寒くて風の強い日にビートルズを想う
風が強くて寒い日に私はふとビートルズを想う。
ロンドンの1月、気温摂氏2度、強風、ビルの屋上。
レコードアルバム制作のための録音になぜその場所を?
もう絶対、寒すぎだし、ギターの弦は金属だから摂氏2度だと相当冷たい。
強風だとマイクに雑音が入る。
ギターを弾く手も相当冷たくて動きにくい。
なのに、ビートルズは寒空のビルの屋上でライブを行った。
リンゴ・スターとジョージ・ハリスンは屋上でライブすることをぎりぎりまで渋っていたらしい。
リンゴ・スターは奥さんのモーリンさんの赤いレインコートを着て、ジョージ・ハリスンは奥さんのパティさんの毛皮のコートを着て、ジョン・レノンはヨーコさんの毛皮のコートを着て(本当かどうかはわからないけれどもそう言われている)
ポール・マッカートニーだけは、さすが気合いでコートなしで。
相当寒かっただろうなぁ〜と思う。
寒そうだけど、元気に演奏して歌っている。
ジョン・レノンはいつものように真っ直ぐ前を見て歌い、ポールはいつものようにそんなジョン・レノンを見てゴキゲンそうだ。
このライブは約40分続き、最終的にビートルズの音で集まった人々で混雑して、警察に演奏を止められて終わる。
なんとなく後味悪い雰囲気をジョン・レノンの「オーディションに通っていたらいいのですが」という言葉で和やかムードで終わる。
このジョン・レノンの言葉も含めてでルーフ・トップ・コンサートなのだ。
寒すぎ強風ビル屋上でライブするのもカッコいいし
寒いならとりあえず奥さんのコートでも着るかの適当さもカッコいいし
指を温めるためにタバコを指の間に挟んだままギターを弾くジョージ・ハリスンもカッコいいし
ギター間違えてもエヘッと舌出して勢いで演奏するジョン・レノンもカッコいい
寒くて風の強い日にビートルズを想う人は私だけかもしれない。
そんな寒くて風の強い中でビートルズを想って心があったかくなる私はしあわせだな。
ビートルズ、ありがとう。
子どもの頃からずっと大好きです。
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