見出し画像

その日、僕は初めてお金をもらって写真を撮った。

2016年10月。生き方に悩んでた。

「ブラック企業にいて〜」なんて話をするつもりはないけど、嫌な時期だった。

「人とうまく付き合おう」と取り繕ったら「本心を明かさないから信用できない」なんていわれてしまう。

良かれと思ってやったのに、どれも悪い方向へ転がってしまう。

その頃のことは、この記事に載っていたりするんだけど。

たまたまカメラに出会い、夢中になった僕は「2代目50円カメラマン」なんて名乗って、SNSで活動をはじめた。

その日、僕は初めてお金をもらって写真を撮った。

その日、僕は湘南の海岸で「石花アーティスト」のマスオさん(@junmasuo)という方を撮影させてもらった。

石花」って聞き馴染みがないけど、テレビで見たことがある人はいるかもしれない。バランス感覚だけを頼りに石を積み上げていくアート。

撮影依頼の内容は「石を積む自分の姿を撮ってほしい」というもの。

50円とはいえ、初めてお金をいただいて撮影する経験。

ちょっとプロっぽい気がして嬉しかった。

相手は彼女や友人ではない「はじめまして」の人。

曇り空の下で、2時間ほど撮影した。

この日強く感じたこと。それは「誰か」のために写真を撮るのは「自分」のために写真を撮る行為とはまったく違うということ。

相手を喜ばせる「おもてなしの心」が必要だということ。

マスオさんが満足する写真がわからなかったので、いろんな距離や角度から撮った。

結果として、写真はよろこんでもらえた。はじめてのお金をもらった撮影が無事におわった。

いま見返すと、どの写真も「もっとこうすればさぁ…」って一言いいたくなる。正直って、うん、下手くそだ。収支も完全に赤字だった。50円だし。

でも「お金をもらって撮影する経験」と、写真に対する責任感やその他もろもろはこの時期に養われた気がする。

カメラのこと、なにもわからないくせに、頑張ることを始めた日。

ライブ撮影の帰りにふと思い出した。まだまだがんばろ。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?