深田ともふみ

福岡県出身⇒外資系戦略コンサル2社⇒ITベンチャー起業⇒コンサル会社代表。 仕事のヒン…

深田ともふみ

福岡県出身⇒外資系戦略コンサル2社⇒ITベンチャー起業⇒コンサル会社代表。 仕事のヒントやスキルアップ系+最近は教育関連も発信しています。 大学やUdemyで講座も持っています。

最近の記事

外資コンサルに学ぶ:会議での発言スキルを育てる方法

会議で発言しない人間はノー・バリュー? 外資系コンサルティング会社の特徴を表す逸話として、入社したばかりの新人コンサルが先輩コンサルに「会議で発言しない人間には存在価値がない。今後、会議で発言しないのであれば出なくてよい」という洗礼(?)を受ける話が良く出てきます。 「会議に出席した以上は発言しろ(バリューを出せ)」というのは外資系コンサル共通の価値観ですが、「何でもかんでも発言しろ」と言うことでもありません。そのあたりを今回解説したいと思います。 新人コンサルに求め

    • 教育の未来への挑戦:生成系AIと学生との対話を促すレポート課題(続編)

      以前出したレポート課題の反省を生かして、別の講義でも課題を出してみました。今回はその報告です。 AIと現代教育の交差点近年、AIの進歩は目覚ましく、その影響は幅広い分野に広がっています。 特に教育界においては、教材の作成から授業の進行、採点に至るまで、様々な部分でAIの力が活用されています。 生成系AIはその一例で、自然言語生成技術を基に文章を生成することが可能です。これにより、既存の情報をもとに新たな文章やアイディアを生成することが可能となり、教育の分野でもその力が試さ

      • ラストマンシップ:会社の命運を分けるもの

        取引先や自分の会社の将来性を推測する方法はいくつかあります。 例えば、現場が「この件は自分に全責任がある」という覚悟で最後までやり抜ける会社は強いです。 この「自分のところでこの問題を解決する」という気概のようなものを「ラストマンシップ」と私は呼んでいます。 経営者であれば誰しも持っているはずですが、役員、部長、課長、メンバー・・・と降りて行くに従って通常は薄れて行きます。だからこそ、現場がラストマンシップを持っている会社は貴重です。 その逆は、責任のたらい回しです。大企業

        • 教育の未来への挑戦:生成系AIと学生との対話を促すレポート課題

          前にこんな記事を書きました。今回はその実践編です。 生成系AIを教育の現場でどう生かすか?AI技術が社会のあらゆる側面に浸透してきている現在、教育の現場でもその影響は否応なく感じられます。特に、生成系AIのインパクトとポテンシャルは凄まじいものがあります。 生成系AIは、人間のような自然なテキストを生成する能力を持つAIの一種です。これは、問題解決からエッセイの作成、さらには詩の創作まで、様々なタスクを高い品質で行う能力があります。 一方、大学をはじめとする教育機関の中で

        外資コンサルに学ぶ:会議での発言スキルを育てる方法

          教育の未来を考える:大学教育における生成系AIの是非は?

          はじめに 生成系AIは今後、学習をはじめとする日常生活や業務の多くの場面で重要なツールとなり、その使いこなし方が評価されるようになるでしょう。 ここで大切なのは、そのツールを「何のために」使うかという点です。 ここで、2つのケースを考えてみましょう。 ケースAは、「少ない労力で質が高い成果物を出す」ことが目的なので、恐らく推奨されるアプローチだと思います。 しかしBの場合は、「自分の頭で理解していることを確認する」ことが目的なので、たとえバレなかったとしても不適切な使い

          教育の未来を考える:大学教育における生成系AIの是非は?

          未来を拓く人事戦略:人的資本経営によるビジネス成長

          資本とはなにか ビジネス(事業)を始めるには資本が必要です。 この資本は、投資家から集めたお金や自己資金といった形で拠出され、これを元手に様々な経営資源を調達します。 工場、生産機械、原材料などが経営資源の一例であり、人材もまた従来の考え方ではこれに含まれます。 事業家は、資本を使って商品やサービスを開発・生産し、顧客に販売することで利益を得ます。そして、得られた利益は再投資に回され、ビジネスをさらに拡大していく・・・というのが一般的な流れです。 人材は消耗品か? 経

          未来を拓く人事戦略:人的資本経営によるビジネス成長

          ビジネス分析マスターへの道: 仮説検証アプローチで精度とスピードを手に入れる

          はじめに ビジネスパーソンにとって、ビジネス分析は成功への道を切り開く重要なツールです。複雑なビジネス環境においては、毎日多くの課題や意思決定に直面します。それらを適切に解決・実行するためには、ビジネス分析が欠かせません。 この領域には様々なアプローチがありますが、その中でも「仮説検証アプローチ」は非常に強力なツールです。 ビジネス分析とアカデミック分析の違い ビジネス分析とアカデミック分析は、目的やアプローチが全く異なります。 ビジネス分析の主な目的は、ビジネス上の

          ビジネス分析マスターへの道: 仮説検証アプローチで精度とスピードを手に入れる

          AIがデザインする:3日間でイーロン・マスクを育てる最強プログラム

          イーロン・マスクをどうやって「つくる」のか? イーロン・マスクは、現代社会における最も影響力のある起業家の一人として広く知られています。 Teslaでの電気自動車の革新やSpaceXでの再利用可能なロケットの開発を通じて、既存の産業構造を塗り替え、人類の未来像を大きく変えてきました。 さらに、彼のビジョナリーとしての思考は、ソーラーエネルギーや高速トランスポート(Hyperloop)など、さまざまな分野での革新的なイニシアチブを生み出しています。 最近では、Twitter

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          博士課程学生の就職ストラテジー(続)

          この記事の続編です。 企業研究者の道(続) 研究開発予算が潤沢にあるのは大企業ですが、あえて中堅・中小企業を狙うのもよいと思います。 前回の記事で「国内市場は縮小している」と書きましたが、その中でも成長している領域に目を付けて業績を伸ばしている企業があります。 ニッチな領域では大企業を凌ぐ研究開発力や市場シェアを持っている会社も珍しくありません。半導体業界が典型です。 研究全体から製品開発、場合によってはその先の流通や営業、経営まで見られるのも中堅・中小企業の面白さで

          博士課程学生の就職ストラテジー(続)

          博士課程学生の就職ストラテジー

          少し前にこんな記事を書きました。 問題提起だけでは味気ないので、「自分が現在、博士課程に在籍している学生だったらどうするか」という観点で少し考えてみます。 前提:国内博士号取得者を取り巻く状況 冒頭でご紹介した記事に、「日本の博士号は企業目線で相応の価値を認められていない」と書きました。 また、日本という国全体の成長鈍化で科研費は頭打ちとなり、大学のポストは限られています。 少子化の影響もあって大学がどんどん統廃合されているので、むしろこれから国内の研究職ポストはどん

          博士課程学生の就職ストラテジー

          日米の大学研究の違いから考える、産学連携の課題と可能性

          前回記事の続きです。 日本の産学連携はうまく行くのか? 日米の違いはスタイルの違いに過ぎず、一概にどちらが良いとか悪いと言えるものではありません。 日本のスタイルもよい面もあり、実際に基礎科学を中心に米国より先行している分野もあります。 一面だけを切り取ってああだこうだと議論をするのは軽薄かもしれません。 でも、日本の大学を取り巻く環境は年々厳しくなっています。 日本のGDPは頭打ちで、これまで大学の研究を支えていた科研費の「原資」は先細りです。 文部科学省は以前から

          日米の大学研究の違いから考える、産学連携の課題と可能性

          日本ではなぜ、博士号に市場価値がないのか?

          なぜ博士号取得者は歓迎されないのか? 企業の研究職に就く場合、修士号は標準的な水準として機能しているように思います。 しかし、「博士号まで必要か」というと、そうは考えていない企業が多いのではないでしょうか。 それは、「博士課程で学ぶ3年」と「就職してOJTで鍛える3年」を比較した場合、後者の方が企業研究者としての能力が上がるからです。 ※逆に、「修士課程で学ぶ2年」は「就職してOJTで鍛える2年」より価値があると思われていることになります。学部で研究できる半年程度ではトレ

          日本ではなぜ、博士号に市場価値がないのか?

          大学進学率は高い方がよいのか?:国際比較データと各国の教育制度からの考察

          「日本の大学進学率はOECD諸国に比べて低い!上げなくては!」というトーンの主張をみかけることがあります。 でも、それは違うと私は思っています。 下図は、文部科学省が出しているOECD諸国の大学進学率のデータです。(2010年) これを見ると、日本の大学進学率は50%程度で、諸外国に比べると低いように読めます。 もうひとつデータを示します。これも文部科学省が出している資料で、18歳人口の進学率推移です。 OECD統計の「大学」には含まれない専門学校等を含めると、8割超が高

          大学進学率は高い方がよいのか?:国際比較データと各国の教育制度からの考察

          組織文化を理解する

          組織文化とは、ある組織の中で「良し」とされる行動パターンや価値観、思考様式のことです。 その組織に特有のものであり、メンバーの言動に影響を及ぼします。 私自身、経営者やコンサルタントとして様々な組織にかかわってきました。その経験の中で見聞きしたことをベースに、組織文化が持っている特徴や機能について、これからご紹介したいと思います。 ① 良し悪しではない組織文化は、組織の性格・個性であり、一概に「良い、悪い」と判断できるものではありません。 例えば、「決められた手順や規則に

          組織文化を理解する

          リモートで効率的にマネジメントするには?

          リモートワークでのマネジメントがなぜ難しいのか? それは・・・ ① メンバー各人に ② 何をどう依頼すれば(インプット) ③ どれぐらいの時間で(待ち時間) ④ どれぐらいのモノが出て来るか(アウトプット) を把握できていないからです。 (例えは適切ではないかもしれませんが)ある工場で、 ① ある機械に ② どの原料をどんな状態で投入し(インプット) ③ どれぐらい待てば(待ち時間) ④ どんな品質のものが出て来るか(アウトプット) がわからないと、生産管理ができな

          リモートで効率的にマネジメントするには?

          大学教育における単位認定基準の不思議

          大学の仕事もしている関係で、「大学の単位認定基準」について調べる機会がありました。 学生時代は全く意識しなかったのですが、改めて知ると「??」と思ってしまいました。 大学の単位認定基準は?大学の単位は、「45時間の学習で1単位を認定すること」が基準です。 この45時間のうち、授業時間は「15~30時間の間で学校が任意に定めてよい」ということになっており、例えば(最低ラインの)15時間を授業に充てると、事前学習15時間+授業15時間+事後学習15時間=45時間がモデルケース

          大学教育における単位認定基準の不思議