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エジプト神話から読める「遊戯王」

成り立ち

「遊戯王(遊☆戯☆王)」とは、作者 高橋和希によって1996年から2004年まで約8年もの間、週刊少年ジャンプに連載されていた漫画です。現在では「遊戯王カード」として有名な作品です。今からこの「遊戯王」から学べる古代エジプト神話についてお話しいていきます。またこれから話す世界観は多くの解釈のうちの一つということをご容赦ください。

遊戯王で描いている世界観

そもそも「遊戯王」=カードゲームというイメージが強いかも知れませんが、実際「遊戯王」は、
古代エジプトのファラオ(王)の記憶を取り戻す戦いを描いています。さらに古代エジプトにおける生死観を学べ、古代エジプトの神話をより深いところまで知ることができます。

古代エジプトでの「人間」とは

古代エジプトにおいて「人間」は、5つの要素で成り立っていると描いています。それは、肉体・影・魂(バー)・精霊(カー)そして名前です。この概念は「遊戯王」でも描かれています。この一つでも欠けたらいけないのです。「遊戯王」では、この5つの要素の一つの「名前」が欠けていて、それを探す物語でもあります。

ファラオによる名前探し

「遊戯王」の物語の9割はこの名前探しと言っても過言ではありません。「遊戯王」の主人公は、古代エジプトの世界で名前を探すために、自らの身(肉体)を、ごく普通の高校生に預けて、記憶の世界(前世の記憶)を頼りに名前を探す旅に出ます。そうして数々の困難を乗り切り「アテム」という名前を手にします。そうしてアテムは自らの肉体を持ち、また自らの影も持ち、精霊として神や守護神官(マハード)を従え、最後に名前を手にしたことで、「真の古代エジプトの王」が人間として君臨したのです。

ファラオの力

ファラオは古代エジプトにおいて「ホルス(空と太陽の支配者)」の化身と言われるほどの力がありいわば神と同等までの力があります。さらに名前を手に入れ、5つの要素を全て揃えた人間としてのファラオは、完全なる神の化身として描かれています。下がホルス神です。

死者の再生

さらに古代エジプトでは死後の再生も信じられていました。死者の魂(バー)は冥界へと旅立ちます。そして古代エジプトの楽園アアル(冥界内)で精霊(カー)と結びつき「アク」という存在となって2回目の生誕(再生)ができると描かれています。「遊戯王」ではマハード(守護神官)がゾーク(闇の世界の化身)との戦いで命を落としましたが、自らのカー(黒魔導士)と融合して、楽園アアルで自らを再生して、アテムを助けました。このように古代エジプトの世界観が反映されています。

生者の世界と闇の世界との究極的な逆転現象

古代エジプトには生者の世界(支配者エクゾディア)と闇の世界(支配者ゾーク)が存在するとされ、この二つの世界を一つにするべく、ファラオと3幻神(天空と迅雷の神オシリス、台地の守護神オベリスク、太陽の神ラー)が生者の世界の支配者エクゾディアと手を組むのです。そしてこの2つに分断されてしまったという世界観の象徴がピラミッドにあります。生者の世界の中央にはピラミッドがあり、闇の世界の中央には宙に浮いている逆ピラミッドが置かれています。またこの逆ピラミッドが絶対に人間では作ることが出来ないことから人知を超えた神話であると言えます。
これが古代エジプトの究極的な逆転現象の象徴です。そしてこの逆ピラミッドは現在もルーブル美術館で展示されています。

まとめー

このように「遊戯王」は古代エジプトの神話を題材とした一つの解釈を紹介した物語です。神話は本当に面白いので是非読んでくださいー!                  以下画像を使わせてもらったサイト、参考にしたサイトです。


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