【統一地方選】「野党不戦敗」に「右翼の仮面を被った左翼」の暗躍

 統一地方選挙がありました。私は兵庫県議会選挙で、選挙区における唯一の野党候補であった国民民主党の公認候補に投票したのですが、落選してしまいました。

 兵庫県議会選挙の結果は

「自民・公明の圧勝」

「最大野党は共産党」

という有様です。

 まぁ、こうなることは「みんな判っていたこと」ではあります。が、やはり残念なこと。

 今回は統一地方選挙の結果を振り返ってみます。

【大前提】「地方選挙」も意外に大切!

 最初に「舐めているんか!」というぐらい、超初歩の話をします。

 というのも、これはとても「important」なことですので、万が一にも読者の皆様が

「地方選挙なんかどうでもええわ~。どうせ『選挙に行こう!』なんか、役所の綺麗事やわ。」

とか思っていると、私がいくら「今回の選挙結果は残念だ」と言ったところで、全く伝わりません。

 という訳で、地方自治体のやっていることがどれぐらい重要か、結構知らない人が多い話をします。

 まず、最低賃金を決めるのは県知事であって首相や内閣ではありません

 よく「最低賃金を千円以上に引き上げるべき!」と主張する政治家や評論家がいますが、今の法律で最低賃金を決める権限があるのは国の政府ではなく、県知事なのです。また、県議会議員には直接に権限はありませんが、議員から首長への陳情で政治が動くことは少なくありません。

 つまり、県知事選挙や県議会選挙は「最低賃金」を始め国民の生活に密接な分野にかかわっているのです。

 さらに、警察の予算を決めるのも都道府県議会です。

 日本にはFBIのような国家レベルでの捜査機関がありません。(これはGHQによる「日本弱体化」の謀略の一環なのですが、それは置いておきます。)

 なので、警視庁も東京都の予算で動いていますし、それ以外の道府県警の予算もそれぞれの道府県の議会の議決で決まります。だから、地方の大物議員によって犯罪が揉み消されたのではないか、という噂が今の時代にもちらほら出て来るわけです。

 また、市町村議会も結構大切です。消防の予算は市町村議会が決めます。消防車や救急車の整備も市町村議会の地方議員次第なのです。

 学校の校長・教員の人事権を持っていたり、遺跡発掘の許可を出したりする教育委員会も地方自治体の管轄です。だから、教育行政も地方選挙の結果に大きく左右されます。

 それだけ重要な地方選挙ですが、多くの国民はその重要性に気付いていないのでしょう。地方選挙の投票率は5割を下回ることなど、日常茶飯事になっています。

実際には「自民党の基盤」はそれほど強くはない

 さて、既に「「令和3年」自民分裂!「ポスト安倍」の政局を完全予想」で述べたことですが、自民党の支持基盤は世間一般で言われているほど強くはありません。

 このグラフの青色の線が自民党の衆議院議員選挙比例代表での得票数、オレンジ色の線が「非自民」でかつ「非共産・非社民」の政党の得票数です。(公明党は自民党と連立を組んでいるので「非自民」には該当しません。)

 これを見ると「非自民・非共社」の勢力の合計は20年以上も一貫して自民党を上回る規模であることが判ります。自民党が「非自民・非共社」の勢力を越えたのは「郵政選挙」で有名な平成17年(西暦2005年、皇暦2665年、仏暦2548年)の総選挙だけ、しかもこの時も僅差です。

 そんな中、私の住んでいる兵庫県を始め多くの地方において

「自民・公明の圧勝」

「最大野党は共産党」

という現象が起きました。が、上記のグラフを見る限り、多くの国民は

「自民・公明も共産・社民も支持しない」

というのが「民意」のはずなのです。なので、このような地方議会の現状は明らかに「民意」を反映していません。

 こうした問題の最大の責任は野党にあります。今の野党は「負けるはずのない試合で連敗している」状態です。これだと「無気力試合」を疑われても仕方ありません。

 事実、今回の統一地方選挙ではどう考えても野党は「無気力試合」をしていたようにしか見えません。何しろ、野党が公認候補を擁立していない選挙区があまりにも多いのです。

 酷いことには、4割の選挙区が無投票当選だったと言います。

 よく「今の野党は対案を出さない」と言って非難されていますが、対案どころではありません。なんと、地方選挙には候補者すら出さないのが今の野党の現状です。

 そんな有様で「自民一強、安倍一強」とか「地方では自民党が強い」とか嘆かれても困ります。

 地方に自分たちの候補者を擁立していない以上、自民党が強くなって当たり前です。(こういうと「地方と国政は関係ないんじゃないの?」と言う皆様、冒頭から読み直してください。野党が地方政治を軽視しているというのは最低賃金や警察行政、教育行政を軽視しているのと同じことです。そんな野党に国政が担える訳、ありません。)

「大阪四重選」での「自共共闘」敗北は良かった

 さて、今回の選挙で唯一良かったことがありました。それは、大阪の「ダブル選挙」です。

 いや、「府知事選」「市長選」「府議会選」「市議会選」の「四重選挙」ですから「ダブル」どころか「クアドラプル」です。4つの選挙を同時に行うことは費用節約にもなりますから、投票に行かれた方はやや面倒に感じたかもしれませんが、これ自体は悪いことではありません。

 この「クアドラプル選挙」は

「大阪維新の会」VS「自民党・公明党・共産党」

という構図になりました。(立憲民主党や国民民主党も「自共共闘」陣営に参加しましたが、全員落選しました。)

 正直言って、私は日本維新の会や大阪維新の会をあまりすきにはなれません。何故ならば、彼らは

・天皇陵にイルミネーションをつける

・大阪にカジノを作る

・東京と大阪をリニアモーターカーでつなぐ

と言った政策を推進しているからです。そんな政策を私は支持できません。

 が、それ以上に自民党と共産党は支持できません。自民党だって

・明治維新150周年記念式典に天皇陛下を招聘しない

・日本にカジノを4つ造る

・無論、リニアモーターカーも推進

という政策であり、自民党に維新を責める資格はありません。

 また、共産党は「カジノ反対」や「リニア反対」を唱えていることは素晴らしいのですが、彼らは「将来的な民主共和政への移行」という名目で公然と「天皇制廃止」を主張している勢力です。そんな共産党も支持できません。

 そもそも、自民党と維新の会の政策はほとんど一緒なのに、自民党と共産党があえて手を組むことがオカシイのです。過去には自民党から共産党まで一致団結して

・憲法違反の「退位特例法」制定(皇后陛下が「痛みを覚えた」と公言した「退位」の語を用いる)

・子宮頸がんワクチン定期接種化(結果、多くの女性が副反応に苦しむ)

と言った、トンデモナイ政策を実現させてきました。今回の「自共共闘」も碌な結果を生まないことは明白です。

 なので、今回の「クアドラプル選挙」で「自共共闘」が敗北したことを私は大歓迎します。

 もっとも、自民党と維新の会の政策はかなり似ています。が、比較すると維新の会の方がマシなのは明白です。何故ならば、維新の会は

・原発フィードアウト(原発消滅)

・『特定秘密保護法』の採決では棄権

・「戦争参加法制」には反対

・自民党改憲草案にも反対

・日教組による教育支配を打破

・教育無償化を推進

と言った立場だからです。対して自民党は

・原発再稼働推進(原発輸出もしようとしたけど失敗)

・『特定秘密保護法』強行採決

・「戦争参加法制」強行採決

・人権抑圧の「自民党改憲草案」を用意

・教育委員会事務局の権限強化

・教育無償化は「形だけ」(高校無償化には所得制限)

という立場です。おまけに共産党までついてくるとなると、誰がどう見ても「維新の会の方が自民党よりもマシ」と言わざるを得ないでしょう。

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