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通勤のために家を出て、予想以上の強風に驚く。昨日からの天気予報で、「雨と風に注意」とは言っていたが、こんなにもひどいとは思わなかった。

私の傘の骨は金属ではなく全てプラスチックでできている。サビや変形に強いので気に入って使っているが、今日、欠点を見つけてしまった。駅に向かう途中で、私と同じように風に傘をたてて歩いている人たちがいたが、どうやら私の傘がいちばん「おちょこ」になりやすいようなのだ。

一般的な金属の骨の傘は、急に風向きが変わってもちゃんと耐えているのに、私の傘はすぐに風に応じてたわんでしまう。「おちょこ」になったとしても、すぐに元の形に戻すことができるので良いのだが、風雨の中、一列になって進む人たちの中で、私だけが風に耐えきれず離脱してしまった。

頑丈な傘を握りしめて後進していく人たちを横目に、風に煽られた私は道の脇から彼らを見送っていた。このタイムロスで、電車を1本逃したかも知れない。柔軟さゆえに道を逸れた私と、丈夫な傘で進み続けた人と、どちらが良いのだろう。

結局午後には、傘を手に持っているのがバカらしくなるほど晴れてしまった。傘の柔軟さなんて、どうでも良く思えた。

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