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「起業家が活躍できる場づくりを」スタートアップデザイナーズ代表 高山悦一さん

起業家が活躍できる場をつくろうと活動されている高山悦一さん。製造業開発などを経て、今では一人一人の悩みに向き合いながら、起業家のサポートをされている高山さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地 北海道
活動地域 
福岡県 
経歴 
ハイテク業界にて大手製造業開発、技術管理、部品調達に従事。ドラッカー学会メンバー、2016年ゼロワンハッカソン優勝、スタートアップウィークエンドコミュニティアワード獲得。現在、大手製造業に在籍しながらコミュニティを運営。
現在の活動および職業 
スタートアップデザイナーズ代表
座右の銘 何によって覚えられたいか

「起業をしたい方や、立ち上げを進めている方を支援し、起業家が活躍する場をつくる」

Q:どんな夢、VISIONをお持ちですか?

高山 悦一さん(以下 高山 敬称略) 今、スタートアップデザイナーズという任意団体のコミュニティを立ち上げています。これは、起業をしたい方や、立ち上げを進めている方を支援し、起業家が活躍できる場をつくる活動です。これを始めたきっかけは、起業のコミュニティを立ち上げる中で、メンバーに大学生がいて、事業を進めたいけど勉強もあって、なかなか進めていけないという彼らの悩みを聞いたことでした。

   起業家に寄り添った場づくりが必要ですが、相談できる場がありません。私たちのスタートアップデザイナーズでは、起業家の皆さんと同じ目線にたって、悩みそのものをシェアしながらお互いにアドバイスをして解決していきます。「何かしたい!という想いはあるけど、進め方がわからない」「進めていたけれど壁にぶつかって進め方がわからなくなって止まってしまった」という方たちが相談に来て、活躍していける環境づくりをすることが私の夢です。

   また、メンタルヘルスの分野も将来進めていきたいと思っています。実は、私は、母が統合失調症で20数年間も強制入院した末、生き別れになってしまった経験をしています。起業家も、ストレスで悩んだり、亡くなってしまう方が多くいます。そういう人たちの悩みに応えていきたいと思っています。

起業家の会員を増やす

Q どのような目標計画をお持ちですか?

高山 当面は起業家の会員を増やすことです。blogを中心に、「起業をしたい」、もしくは「起業を既に進めているけれど悩んでいる」という人達に向けた発信をしていきたいと思っています。この2年くらいは、メンタルヘルスやメイカーズ等の世の中の関心の高い分野にフォーカスして、その分野の人たちが協力して進めていけるサポートをやっていく予定です。その後は、起業家を中心に、「お金」や「人間関係」で悩んでいる方が多いので、そうした悩みのサポートをしていきたいです。

オンラインでの発信に力を入れる

Q 夢、VISIONと目標計画に対し、現在どのような基本活動をされていますか?

高山 東京を活動拠点にして年に1~2回のオフラインサロンを開催しています。また、2日に1回はスタートアップカフェに関してblogで発信するようにしています。今は、遠隔でもオンラインでコンテンツを見るのが当たり前になっていますので、オフラインは少なめにして、より多くの人に伝わって効率もいいオンラインに力を入れています。他には、Facebookグループ等でのオンラインサロンもやっています。今後はYoutubeでの情報発信等もしながら、より皆さんに楽しんでいただけるようにしていきたいと思っています。

「仏教の可能性とお寺の限界」

Q 夢・目標計画・基本活動・行動指針に至るまでには、どんな気づきや発見がありましたか?

高山 実は私の実家はお寺でして、父親はお坊さんです。私は長男でした。幼い頃から、生まれてきた目的は何だとか、常に考えてきました。細胞の隅々まで出来上がっていますから、もう何かあれば自然と出てきてしまいます。仏教では利他的な精神は重要です。お坊さんの考え方からすると、自分勝手で人を蹴落とす世の中は汚いという見方になりますが、その捉え方は正しいですね。確かに、大量消費時代やバブル時代では皆んな自分勝手になっていたと思います。

   ただ、小学三年生で私は、お寺の限界を感じました。テレビ番組が全国ネットで広がると標準語が全てで地方の方言はダメだという時代に入り、地方のコミュニティは徐々に解体していきました。するとお寺も同時に収入が減っていきます。また、同じ時期にオウム真理教の事件があり、エセ仏教集団に対して私達は何も出来ませんでした。それから、大量生産に大量消費の時代、そしてバブルの時期に、経営者たちは皆んな金儲けと言っていました。何か大切な事を見失っている気がしませんか?こうした一つひとつの事に既存の仏教の哲学精神が何も出来ていません。その様な仏教じゃダメでしょという雰囲気が私にはありました。

   その一方で、これからの時代のビジネスは変化していきます。一人ひとりが他人のために生きる事業者が増えてくると思います。いかに貢献できるのかという視点です。また、起業は強い想いがないと進められませんが、それは利他的な精神と言えるでしょう。本来、人間であればその様に生きたいのではないでしょうか?自分自身のその様な想いに正直になれるか?これはとても大事な事なのに皆んな、自分の想いに嘘を付いています。他人から評価を受けたいとか、お金儲けしたいなどの視点があって、そのことに自分でも気付いていません。

   私はビジネスには利他的な精神が一番現れると思っています。特に起業というジャンルにおいて体現したいと思う様になりました。

「仏教の3原則を経営の領域で体現する」

Q その気付きや発見に至る背景には何がありましたか?

高山 仏教の開祖が言った3原則、すなわち3つの基本ですね。無常、無我、苦。人生経験上、私は人間を取り巻き人が経験する基本は苦しみだと感じています。この苦しみをいかに緩和するのか?その場限りで終わらずトータル的な問題の解決であり、根本的な問題の解決をしたいので、私は無常や無我にもフォーカスしています。

   無常とは変化の事。世の中の変化、特に社会的な変化を捉えて自分自身も対応する事です。これを体現しているのは経営の領域です。無我は、お互いにとってプラスになる事やプラスにし合う行動だと思います。それが人間の基本。それを体現するのは利他の精神です。人の苦しみや悩みを解決するという捉え方をしますがそれはやはり経営の領域です。今はスタートアップが世の主流ですから私はそこで体現していきたいです。

読者への一言メッセージ

高山 自分自身に正直になってください。内面を深く見ると、自分の欲望などが見えてきます。欲望を持つこと自体は良いけれど、それを他人のために消化させることが基本です。自分自身の思いだけでなく、他人も大事にしてください。

記者 仏教の限界と可能性を見てきた高山さんだからこそ、利他の精神が一番体現できる経営の価値もわかるのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。
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未来は変えられる:https://futuredesign.hatenadiary.jp/

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【編集後記】
今回、インタビューの記者を担当した森・山口です。
とことん利他の精神に向き合っておられる高山さんは、まさに、人間本来の可能性と尊厳に確信を抱き、利他の心で接する人だと思いました。
無常、無我、苦の3原則を誰もが体現できるようになった時、日本の経営の可能性が大きく広がっていくと思いました。
高山さんの今後の益々のご活躍を応援しています!
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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