私は今、アメリカに住んでいる。

私は父の影響で頑張って進学校に進んだものの、高校の時は落ちこぼれで、アメリカなんかというか外国なんて遠い世界だった。

私の学校は一年おきに海外から留学生が来たり、留学を終えて帰って来たりという感じで、私の代は留学を終えて帰ってきた年代だった。

彼女の流暢な英語はいつ聞いても、うっとりするほどで、口には出さないけど、みんな「待ってました！」という感じだった。それを敏感に感じ取っているであろう一つ年上の彼女の横顔もちょっと誇らしげでいつも笑顔だったのを、今でも鮮明に覚えている。

進学校だからなのか、発音がいいのを笑ったり馬鹿にする人は誰もいなかったし、私を含めて、もちろん、先生も含め、みんなただ本当に「ただあの発音また聞きたい！」でしかなかったのだと改めて思う。

そしてただぼんやりと、「いいとこのお嬢さんなんだろーなー」と遠い目で見つめていたのを思い出す。

その頃の私は、いわゆる勉強熱心で元気だった父が、私の高校受験の直前に突然亡くなり、高校受験はうまく行ったけど、私の見張り番がいなくなってしまって、今でいう燃え尽き症候群みたいになっていた感じだった。
かつ突然母子家庭になったので、金銭事情は知らないけど「留学」なんてまた夢の夢であって、「留学」を夢見ることも一度もなかった。

その時は、全く分からなかったけど、10代で異国の地で暮らすって、きっといろんな体験をしたんだろうな、と50を過ぎた今、思いを巡らしてみる。

彼女のお母さんは今の私よりも若かったかもしれない。
彼女は今どうしているだろう。

私は、今アメリカに住んでいる。
どこでどうなったのか、それも40を過ぎてこの地にやってきた！

人生何が起こるか分からない！and 人生遅すぎるなんてことはない！

#人生の摩訶不思議 ！#人生何が起こるか分からない！#Never too late!