゃ行って申し訳ないんですけど
そんなわけで

ナレーションに自信を持ちたければ
「積み重ねること」
が最適なのかなと思います。

褒められるから怒られたから、とか
養成所の題目だから、とか
「やらされた感」で
仕方なくやったことでなくて

小さなことでいいから
「自分で決めたことを、自分の努力で継続する」
ことなんじゃないかなと思います

---------------------------------------------------------------

自分に自信が持ちたい人。
自分の表現に楽しさを見出したい人。

映画「描きたい、が止まらない」
おすすめです。

僕もいくつかの継続を、はじめてみます^^;


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?