マガジンのカバー画像

黒澤友貴の日報

427
マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
運営しているクリエイター

#エッセイ

「どんな仕事」をするかより、「どう仕事」をするか。

会社員を辞めて、5か月が過ぎました。 ここ数日、ようやく「働くこと」という言葉の周りにあった霧が、少しずつ晴れてきたような気がしたので、その過程を残しておこうと思います。 わたしはTwitterの肩書きに「ゆるフリーランス」なんて書いてあるけれど、人がイメージする、いわゆる「フリーランス」とはちょっと違う感じで生きています。 そもそも、フリーランスと名乗っているのは、ただ単純に「一つの企業に属して安定してお給料をいただいている状態ではない」という”記号”として分かりやすい

ボクが考えるコミュニティ

最近「コミュニティ」という言葉がバズワード的に使われているが、そのほとんどは「プロジェクト」だとボクは思う。 達成したい目的があり、スケジュールがあり、会費などの予算がある。 学習や自己啓発、お金儲けなどの「目的」をもつプロジェクト的集まりを否定するものではまったくない(ボクもひとつ、目的達成型の「さとなおオープンラボ」をやっている)。 ただ、それをコミュニティと呼ぶことに、個人的にどうしても違和感が残ってしまう。 ボクが考えるコミュニティは、もっと「居場所」的なも

アウトプットの質を高める方法

ご無沙汰しています、大堀です。 今年も大学での授業を終えてひと段落。 準備は大変ですが、教えるために自分の理解を深められるのは良い機会です。この記事の内容も授業スライドを考える中で、漠然としていた概念が鮮明になったので書いてみました。 文章でもデザインでもあらゆる創作物に共通する考え方だと思います。 ==== みる力とつくる力 まずは前提となる「みる力」と「つくる力」について説明します。 みる力 質の高さを判断できる能力。その分野における知識と見てきた質・量で決まる。

No.3 TEDxKyotoのデザイナーが伝える スライドデザインの方法

・3・ デザイナーの手から離れる時 長い時間を共有し、自分で手がけたものは何にせよ愛着の沸くものだ。しかしデザイナーはスライドのデザインに対してあまり思い入れを持ち過ぎ無いほうがいいと思う。 自分のデザインだ、と主張したくなるかもしれないが、アイデアはスピーカーのものであり、それを元に制作されたスライドも彼らのものだ。我々はほんの少しサポートをしたに過ぎない。 最終版が出来上がった後も、練習に熱心なスピーカーほど修正を要求してくるだろう。実際に言葉にし、繰り返し練習する

プロダクトとして「近くにおいときたい」と思うか

最近作った本は、できてみたら今まで作った本の中で一番美しい本になった。 カバーには、ウィリアム・モリスの柄をイギリスのV&A博物館から貸していただき使わせてもらった。 デザイナーさんは、石間淳さんというオーソドックスな美しい装丁がお得意な方。石間さんがデザインされる本の明朝体の美しさがすごく好きで、この本のデザイナーさんは石間さんしかいないと思って初めて依頼をさせていただいた。 この本、365ページ以上あるのでとても重く、ページあたりの文字もけっこう詰まっていてなかなか

デザイナーの私が旅を〈挟み込む〉意味

「旅好き」というと語弊がある。 「旅行」という感覚とも違う。 普段はアートディレクターとして、またグラフィックデザイナーとしてインプットとアウトプットを繰り返している私にとって、たまに旅を〈はさみこみ〉たくなる時がある。 先週末、久しぶりにそんな気分になり、思い立って京都へいってきたので「気分を言葉に」まとめてみようと思います。 「旅行」と「旅」のちがい他の方にとってどうかは分かりませんが、 私の中で「旅行」と「旅」は明確に違います。 「旅行」とは、楽しみに行くもの。 「

3ヶ月で0から500人にフォロワーさんを増やしたアカウントへの考察

はじめまして、デザイナーのとってぃです。 今回せっかくなので実験的に運用していたTwitterアカウント ( @tottie1129 ) に対する振り返りと考察をしてみたいと思います。淡々といきます。 なぜはじめたのかこれまでクライアントワークしか仕事で携わってこなかったので、当事者として何か運用する経験に興味があった。フリーランスになる時期だったので、手軽に情報発信できるSNSは効率が良かった。 なぜTwitterを選んだのか・情報が早いこと ・本音(ネガティブもポジテ

一汁一菜という選択と生き方

どちらかといえば、掃除が好きだ。 掃除というよりも、整理整頓がライフワークだから、仕事も家庭もコンパクトで整っている環境が心地よい。 ただ、料理はどちらかといえば、実のところ、そう得意ではない。手の込んだメニューを毎日SNSにあげている人たちを見ると、本当に感嘆しかない。 少し前に、土井 善晴の「一汁一菜でよいという提案 」という料理本が出て、だいぶ話題になった。 ご存知、料理研究家の著者だが、この本は料理本ということだけではなく、生き方の提案として共感した。 「一