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「人から褒められる」という経験は、人生を変える力があるかもしれない。

写真って楽しい!」とはじめて思ったのは、高校2年生。

3週間のホームステイで、友人たちとオーストラリアへ行ったとき。

日本から約6800km。「はじめまして」な家族と暮らす時間。父から借りたCASIOのコンデジ「EX-Z1000」で撮りまくった。

高校の授業の一環だけど、校則なんて関係ない、自由な時間。

ボケててもブレてても気にしない。楽しすぎてそんなこと構ってらんない。3週間のタイムリミットの中でまいにちたくさんの写真を撮った。

帰国して、両親に写真を見せると父が言った。

「お前、なかなか写真うまいじゃん」

いままで「写真」を褒められた経験なんてなかったので、「おっ、そうか?」と恥ずかしく、ちょっと嬉しかった。別にうまくもなんともなかったんだろうけど。

次に写真を褒められたのは大学2年のとき。
またもや海外。今度は大学の海外研修(という名の旅行)でヨーロッパだ。

このとき使ってたカメラはなんだったかなぁ。すっかり忘れてしまった。

はじめての国。絵になる町並み、楽しい時間。また、上手いとか下手とか気にせず撮りまくった。

帰宅して写真を見せたらまた父にいわれた。

「お前、写真うまいじゃん」。

たしかこの写真だった気がする。

なんてことない写真。父からすれば、息子が写真を見せてきたことに相槌を打っただけだろうと思う。

とにかく写真を褒められたおかげで、僕は「写真うまいんじゃね?」と実体がない勘違いをし、

友人たちの旅行では率先して写真を撮るようになり、

たまたま箱根の居酒屋で出会ったおじちゃんに高いカメラを触らせてもらってスマホとの違いにビックリし、

カメラを持つようになり、

たまたま同じタイミングでプロのカメラマンのお手伝いにいく機会があり、

そこでフルサイズカメラの存在を知って、NikonD750を買い、

「2代目50円カメラマン」を名乗って初対面の人を撮らせてもらうようになり、

ライティングができるようになりたくて写真学校に行き、

ライカだのハッセルだの偉そうに持つようになり、

とかなんか夢中でやってるうちに写真が完全に生活の一部になりました。

父の「お前、写真うまいじゃん」がなかったら。

カメラが好きになっていなかったのかも。

「人から褒められる」という経験は、人生を変える力があるかもしれない。

だから僕も、誰かの欠点を指摘のではなく、いいところを褒められる人になりたい。

そう思います。

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