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ヘルシンキのデザインミュージアムで学んだこと-デザインの成果物からデザインプロセスを想像する習慣づくりについて-

フィンランド・ヘルシンキにきております。

寒いです(いまの気温-5°)。物価高いです(カフェランチのコーヒーとケーキで1,200円ちょい)。

そんな北欧の環境と戦いながら・・行ってきました!ヘルシンキのデザインミュージアムに!

吉岡ヤスユキさんが以前にデザイン博物館のUX体験に関する記事を書かれていて、ずっと行ってみたいなと思っていました。

かなり軽いノリで行ってみたのですが、デザインミュージアムの展示内容には、最近のテーマである「思考としてのデザイン力」を磨くためのヒントが詰まっていました!

Twitterでもつぶやきましたが、自分がヘルシンキのデザインミュージアムから学んだことを、簡単にまとめてみました!

先に結論をお伝えすると、思考としてのデザイン力を磨くためには、デザインの成果物からデザインプロセスを逆算して考えるというトレーニングが大切ということです。

デザインプロセスを逆算して考えさせる展示内容

まず最初に驚いたのが、デザインミュージアムの展示は、デザインの成果物だけではなく、サービスデザイン視点での解説やデザインプロセスが紹介されているのです。

有名なデザイナーによる成果物である椅子やハサミなどのプロダクトが展示されているのですが、付随してサービスデザインの解説、プロトタイプとして失敗になったものも展示されています。

その展示と合わせて下記のような問いが書かれています。

自分が小学校のランチタイムで使う椅子をデザインする場合は、どんな椅子をデザインするか考えてみてください。
展示されているハサミの中からプロトタイプの失敗作を3つ選んでください。

デザインの成果物をみて賞賛することだけであれば、誰でもできる。

デザイン力を磨くためには、その成果物からデザインプロセスを想像して、自分だったらどうするか?という思考をすることが大切だなと展示をみていて考えさせられました。

デザインの成果物の背後にあるクライアントとのやり取りも想像する

もう一つヒントをもらった(驚かされた)のが、デザイン成果物(椅子)の展示に、このような質問が記載されていました。

デザイナーはクライアントのために仕事をする時があります。このデザインのクライアントが誰であったかを想像してみてください。

これらの質問は、おそらくフィンランドの小・中学生たちに向けたものだと思うので、子供たちにすごい問いをぶつけるな!?と驚きながら、この問いも思考としてのデザイン力を磨くためには大切な問いだなと考えさせられました。

その他の展示も自分たちの身近な道具がどんなデザイン思想とプロセスから創りだされたのかが伝わる展示空間となっていました。


思考としてのデザイン力を鍛えるために

ヘルシンキのデザインミュージアム展示からの学びは、思考としてのデザイン力を磨くためには、デザインプロセスを想像するトレーニングを日常から繰り返すことの大切さ。

なぜこのデザインは、この形・色になっているのか?
どんな人(チーム)が、どんなコミュニケーションを経て、このデザインになっているのか?

デザインの成果物やデザイナーを賞賛するのではなく、デザインプロセスを想像して言葉にすることを習慣化するようにしたい。

フィンランドはデザインを産業の競争力に変えている国。この産業競争力は思考としてのデザインを子供の頃から鍛えていることが影響しているのかなと考えています。

自分もフィンランドの子供たちに負けないように、デザインもテクノロジーも高速で学習していこうと思います。

※フィンランドの産業競争力とデザインの関係性については、また別に書きます。

あと、ヘルシンキのデザインミュージアムは、リアル空間とWEBをつなぐ設計もしっかりされていて、ミュージアム空間のデザインを考える上でも参考になるはずです。

展示のところどころにWebコレクションへ誘導する導線や、SNS発信への誘導が自然とされていました。

ぜひ、ヘルシンキを訪れる機会がありましたら、足を運んでみることオススメです!

明日からもフィールドワーク楽しんできますー