「足」

 ベッドにいるのはわたしひとりだが、ふとんからはみだしている足は五本も六本もある。足をうごかしてみるとぜんぶ同時にうごくから、どれがわたしの足なのかわからないが、どの足もつやつやの爪が生えていたり、たくましい血管がうきでたりしているので、どれがわたしの足でもかまわないと思った。足をうねうねうごかしてタコの気分をあじわっていると、腹をすかせた飼い犬が部屋にはいってきて、飯をくれとせがむので、足のほうを見るようにうながし、うねうねうごかしてやったら、目を丸くしておどろいていた。かわいい。

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トモマリ(六井 象)

短い読み物を書いています。( http://tomokotomariko.hatenablog.com/
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