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トップリーグ応援企画☆日本選手権決勝レビュー

2021シーズン最終戦。

各地のリーグが統一され、トップリーグができてから18年。最後のトップリーグの最後の試合でもあります。

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ジャパンラグビートップリーグ16チーム、ジャパンラグビートップチャレンジリーグ9チームの頂点を決める決勝戦は、青空が広く見える秩父宮ラグビー場で開催されました。緊急事態宣言下の東京都では、観客を5,000人に制限しながらも、ファンが直接観戦して楽しめる有観客試合となりました。

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クボタスピアーズ所属岸岡智樹選手主宰『岸岡智樹のラグビーラボ』略してトモラボ(以下、トモラボで統一)の会員有志で始まった『トップリーグ応援企画』も最後の試合レビューとなりました。

プレーオフトーナメント決勝のレビューをお送りします。

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日本選手権決勝レビュー

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サントリーサンゴリアス(R1位)
  vs パナソニックワイルドナイツ(W1位)
2021/5/23 13:10
@秩父宮ラグビー場(東京都港区)
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《Akira Nonaka》
横浜のラグビーダイニングTSUNAGUでTV観戦しました。印象に残ったのは、レフリーがファーストスクラムが落ちたとき、組み直しをせず、すぐにペナルティを取ったこと。「今日は、極力試合を止めないよ」というメッセージが聞こえたように思いました。このため、インプレー時間の長い、とてもエキサイティングな試合になりました。両チームの選手も、最後までよく走っていたと思います。

《いのこ》
秩父宮で観戦しました。パナソニックの圧力は想像以上で、バレット兄さんも余裕を持ってキックする事が難しかったかもしれません。サンゴリアスは、ここぞというときのノックオンが惜しまれます。ギリギリのプレーだったと思いますが。前半の江見選手のトライが認められていれば、バレット兄さんのキックが外れていなかったら、勝負は分からなかったと思います。でも組織としてパナソニックの方が成熟していた、そんな試合でした。

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トップリーグ最後の試合、というより2021シーズンを無事終えられたことに安堵しました。早く【以前の日常】が戻ってほしい、空席の作られた観客席を見ながらつくづく思いました。

《しんさん》
NHKで見ました。

どこを切り出しても本当に素晴らしい「感動のミルフィーユ」とも例えるべき試合だったと思います。両チームの選手、スタッフ、ファンに深く感謝したい。こういう試合を見ると日本ラグビーのレベルがすごく上がっていっているということを肌で実感します。

スタッツを見てないのですがワイルドナイツの規律の高さは目を見張りました。ベン・カーター選手、ジョージ・クルーズ選手、布巻選手を筆頭に攻撃的ディフェンスでサンゴリアスを上回ったように思います。

本日で卒業して新しい道に進む福岡選手のライン際の粘りのトライはいつまでもいつまでも覚えていると思います。誠実で実直な福岡君は、医療現場で言葉に言い表せないほどの孤独と絶望、苦しみに晒されている患者さんに寄り添って全力で献身していくのでしょう。

フルバック野口選手も裏へのキック&レシーブからのカウンターアタックなど随所に驚くべきプレーを見せて楽しませてもらいました。

松田選手は判断もプレーもキレキレ。淡々と最善手を打ち続けて主導権をサンゴリアスに渡しませんでした。ゴールキックで脚が吊ったシーンは献身的ハードワークがしのばれました。「オールアウト」。思わず目頭が熱くなりました。

サントリーもバレット選手、流選手、中村選手を筆頭に全員がとてもよく頑張ったと思います。

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珍しいミスもあったバレット選手ですが、それでも随所で素晴らしい仕事をしてハードワークし続けて、最後までまったくサボらないし緩めない。ゴール前でブレークダウンでジャッカルに絡んだシーンや、一見無様にも見える福岡選手のトライに追いすがった泥臭い勝負根性は、本当に震えるくらい感動しました。

世界ナンバーワンのスーパースターはどんな時もさぼらないし痛くて泥臭いプレーも、かっこ悪いプレーも率先して行う。これが彼の司令塔としての矜持なのでしょう。「超一流とは何か」というのを改めて深く考えさせられ、教えてもらった試合でもありました。

後半交代で入った斎藤選手のフォロー&ランもすごかった。早稲田時代はもっぱら周りを動かしてフォローする役割に徹していた印象ですが、こんな素晴らしい引き出しもあったのか・・・と度肝を抜かれました。改めて楽しみな選手だなと。交代間際に流選手が優しい笑顔で斎藤選手に握手してバトンタッチする姿も、「いい先輩後輩で、お互いリスペクトしあうライバルなんだな・・・」と感じられ、とっても素敵でした。ホントにきつくて厳しい局面の真っただ中で見られたちょっとした思いやりが伝わってくるシーンだったからこそ、少しグッときました。

ノーサイド間際の相手ボールスクラムで、ワイルドナイツのコラプシング誘発を狙っていたであろうサンゴリアスの堀越選手始めフォワードの鋭い眼光。駆け寄る味方バックスの声。これを受けてワイルドナイツ堀江選手の慎重に味方に声をかける姿。渾身のワンプッシュ。ボール奪取には至らなかったものの最後の一瞬まで勝負がどう転ぶかわからない緊張感にみなぎっていました。

その直後、すくフランカーから転がったボールを大事に大事に拾い上げて、小さなモーションでけり出した山沢選手。勝利の女神が「これであなたたちの勝ちです。本当によく耐えて頑張りましたね。」。優しくささやいているように思えました。

紙幅の都合でやむなく省きますが、ホントは出場選手全員それぞれに印象に残るプレーや佇まいが感じられ、各々に語りたくなる稀有な試合でした。誰一人さぼったり、一瞬でも出し惜しみをしている選手は最後の瞬間までいなかった。素晴らしいドラマは誰一人がかけても成り立たなかった。ラグビーの楽しさ、深さを教えてくれた選手一人一人に握手&ハグでお礼を述べたい気持ちです。

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最後のトップリーグの頂点を極めたワイルドナイツは本当に素晴らしいチームでした。チャンピオンにふさわしい。選手、ファンの皆さんおめでとうございます。復帰した坂手キャプテンのインタビューでのほっとした笑顔に、ここまでの道のりが決して平たんではなかったことが伺えます。

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サンゴリアスも敗れはしたもののとても本当に立派な準優勝。おめでとうございます。来期以降にますます期待です。

両チームとも本当に素晴らしかった。「本当にありがとう」。今日の試合の総括はそれでいいと思います。

《そう》
NHKでライブで観戦していました。
個人的にはサントリーさんを応援していたのですが、パナソニックさんの優勝あっぱれだなと感じました!
前半最初のトライがボーデンバレット(以下BB)からのパスカットしてパナソニックさんのトライでしたが、他のシーンでもBBからのパスカットを狙っていたシーンがありました。BBのランが抑えられていたこと、キック対策もバッチリだったことを踏まえて、パナソニックさんはBBの動きを完全に分析し切って臨み、先制点に繋がり、そこから勢いを持っていっていましたね。
後半途中からサントリー齋藤選手が登場し、短時間の出場でもしっかりフォローランからトライに繋げてましたね。次世代の日本代表の活躍も垣間見られ、福岡選手の引退試合のトライも観れて、最後のトップリーグが綺麗にしまりました!本当に多くの感動を選手・関係者の皆さん、この大変な中で開催し切ってくださり、有り難うございました!!!

《トヨノボリ》
NHKでライブ、JSpoで復習。
パナは安定の強さですね。自陣でほとんど反則せずに守りきり、スキがあるとワンプレーで敵陣に行き、スコアして帰ってくる。
ポゼッションが多少劣勢でも全く関係ありませんでした。
松田選手のプレイスキック安定度が光っていました。同世代との厳しいチーム内競争で一皮むけたようです。

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パークスはキックにゲインに渋い活躍、凄くいい選手なのに世間の評価がいまいちなのが悲しい。
BBも流石に爽やかではいられなかった。黒衣の至宝を必死にさせたのはトップリーグの財産です。サンゴリアスは開き直って攻めた後半に力を発揮、パナの強力なリザーブクローザー陣をもろともせず追いすがったのは流石です。
ゴール前でフィワード勝負ではなく振っていたらとか、キックではなくパスでしていたらとかタラレバはありますが、総じてパナが上回っていました。福岡堅樹が決めた時点で結末は決まっていたのかも。
毎週末楽しく盛り上がれました。これからジャパン、学生と続きあっという間に新リーグ、ラグビーが冬の季語ではなくオールシーズンスポーツになったことに喜びを感じます。

《ユキンコ》
両チーム点数がなかなか入らずか、点数の取合いかの前半かと思っていたので意外な展開になり驚きました。パナソニックは相変わらず規律のとれた動きで落ち着いていましたが、サントリーは少しチームとしての動きがフィットしていないように見えました。後半はさすがに猛追し、リーグ戦全勝の実力を見せてくれましたが、ちょっと遅かった。
やはり、福岡選手のトライは圧巻❗
ライン際のランは天下一品ですね。
B.Bすら彼を止められなかったのは何度見てもつい顔がほころびます。
優勝でMVPで引退なんて格好良すぎます‼️

☆会場の様子☆

快晴、想像以上に日差しが強く、暑い日でした。日焼け対策、熱中症対策はこれからの季節本当に気をつけたいですね。ただ、この日太陽は雲に隠れたりまた出たりの繰り返しで、陰った時は心地よい涼しい風が吹いて助かりました。5000人という観客数は想像以上に少なく、メインスタンドの空席が目立ちました。試合前半は開始早々のライリー選手の独走トライ、福岡選手のトライで盛り上がり、後半はサントリーの追い上げ、特に尾崎選手のトライで5点差まで詰め寄った時は場内が緊迫しました。

初めて優勝セレモニーを見ましたが、優勝と準優勝は天と地ほどに扱いが違います。お決まりの花火のセレモニーで拳を突き上げるパナソニックの選手達、その煙が流れる方向に静かに整列しているサンゴリアスの選手達、どちらの姿にも胸打たれました。新リーグは満員の観客で、ファンサービスできる環境で決勝が行われてほしい、と心から思いました。

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あとがき

パナ 最後の王者 築き上げたディフェンスチーム(5月24日付け朝日新聞朝刊スポーツ面)
パナ競り勝ち 5度目V 引退福岡有終トライ 猛攻防ぎ、逃げ切る(5月24日付け日本経済新聞朝刊スポーツ面)

2月20日に開幕したジャパンラグビートップリーグ2021は、無事決勝の試合まで終えることができました。

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毎週の苦痛を伴うPCR検査と私生活の厳しい制約に耐えながら、毎試合素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた選手の皆様、それを支えたスタッフの皆様、そして試合会場運営関係者の皆様に、トモラボ会員一同ファンとして心から感謝申し上げます。

トップリーグは18年の歴史に幕を下ろし、来季からは新リーグとなって新たな船出を迎えます。その時は、

【満席の観客が、マスク無しで、自由にお酒を酌み交わしている】

当たり前だった風景がラグビー場に戻っていることを願わずにはいられません。


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