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予測モデルプラットフォーム

ForecastingExperienceを利用した予測モデル検証
AIを活用した予測業務の容易化、高精度化(Ⅳ)

1. 電力需要予測へのAI予測キットFEとExcel(回帰分析)の適用結果と評価

電力需要予測は、電力供給計画、すなわち発電所や関連設備の運転計画作成のための日常的な必須業務である。高精度で予測できれば、発電所や関連設備の稼働を効率的に実行でき、発電コストや環境負荷を低減できる。このことは、大手電力会社だけでなく小売電気事業者にとっても重要であり、電力需要予測精度は収益に直接影響を与える重要な要素である。

電力需要実績値は、数値データとして蓄積されており、カレンダー条件(季節、休日/平日)と気象条件(気温、湿度、天候等)でおおよそ推定できる。近年、オープンイノベーションの推進が叫ばれ、国内外の学会及び電力会社が、エネルギー分野の予測手法に関するコンテスト(*1)を開催している。開催者情報によると、大部分は機械学習に基づく手法を採用して多種大量のデータを収集し、複雑な方式で高精度の予測を実現している。

しかし、本稿では容易に予測結果が得られるように、電力会社が公開している電力需要実績値と気象庁が公開している気象データから、予測AIキットFEとExcelの重回帰分析により、日ごとの電力需要予測モデルを作成し、両者の分析のしやすさ、モデル精度を比較、評価する。前半12か月における電力需要データ、気象データとの関連を予測モデルとし、後半3か月の日々の気象データを将来データとして予測モデルに入力し、電力需要の予測値を求め、電力需要の予測値と実績値との誤差率のトレンド、および4つの統計指標で予測モデル精度を評価した。



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