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モスバーガーの不調から学ぶ、ブランドコンセプトを実現する組織リソース確保の難しさ・大切さについて

本日に読み解いていくニュースはこちらです。

モスバーガーが「創業以来2度目の絶不調」に苦しむ致命的な原因

マクドナルドと入れ替わるようにして、ハンバーガー業界2位のモスバーガーが、いま創業以来2度目の絶不調に陥っている。

記事内では、この不調の原因が、

①フランチャイジーオーナーの高齢化・不採算店舗の増加 

②「異業種」との戦いの激化

この2つが挙げられています。

モスバーガーが不調なのは、上記の要因はもちろんあると思いますが、他の要因があると自分は考えています。

それこそが・・・↓

ブランドコンセプトである「こだわり」と組織リソースのギャップ

さて、どういうことなのか?

モスバーガーのビジネスモデルを読み解き考えていきたいと思います。

※この記事内では、ブランドコンセプトは「ブランドが提供する価値」と定義して話を進めていきます。デービッド・アーカーのブランド論にある「ブランド・ビジョン」という言葉とも近いイメージです。

ビジネスモデルキャンパスを活用してモスバーガーを読み解く

ビジネスモデルキャンパスのフレームワークを活用してモスバーガーを分析してみました。

ビジネスモデルキャンパスについての詳細は、こちらのリンクをご参照ください。わかりやすく説明があります。

ここでは中心に注目!

モスバーガーのブランドコンセプト、VP価値提案は「こだわり」

モスバーガーのブランドコンセプトは、公式サイトをご覧ください。モスバーガーのこだわりが伝わってくると思います。

http://mos.jp/omoi/

さらに、下記の記事を読んで頂くと、モスバーガーは、店舗オペレーションに手間をかける、製造オペレーションに手間をかける・・・と手間暇をかけて「こだわり」をもった経営をしていることがわかります。

なぜ、モスバーガーは愛され続けるのか? 〈櫻田厚(モスフードサービス社長)〉

モスバーガーのブランドイメージに「こだわり」を感じるのは、共感する人が多いのではないでしょうか?

モスバーガーは、ファーストフードとは思えない「こだわり」をもっています。

この美味しさなら、もっと価格を上げても良いのでは?という声もNewspicksでは上がっていますね。

一方で、現在のモスバーガーの不調は、ブランドコンセプトである「こだわり」を届けきれていないことにあると考えています。

こだわりに、組織リソースが追いついていない可能性があるのではないかなと。

ビジネスモデルとは、組織のリソースを使って、価値を、顧客に届けて、儲ける、という一連の流れだと自分は解釈しています。

このビジネスモデルの中で、中心にある価値と、価値を提供するための組織リソース(赤字部分)にギャップが出てしまうと、儲ける仕組みが機能しなくなってしまいます。

参考:ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

こだわりが強い、手間暇をかけるブランドであればあるほど、そのブランドコンセプトが十分に提供されないと不評が生まれやすいのかもしれません。

掲げるビジョンと組織リソースのギャップが出ることの難しさと大切さ

以下は、デービッド・アーカーのブランド論から引用です。

ブランドには 「ブランド ・ビジョン 」が必要である 。そのブランドにこうなってほしいと強く願うイメ ージを 、はっきりと言葉で説明したものだ 。つまり 、顧客や関係者 (社員や事業パ ートナ ーなど )の目から見たとき 、そのブランドが表してほしいと願うものである 。

掲げるビジョンやコンセプトは追いかけるもの・願うものなので、現状とのギャップが生まれるのは当たり前です。

強いブランドは、壮大なビジョンと緻密なオペレーションが連動した時に生まれるものだと考えています。

マクドナルドがV字回復できたのは、ビジョンを明確にして、そのビジョンと働く人たちに浸透させ、実現するためのリソースを確保できた点にありそうです。

モスバーガーも、今は叩かれていますが、組織リソースやオペレーションが、掲げているコンセプトと連動した時に、復活するのだと期待しています!

なんといっても、モスバーガーは美味しいですからね!

明日のお昼は、こんなことを考えながらモスバーガーを食べたいと思います。

現状の組織リソースとブランドコンセプト・ビジョンのバランスをとるのは難しい。時にはアンバランスになりながらも理想を追求した方が、強いブランドが生まれる気もしますよね。