根本"マッシュ"智視(Saidera Mastering)

サイデラ・マスタリング(マスタリングスタジオ)で、音の最後の仕上げをほどこすマスタリングエンジニアです。いま一番すきな音楽はビリー・アイリッシュ、すきな女優さんは満島ひかりさんです。https://www.saidera.co.jp/
固定されたノート

すべての礎となる「音の聴き方」

音を聴くこと。これはすべてのサウンドエンジニアにとっての礎(いしずえ)となる「技術」です。あえて「技術」とするのは、聴力の優劣というものではなく、音を聴くことにはいくつかのやり方があると考えているからです。ここでいうやり方というのは、空気の疎密波によって鼓膜が振動して云々という一般的な音を聴くことであることは変わらず、聴くときにどういう意識で、どういう頭の使い方で音を把握するかということです。

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マスタリングにおけるカット方向のEQ

画像はEQカーブでつくったウォーキング フォーキーの腕です。ご査収ください。

「EQはカット方向に使え!」というような教訓を本や雑誌やネット記事ではよく目にします。ミックスにおいては結構同意できるけど、マスタリングにおいては現実には(少なくともぼくの場合は)そればかりではむずかしい。トニー・マセラティのミックスだけが届くならそれでもいいのかもしれないし、別にそういう問題でもないのかもしれない。

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根本"マッシュ"智視の自己紹介とマスタリング作品例

画像はぼくじゃないです。お気に入りのタートルズトレーナーです。

自己紹介

サイデラ・マスタリング所属のマスタリング・エンジニア、根本 智視(ねもと ともみ)です。1987年生まれ。マスタリング・エンジニアのキャリアとしては駆け出しの身ではありますが、「世界の最先端のサウンド」と「自分の感性で作り上げるサウンド」を日々研究して、掛け合わせ、みなさんの音楽をより良くする技術として提供しています。

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超個人的な、良いマスタリング作品の条件

今回は超個人的な意見につきあらかじめご了承いただきたく(ぺこり)。

どういうマスタリング(=音楽の内容ではなく、音楽作品の最終的な音質の仕上がり)を良しとするか。それは人それぞれとしか言いようがありません。絶対的な良し悪しというのは無いのですが、やはり自分の中には「これはマスタリングが良い」と思える作品の条件というのがあります。

1.iPhoneのスピーカーで聴いたときの音像表現

まず、

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低音を分類してコントロールする

まずはじめに。低音のコントロールはむずかしい。再生環境(スピーカーの大きさや再生空間、スピーカーでなくイヤフォンやヘッドフォン再生というパターンもある)により再現性が大きく変わり、すごく増えたり、逆になくなったりすることがあるからです。

海外のポップ・ミュージックにくらべて、日本のポップ・ミュージックは低音が少ないと感じたことはありませんか?
「あ、べつにない?」と話を終わらせたくなくて、ぼくは

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音を聴きとるトレーニング方法

「ほんの少しのあいだ、すごく静かにすわってみよう。そして耳をすましてみよう。今度は紙に聞こえた音をぜんぶ書き出してみよう。」

これは「サウンドスケープ」という概念の提唱者レーモンド・マリー・シェーファー氏と、今田匡彦氏による共著である「音さがしの本 リトル・サウンド・エデュケーション」という著書の冒頭の一文です。

ぼくは自らもずっと心がけているし、インターンシップ生や音響を学ぶ学生さんに接する

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