アイデア出しはセンスではなく訓練の成果

デザインにおけるクリエイティビティとは必ずしもセンスではない。

訓練を積んで初めて真価を発揮するものであり、一日二日で行えるようにはならないのである。

ではどのように訓練を積めば良いのか?それは「抽象と具象」の戦いで培われるものである。

物事は具象を持って我々の眼の前に現れるものではあるが、そこには必ず抽象化できる現象が見えてくる。それはそのまま見ていても何の役にも立たない。デザイナーはそこに人の視点ではなく俯瞰の視点を持ち出すべきなのである。

何かの具象反応が見えたらそこに対してどのような抽象的な解釈ができるのかを考察する。具体的にいうと、

水に浮かせるものがある。それは木片であったり鉄であったりあるいはプラスチックかもしれない。

ここでみるのは水とその物体の関わり合いだ。木片の少し沈む動き。ここで木片を一つのオブジェクトにして見てみよう。サンプルを見てほしい。

どうだろうか。この木片の動きは。これを抽象化すると...

木片は押してもなかなか沈まない。沈みにくいという特性が見られた。なら他の材質ではどうだろうか。参考動画は取れなかったが、鉄では真っ先に沈んでいった。

木片と鉄を比較してみると、この違いにはフィルタリングの特性が見受けられる。では実際にインタラクションに例えて考えてみる。

木片はオブジェクト。今まさに捨てようとしているところであるが、この押しても浮いてくる様相は本当に捨てて良いのか?と確認してきているように思える。逆に鉄などであれば確認が行われずにすぐに捨てられた。つまりこの動きは確認のUIに使用できるのではないか?そんなインタラクションのアイデアがこの抽象具象のプロセスでわかった。

あまりまとまっていないかもしれないが、とにかくその物質の特性を抽象化し、それを具象化→実際のアイデアに流用する。これがアイデア出しの訓練である。




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